「あやまらず反省しない相方」枡野浩
一連載5
枡野浩一の「今夜も仲なおり」
第5回「あやまらず反省しない相方」
たいがー・りーさんと、「夜ふかしの会」の砂川禎一郎さんの力を借りてやった、詩人歌人の初のコントライブ『第二印象 ~お笑いじゃないかもしれない症候群~』(5/13阿佐ヶ谷ロフトA)、ご来場くださった方ありがとうございました。来場したいと思ってくださった方もありがとうございました。盛況でした。ギャラももらいました。
「爆笑した、このまま永遠に上達しないで!」「照明がもう消えてるのに、言い忘れたセリフを追加で言う度胸に感動した!」といった優しいのか酷いのかわからない感想から、「いろんな意味で仲よしです! ってセリフを言うとき、歌人さんは詩人さんの顔から必ず目をそらしていますね」といった鋭いご指摘、「正直がっかりしました、ミスが多すぎます」「お笑いをなめてますね」といった、ごもっともな叱咤まで、さまざまな感想が届きました。
私はさっそくライブの録画を入手して自らチェック、「たしかにこれは」と深く反省しましたが、相方は反省していません。私が何度か催促して、やっと録画を見てくれたようですが(当初は見ないで「見た」と嘘つくつもりだったと白状)、相変わらず「まあまあいいライブだったと思う」と言っています。
まあ、ライブをやるたび大切なセリフを飛ばしてしまうのは基本いつも相方で、そのことにまったく気づいてないという現象に私のほうが毎度動揺し、結局つられて私もミスしてしまうというのがおきまりの連鎖反応。怒ってもなおらないので、ミスがたくさん生じても一応成立するように工夫して台本を書いているなんて、お笑いのプロを長年やっている皆様には思いつきもしない心がけでしょう。(しかし、けっして「なめている」わけではありません)
それでも、最初と最後の決まり文句的な挨拶をもまちがえるのだから、これはもう別の意味で天才なのかもしれないと思っています。普通まちがえませんよ、「ごめん詩人、俺が悪かった」「ごめん歌人、僕も悪かったよ」「これからもよろしく」「これからもよろしく」「けんかをしたら」「仲なおり!」っていうシンプルなやりとり。
舞台の上では「ごめん詩人」「ごめん歌人」と言い合う詩人歌人ですが、実際には相方が私にあやまることはそんなにありません。うっかりではなく、わざと私が怒るようなことをやっているからです。そして相方は、自分のやった「ちょっとよいこと」を常に過大評価し、恩に着せるのです。以下は、そのことが端的にあらわれた詩人歌人の日常会話です。
「爆笑した、このまま永遠に上達しないで!」「照明がもう消えてるのに、言い忘れたセリフを追加で言う度胸に感動した!」といった優しいのか酷いのかわからない感想から、「いろんな意味で仲よしです! ってセリフを言うとき、歌人さんは詩人さんの顔から必ず目をそらしていますね」といった鋭いご指摘、「正直がっかりしました、ミスが多すぎます」「お笑いをなめてますね」といった、ごもっともな叱咤まで、さまざまな感想が届きました。
私はさっそくライブの録画を入手して自らチェック、「たしかにこれは」と深く反省しましたが、相方は反省していません。私が何度か催促して、やっと録画を見てくれたようですが(当初は見ないで「見た」と嘘つくつもりだったと白状)、相変わらず「まあまあいいライブだったと思う」と言っています。
まあ、ライブをやるたび大切なセリフを飛ばしてしまうのは基本いつも相方で、そのことにまったく気づいてないという現象に私のほうが毎度動揺し、結局つられて私もミスしてしまうというのがおきまりの連鎖反応。怒ってもなおらないので、ミスがたくさん生じても一応成立するように工夫して台本を書いているなんて、お笑いのプロを長年やっている皆様には思いつきもしない心がけでしょう。(しかし、けっして「なめている」わけではありません)
それでも、最初と最後の決まり文句的な挨拶をもまちがえるのだから、これはもう別の意味で天才なのかもしれないと思っています。普通まちがえませんよ、「ごめん詩人、俺が悪かった」「ごめん歌人、僕も悪かったよ」「これからもよろしく」「これからもよろしく」「けんかをしたら」「仲なおり!」っていうシンプルなやりとり。
舞台の上では「ごめん詩人」「ごめん歌人」と言い合う詩人歌人ですが、実際には相方が私にあやまることはそんなにありません。うっかりではなく、わざと私が怒るようなことをやっているからです。そして相方は、自分のやった「ちょっとよいこと」を常に過大評価し、恩に着せるのです。以下は、そのことが端的にあらわれた詩人歌人の日常会話です。
こんな詩人歌人なのですが、このあいだ初めて二人でテレビのオーディションを受けたら合格してしまい、仲なおりをせざるをえなくなりました(ライブが終わったら、さよならを伝えようと思っていたことは内緒です)。そのテレビ番組、現在は地上波ではないのですけれども、皆が名前くらいは知っている人気番組です。先日の朝早くから収録してきました。その話は、また再来週!
「がっかり」は期待しているときにだけ出てくる希望まみれの言葉
【枡野浩一『歌』(雷鳥社)より】
(画像の見られないサイトでごらんの方は、
「がっかり」は期待しているときにだけ出てくる希望まみれの言葉
【枡野浩一『歌』(雷鳥社)より】
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でごらんください)
【枡野浩一:プロフィール】
ますのこういち…歌人。昨年、まさかの芸人宣言。詩人の本田まさゆきとともに、お笑い芸人コンビ「詩人歌人」として活動中。合い言葉は「いろんな意味で仲よしです!」。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。
オススメ詩集:歌―ロングロングショートソングロング (雷鳥社) /著:枡野浩一
短歌70首と写真がまるで「ひとつの歌」のように響きあう写真短歌集。
【枡野浩一:プロフィール】
ますのこういち…歌人。昨年、まさかの芸人宣言。詩人の本田まさゆきとともに、お笑い芸人コンビ「詩人歌人」として活動中。合い言葉は「いろんな意味で仲よしです!」。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。
オススメ詩集:歌―ロングロングショートソングロング (雷鳥社) /著:枡野浩一
短歌70首と写真がまるで「ひとつの歌」のように響きあう写真短歌集。
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