大竹しのぶ「舞台の上で必死に生きる
のみです」~開幕した『フェードル』
より、舞台写真&初日コメントが到着
(左)大竹しのぶ(右)林遣都 撮影:田中亜紀
これまで収容率100%での開催予定であったため、販売済みのチケットを全て払い戻し、改めて収容率50%までに設定した上、チケットを再販売。
20時までに上演が終了するよう、上演スケジュールを見直し。
また、初演を迎えた演出・栗山民也、主演・大竹しのぶ、出演・林遣都のコメントも紹介する。
この戯曲のもともとはギリシャ劇に根っこがあるので、神だの怪物だのと現在の科学からは程遠いものに縛られていますが、不可解なわたしたち人間の感情ということで言えば、その遠い昔と何も変わらず、全く同じに惑い、悩み、ぶつかり、愛し合うことを繰り返しているのです。
この120分の物語を埋め尽くす、ジャン・ラシーヌの言葉の熱く激しい温度に身を任せ、その体験を楽しんでください。コロナの荒涼とした時代の中で、この熱いという皮膚感覚は、とても貴重で素敵なものです。人間って、なんて乱暴で繊細で、でも最後まで強く愛してしまう生き物なのでしょう。その世界の、そこにいる人間たちの限りない不条理の美しさを見つめてください。
それでも私達は幕を開ける事を選びました。
万全の対策でお待ちしていますとしか言えませんが、あとは舞台の上で必死に生きるのみです。頑張ります。
大竹さんが高めてくださった士気のもと、細心の注意を払いながら稽古を重ねてまいりました。
演劇の力を信じ、情熱に満ち溢れ、純粋にお芝居と向き合い続ける今回の座組の皆さんと過ごした稽古期間は、僕にとってかけがえのないものとなりました。
観に来てくださる方一人ひとりに感謝し、大切に演じていきたいと思います。
舞台は、ギリシャ・ペロポンネソス半島の町トレゼーヌ。行方不明となったアテネ王テゼ(谷田歩)を探すため息子イッポリット(林遣都)は国を出ようとしていた。
一方、テゼの妻フェードル(大竹しのぶ)は病に陥っていた。心配した乳母のエノーヌ(キムラ緑子)が原因をききだすと、夫の面影を残しつつ、夫には失われた若さと高潔さに輝くイッポリットへの想いに身を焦がしていると白状する。
苦しみの末、フェードルは義理の息子に自分の恋心を打ち明ける。
しかし、イッポリットの心にあるのはテゼに反逆したアテネ王族の娘アリシー(瀬戸さおり)。
イッポリットはフェードルの気持ちを拒絶する。そんな中、テゼが突然帰還して……
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