ビル・エヴァンスの完全未発表ライヴ
音源が45年の時を経て6/18日本先行リ
リース 先行トラックも配信スタート

没後40年、今なお日本で最も愛され続けるジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスの新たに発掘された1975年のバンクーバーでの完全未発表ライヴ音源が、2021年6月18日(金)に日本先行リリースされることが決定し、先行トラック「アップ・ウィズ・ザ・ラーク」の配信がスタートした。
『オン・ア・フライデイ・イヴニング』と題し6月に日本先行発売されるのは、晩年を代表する名盤『アイ・ウィル・セイ・グッドバイ』『ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング』と同じ、エディ・ゴメス(b)~エリオット・ジグムンド(ds)とのトリオによる、バンクーバーで1977年まで営業していた伝説のクラブ、オイル・キャン・ハリーズでの1975年6月20日のライヴ音源。今回、「アップ・ウィズ・ザ・ラーク」の先行配信開始に合わせてヴィジュアライザーも公開となった。
Bill EvansTrio - Up with the Lark Live at Oil Can Harry's, Vancouver, BC, 1975 (Official Visualizer)
こちらは、当時カナダのCHQMでラジオ番組のホストをしていたゲイリー・バークレイのために録音され、彼の人気ジャズ番組CHQMで放送されたもの。このテープは半世紀近くもの間、忘れ去られていたが、バークレイが自宅に持ち帰ったオイル・キャン・ハリーズでのエヴァンスの演奏を録音したテープが――ライヴ収録の先駆者的存在のエンジニア、レイス・ハメルによる、驚くほど高音質で存在感のある音源―バークレイの後所有者が2回代わった末にこの度発掘されようやく目を浴びることとなった。Plangent Processes社による音声修復とグラミー受賞経験もあるポール・ブレイクモアによる緻密なマスタリングにより、45年以上経った今なお新鮮に聴こえる。
9曲入りのこのアルバムには、グラミー賞受賞歴もあるアメリカのジャーナリスト、ラジオDJ、音楽評論家、作家のニ―ル・テッサーによるオリジナルのライナーノーツが掲載(日本盤には日本語訳も掲載)されており、トリオのメンバーであるエディ・ゴメスとエリオット・ジグムンドへの新たなインタビューや、オリジナル曲やスタンダード曲を含むライヴのプログラムをトラックごとに詳細に説明している。
『オン・ア・フライデイ・イヴニング』ジャケット写真
また、本作品では、数ヶ月前にジグムンドが加入したことで、エヴァンスと彼のバンド・メンバーがトリオの新しい編成に慣れていく様子を聴くことができる貴重な機会でもあるという。その理由の多くは、コンサート・ホールから離れた親密なクラブという環境で、ジグムントがその時代の最も重要なピアノ・トリオの系譜の中に自分の居場所を見つけているのを聴くことができるからである」とテッサーは説明する。
また、本作とほぼ同時にビル・エヴァンス史上初のレーベルを超えキャリアを網羅した5枚組CDボックス『Everybody Still Digs Bill Evans: A Career Retrospective (1956–1980)』が6月25日(金)にリリースされる。(輸入盤+デジタル)
Bill Evans - Everybody Still Digs Bill Evans (Trailer)
『Everybody Still Digs Bill Evans: A Career Retrospective (1956-1980)』は、リヴァーサイド、マイルストーン、ファンタジー、ヴァーヴ、ワーナー・ブラザーズ、エレクトラ/ミュージシャンのカタログを網羅し、トニー・ベネット、キャノンボール・アダレイ、ケニー・バレル、スタン・ゲッツ、ズート・シムズ、エディ・ゴメス、シェリー・マン、リー・コニッツなど錚々たるメンバーが参加したエヴァンスのリーダーおよびコ・リーダーとしての優れた名録音全61トラック収録。また、同じくニール・テッサーが、エヴァンスの人生とキャリアについて、様々な人物への最新のインタビューやアーカイブをもとに解説し、ボックスセットの楽曲についても深く考察してたライナーノーツを掲載、貴重な写真なども入った全48ページのブックレットが付いている。
『Everybody Still Digs Bill Evans』商品写真
このボックスセットの楽曲の大半は、40枚以上のアルバムをリリースしたエヴァンスのトリオから選曲されているという。ディスク1には、リヴァーサイドでのセッションを中心に、フィリー・ジョー・ジョーンズ、テディ・コティック、ポール・チェンバース、サム・ジョーンズとの初期の活動から、ドラマーのポール・モチアン、1961年に悲劇的な死を遂げたベーシストのスコット・ラファロとのグループ結成、そしてラファロ以降のモティアン、チャック・イスラエル、ラリー・バンカーとのトリオまで。ディスク2では、60年代半ば以降のエヴァンスのトリオ録音を中心に、エディ・ゴメス、マーティ・モレル、エリオット・ジグムンド、ゲイリー・ピーコック、ジャック・デジョネット、ジョー・ラバーベラ、マーク・ジョンソンなどのサイドマンとのコラボレーションを収録。また、ソロ・レコーディングも数多く行い、グラミー賞7部門のうち2部門(1963年『Conversations with Myself』、1968年『Alone』)をソロの作品で受賞しているエヴァンスにスポットを当てたディスク3、そして伝説のヴォーカリスト、トニー・ベネットや叙情的なギタリスト、ジム・ホールとの有名なデュエットや、ピアニストでありインタビュアーでもあるマリアン・マクパートランドとの貴重な共演、さらにキャノンボール・アダレイ、スタン・ゲッツ、フレディ・ハバード、トゥーツ・シールマンス、ズート・シムズ、リー・コニッツなどの著名なミュージシャンとのカルテットやクインテットでの演奏も収録され、トリオ以外のコラボレーションに焦点を当てているディスク4、そしてディスク5には今回発掘された『オン・フライデイ・イヴニング』を丸々収録した内容となっている。

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