L→R atsuko(Vo)、KATSU(Key&Gu)

L→R atsuko(Vo)、KATSU(Key&Gu)

【angela インタビュー】
どんな“バトル”の中でも、
やっぱり自分の
“メッセージ”を発信したい

次はCDで出せないかもしれないから
曲順と曲間にはこだわった

「Battle&Message」と「夢と希望に殺される」以外にもアルバムのために3曲の新曲が書き下ろされていますが、アラビアンな「I’ll be...」に陽気なパーティーチューン「Do it!」、和テイストの「君想う」と、見事に世界観がバラバラですね。

atsuko
相変わらず統一感がなくて、ファンになりづらいという(笑)。すでに出ているシングル曲や『革命機ヴァルブレイヴ』のパチンコ用の楽曲が味つけが濃くて、背脂系のラーメンみたいだったから、もうちょっとあっさりした塩味のラーメンみたいな曲が欲しかったんですよ。そういう視点で残りの新曲を作っていって、「I’ll be...」に関しては私が昔からやりたかったワンコードを実現しました! KATSUさんはなるべくやりたくなかったみたいですけど(笑)。
KATSU
ひとつしかコードを使えないと、メロディー展開に限界がある分、アレンジャーの技量が問われるんですよね。今回のタイトル通り、もう自分との戦いで。ヴォーカルを26本録った「君想う」でも、すでに録った自分の歌を聴きながら2本目を録って、3本目を録って…っていう工程に、“こんなのやったことない。殺される!”って思いました。
atsuko
あははは! ここ数年はアルバムに和風テイストなものを入れるのが恒例になっていて、和風の曲って私の声質にも合うんですけど、普通に歌ってみたら民謡みたいになっちゃったんですよ。それだとしっくりきすぎて面白みがないから、とにかく歌をいっぱい重ねてみようってことになったんです。それでメインの歌だけで10本、上と下のハモリで8本ずつ重ねて、声というよりは弦楽器が10本まとめて鳴ってるみたいな聴こえ方にできたらいいなと。ただ、ブレスの位置とかコブシとかが全部揃ってないと濁るので、そういった細かいところのジャッジは私も難しかったです。

「君想う」に続く「THE BEYOND」での締め括りも、まさに『Battle&Message』だなと。『蒼穹のファフナー』というバトルアニメのオープニング曲でありつつ、《お前が信じたそこに居る「今」を照らせ》というメッセージは、特に今の時代にはグッと響くんです。

KATSU
おー、カッコ良い!
atsuko
カッコ良いよね!…って、私が書いたんだった(笑)。最初は「君想う」がラストだったんですけど、「君想う」から「THE BEYOND」の流れのほうが、歌い出しが民謡チックできれいだから逆にしようって、KATSUさんが言い出したんです。
KATSU
正直な話、次のアルバムをCDという形態で出せるかどうかなんて、今の時代は分からないじゃないですか。前回のアルバム『Beyond』が2017年の末だったから、次が3年後になるとして、もうCDというパッケージは存在してないかもしれない。曲順だったり、曲と曲の間みたいなものを味わえるのはCDだけだから、今回は曲順を決めるのにめちゃくちゃ時間をかけて、いろんな並べ方をしてみたんです。そうすると「君想う」から「THE BEYOND」の流れは崩したくないし、同じように「乙女のルートはひとつじゃない!」から「Do it!」のパーティー感も変えられない。そういうのを積み上げていって、最後はやっぱり『蒼穹のファフナー』で締めるのもangelaっぽくてありかなと。

確かに、いつまでCDを出せるのかというのは、最近どのアーティストさんも意識されていますよね。

atsuko
ブックレットの写真を、こんなふうに何パターンも撮っていただけるのも今だけなのかなって。そのうちサムネイル一枚でOKになるじゃないかな? うちはまだ“抽選でかるたプレゼント!”とか、ものすごいアナログなことやってますけど(笑)。

5月23日にはデビュー18周年とアルバム発売を記念しての配信ライヴが行なわれますが、会場が22年振りに復活した日清パワーステーションというのはアツいですね。

atsuko
今は配信専用のスタジオになってますけど、私もお声がけいただいた時に“またあの空間に入れる!”っていう懐かしさがありました。
KATSU
もうなくなってるのかと思っていたらそのまま残っていて、日清さんの会議とかで使ってたらしいんですよね。当時の有名どころがめちゃめちゃ出ていて、まだ実家いた時、音楽誌を見ては“UNICORNの翌日にPERSONZがやるなんて、この夢の空間は何!?”って思ってたんですよ。“上京したら、まず一番にここに行きたい!”って思ってたし。
atsuko
アルバムを出したらツアーをやりたいのは正直なところだけれど、生ライヴって絶対的に来れない人がいるじゃないですか。まだ若すぎるとか、家庭や仕事の事情とか。でも、オンラインライヴをやってみて、そういった人たちから“ようやく観れました”という声をたくさんもらったんですね。それに昨年一年で、あやふやなゴールに向かって頑張れない自分にも気づいたんですね。やれるかやれないか不透明なものに向かって準備することができないので、だったら最初から確実にやれる設定にしようと。まぁ、夏には『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』の2期が放送されますし、そちらも楽しげな曲になっているので期待しててください!

取材:清水素子

アルバム『Battle & Message』2021年5月19日発売 KING RECORDS
    • 【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
    • KICS-93995
    • ¥4,070(税込)
    • ※外箱付き仕様
    • 【通常盤】(CD)
    • KICS-3995
    • ¥3,300(税込)

ライヴ情報

『angela Debut 18th Anniversary Online Live -Battle & Message-』
5/23(日) 東京・日清食品 POWER STATION[REBOOT]
配信時間:19:00~21:00(予定)

angela プロフィール

アンジェラ:低音から高音に伸びる独特のヴォーカルセンスを持つatsukoと、ギターやアレンジなどでその世界観を生み出すKATSUによるユニット。2003年にTVアニメ『宇宙のステルヴィア』の主題歌「明日へのbrilliant road」でメジャーデビュー。以降、『蒼穹のファフナー』など数々のアニメ作品の主題歌を担当。また、海外イベントへも多数出演しており、世界中のアニソンファンの支持を得ている。17年には初の日本武道館単独公演を成功させ、18年にはデビュー15周年を記念したベストアルバム2枚を同時発売、19年3月下旬よりアジアツアーを、21年12月には17年にもわたってシリーズ全ての主題歌・挿入歌・イメージソングを担当したアニメ作品『蒼穹のファフナー』が完結を迎えることを記念した『蒼穹のファフナー FINAL Fes in パシフィコ横浜』のDay 2にて、“angela LIVE -蒼穹作戦-”と題した豪華ライヴを開催した。angela オフィシャルHP

「Battle & Message」MV

「夢と希望に殺される」MV

『Battle&Message』全曲試聴動画

OKMusic編集部

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