荒牧慶彦、玉城裕規ら『FAKE MOTION
–THE SUPER STAGE–』ゲネプロレポ
ート──「卓球戦国時代」、真の天下
を摑み取れ!

本公演は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言に伴う政府及び東京都の要請を踏まえ、2021年4月25日(日)~5月2日(日)の全12公演は中止となっています。なお、5月2日(日)18:00からの千秋楽公演(無観客にて実施)は生中継と生配信されます。詳細は公式サイトをご確認ください。
2021年4月19日(月)品川プリンスホテル ステラボールにて開幕した“フェクステ”。その、開幕直前に行われた公開ゲネプロの模様をレポートする。
本作は2020年に新たな総合エンターテインメントプロジェクトとして始動した『FAKE MOTION –卓球の王将–』のステージバージョン。これまで描かれてきた世界観同様、全ての優劣が卓球の勝敗で決められる「卓球戦国時代」の只中で青春を燃やす男子高校生たちの魂の躍動の物語であり、テレビドラマ版では描ききれなかった“大阪統治”の裏側が語られていく。
『FAKE MOTION –THE SUPER STAGE–』 (C)汐留ヱビス商店街 (C)FAKE MOTION -THE SUPER STAGE-製作委員会
体育館を思わせるシンプルな舞台上を派手に彩るレーザー、印象的な映像、鳴り響く重低音、畳み掛けるラップと攻撃的なダンス──“新感覚ステージ”の呼び名にふさわしい弾けたステージングでオープニング直後から観客をグイグイと煽る演出は、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageを始め直接五感に働きかけてくるエンタメを生み出し続けるクリエイター・植木豪ならではのテイスト。「卓球戦国時代」というブッ飛んだ設定も、「考えるより感じろ」精神で即座にキャッチさせてくれる。また、卓球の試合をラップバトルやダンスバトルへと演劇的に変換、学校ごとに異なるカラーを押し出しつつスピーディーかつスリリングに展開する様子はまさにスポーツ観戦と同様の興奮! ピンポン玉の跳ねる音やラケットを振るモーションとエンタメ表現との親和性の高さにも大いに開眼させられた。
『FAKE MOTION –THE SUPER STAGE–』 (C)汐留ヱビス商店街 (C)FAKE MOTION -THE SUPER STAGE-製作委員会

『FAKE MOTION –THE SUPER STAGE–』 (C)汐留ヱビス商店街 (C)FAKE MOTION -THE SUPER STAGE-製作委員会
『FAKE MOTION –THE SUPER STAGE–』 (C)汐留ヱビス商店街 (C)FAKE MOTION -THE SUPER STAGE-製作委員会

キャストも強力な布陣だ。まずは天下布武学園。織田佐之助役の荒牧慶彦は物語を動かしていくスーパー転校生。荒削りで猪突猛進な風雲児キャラをパワー全開で熱演し、新たな魅力を発揮してくれる。今川義富役の廣瀬智紀はナルシストだが太鼓持ちも得意な憎まれ役を生き生きと演じ、紙一重で嫌いになれない愛嬌の備わったキャラクター像を確立。斯波真一を演じる定本楓馬は落ち着きのある正統派のスポーツマンを丁寧に表現し、チーム全体を引き締める存在に。明智十兵衛役の草川直弥は未知の可能性を持った発展途上の少年をストレートに体現、明智の成長ストーリーというもうひとつの物語の側面を確実に担っていた。
謙信ソルト電子工学院の上杉天真を演じた髙橋祐理は、“意外性”の後味が見せどころ。北条忠則役の田村升吾は、小狡い策士の凄みでヒールとして場をかき乱していく。
そして、信玄明王高校の武田不動は他校と一線を画す美学とプライドの男。演じる玉城裕規はエレガントな強さを最後まで貫き、堂々とした存在感が光った。
『FAKE MOTION –THE SUPER STAGE–』 (C)汐留ヱビス商店街 (C)FAKE MOTION -THE SUPER STAGE-製作委員会
『FAKE MOTION –THE SUPER STAGE–』 (C)汐留ヱビス商店街 (C)FAKE MOTION -THE SUPER STAGE-製作委員会
各校の部員にはEBiDANメンバーを配しフレッシュさもたっぷり。熱い芝居の中にふんだんに盛り込まれたパフォーマンスシーンもハイレベルで、ダイナミックであるのはもちろん、細かなギミックを積み重ねる繊細さも兼ね備え、カンパニーのエンタメ力は常に強火だ。
心に強烈な痛みや決して消えることのない傷跡が残ろうとも、自分たちが思い描いた未来を取り戻すために勇気を持って声をあげ、力を振り絞って自らの意思で戦うことを選ぶ若者たちの青春群像劇。「卓球戦国時代」を生きる彼らが放つ前向きなパワーと現在進行形のリアルは、今を生きる私たちの背中を押してくれる強さで満ちていた。たどり着くその先が、どうぞ光溢れる場所でありますように──。
クリエイター・キャストコメント
◆演出:植木豪
高校生において部活とは、友情を育む場所でもあり、仲間と戦友となり、それこそ明日をかけて戦う場所なのかもしれない。
卓球戦国時代というこの世界の中も、熱い友情の中に絆が生まれ勝利や敗北、挫折や葛藤などが描かれていて、爽快感と残酷なドラマのコントラストでまさに青春時代そのものだなと感じました。
新しい球技の形を創りたいと延期になってからもスタッフの皆様とたくさん話しました。
そして役者やアーティストの皆様が稽古場から凄まじいエネルギーをぶつけあって、とても素敵な舞台になったと思います。
この大変な世界の中で、皆様に明日へのパワーと笑顔をお届けできればとても嬉しく思います。
◆天下布武学園 織田佐之助役:荒牧慶彦
ドラマでは多く語られなかった天下布武学園の過去のお話。
織田佐之助率いる天下布武学園、謙信ソルト、信玄明王がステージ狭しと暴れまわります!
プロジェクションマッピングや照明、ダンスを駆使して卓球の試合を表現して熱いバトルを繰り広げますので、どうぞお楽しみに!!
◆天下布武学園明智十兵衛 役:草川直弥
FAKE MOTIONの作品を生で皆さんにお届けできるのが嬉しいです。
卓球戦国時代という世界観をステージの上でどのように表現するのか、芝居、ダンス、歌を、最新の技術を使いタイ
トル通り THE SUPER STAGEな舞台になること間違いなし!
この状況下だからこそ、僕たちカンパニーの熱量を生で感じてもらい、皆さんのエネルギーになれば嬉しいです。
◆信玄明王高校 武田不動役:玉城裕規
無事に開幕出来る事を幸せに思います。
フレッシュな若いパワーとTHE SUPER STAGEならではの卓球戦国時代と い う世界観を余す事なく感じてもらえたら嬉しいです。
その為に自分自身もその中で精一杯生き、皆で千穐楽まで駆け抜けられるよう努めたいと思います。
演出の豪さんのもと、とても熱く素敵な作品になりました。
『FAKE MOTION』 最後まで応援して頂けたら幸いです。
取材・文(レポート)=横澤由香

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