【angela インタビュー】
運命に抗いたくなる時もあるけれど、
全てを受け入れて叫べ!
“奇跡の周波数”で曲を作ったら、
めっちゃ眠くなりました(笑)
いやいや、次も待ってます(笑)。一方、カップリングの「おやすみ」はDNAを修復するという説のあるソルフェジオ周波数に着目し、制作された“究極のハイブリッド癒しの音楽”だそうですね。
KATSU
僕、そういう都市伝説みたいな噂が好きなんですよ。例えば、地球は自転しながら人間の耳には到底聴こえないほど低い音を立てていて、その音が鳴っているから人間は安心して生活できるとか、昔のクラシックは今とチューニングが違っていて、今よりも癒される音が鳴っていたとか、音にまつわるエピソードもいろいろあるんです。その中に“奇跡の周波数”と呼ばれるソルフェジオ周波数の話もあったから、いつか曲に使ってみたいとずっと考えていたんですよ。そしたら新型コロナの影響もあり、YouTubeで何か企画を立ち上げようっていう話が出たんで、“じゃあ、動画の中でソルフェジオ周波数の実験や検証をしながら曲を制作してみよう!”と。ただ、9つあるソルフェジオ周波数の全てを織り交ぜるのは結構大変なので、一番ポピュラーな528Hzを使うことにしたんです。ザッパーン!っていう波の音にも528Hzが含まれてるから癒されるとか、いろんな説があるんですよ。
atsuko
それって反町隆史さんの「POISON」を聴くと、赤ちゃんが泣き止むみたいなやつ?
KATSU
大きく言うと、そういうこと。528Hzって普通の“ド”よりも少し高いので、全体的にちょっとだけ音を上げるチューニングにすればいいんですね。それ自体はそんなに大変な作業じゃないんですけど、そこに生楽器を入れようとすると“本来は存在しない音階”で弾いてもらうことになるので、すごく難しいらしいんです。なので、音は全部シンセで作りました。
atsuko
下手に絶対音感があったりすると、“ドはこの音じゃないのに!”って思っちゃうから、逆に気持ち悪い感じになっちゃうんだろうね。その点、私はありがたいことに絶対音感がないので、何の問題もなく、普通に気持ち良く歌えました(笑)。
実際、制作中に他の曲とは違う癒しや効能を感じたりもしました?
KATSU
レコーディングが終わったあとのミックスで何十回と聴いていたら、めちゃくちゃ眠くなりました! それをエンジニアさんに伝えたら、“俺もそうなんだよね”って言われて…
atsuko
それって曲調のせいじゃないの? 同じ528Hzでもすごいロックな曲だったら果たして眠くなったのかっていう謎が残る。
KATSU
ほんとそうで、結局はソルフェジオ周波数うんぬんよりも、atsukoさんの言葉で“おやすみ”って言われるほうが寝ちゃうんですよね。言葉の持つ力の偉大さを改めて知りました。
タイトルの通り、まさしく子守唄のようにやさしい曲ですからね。
atsuko
最初にメロディーを作ったら、こういう方面の歌詞しか思い浮かばなかったんです。あんまり意味のないものにもしたくて、DNAの修復とか無限の可能性とか言ってる時に、“生きるとは何か?”みたいな歌詞にしてしまうと考えちゃうじゃないですか。なので、意味深なことは排除して、純粋に情景描写だったりを膨らませつつ、なるべく耳に残らない言葉を集めました。普通は引っかかることを目指して作っているのに…だから、表題曲とは真逆ですよね。そもそも“叫べ”と“おやすみ”って落差すごすぎ!
KATSU
両極端だよね(笑)。あと、「おやすみ」はASMRで知られるバイノーラル録音をしていて、ソルフェジオはスピーカーから鳴る音を体で感じるものだけれど、バイノーラルはヘッドホンで聴くと耳の中が刺激されるものだから、どういう環境で聴いても普段と違うという。そういう意味での“ハイブリッド癒しの音楽”なんですよ。
atsuko
まぁ、YouTubeを使って制作過程を長いスパンでお観せするというのも、なかなか今までにないかたちなので、ファンの方にも楽しんでいただけたんじゃないかとは思います。
公式チャンネル内の動画配信プログラム『ドーガdeどーだ!!』では、エクササイズ動画も配信されていたりと、今後も楽しい企画が打ち出されそうですね。
atsuko
やりたいことも何個かあるので、どの方向でやっていこうかなと。もちろん本職のユーチューバーの方々と同じレベルではできませんけど、ざっくりと元気そうなangelaをお客さんに観ていただけたらいいなというのが目標ではあります。
期待してます! では、表題曲のタイトルにちなみ、おふたりが今、一番叫びたいことを最後に教えてください。
atsuko
満杯の会場で歌いたい! そして、お客さんも一緒に歌える状況になりたい! いろんな制限がある中で、すでにライヴをやられてる方も多いですし、何が正解とかはないと思うんですよ。どれも正解だし、みんなもがいてるし、進んでいかなきゃいけないのも分かってる。でも、本当はみんな満席のお客さんの前で一緒に叫びたいんでしょ?って。
KATSU
普段だったらここでatsukoと違うことを言うべきなんですけど、今回に限ってはまったく同じですね。ライヴに行くこと、ライヴをやることにまつわる不安を全部取っ払ってライヴがやりたい! それが今、一番叫びたいことですね。
取材:清水素子
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シングル「叫べ」2020年11月18日発売
KING RECORDS
- 【期間限定盤】(CD+Blu-ray)
- KICM-92051
- ¥1,800(税抜)
- 【アニメ盤】(CD)
- KICM-2051
- ¥1,200(税抜)
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『angelaのミュージック・ワンダー★生特番 ~パシフィコで会いたくて~』
12/27(日) オフィシャルYouTubeチャンネルにて生配信
アンジェラ:低音から高音に伸びる独特のヴォーカルセンスを持つatsukoと、ギターやアレンジなどでその世界観を生み出すKATSUによるユニット。2003年にTVアニメ『宇宙のステルヴィア』の主題歌「明日へのbrilliant road」でメジャーデビュー。以降、『蒼穹のファフナー』など数々のアニメ作品の主題歌を担当。また、海外イベントへも多数出演しており、世界中のアニソンファンの支持を得ている。17年には初の日本武道館単独公演を成功させ、18年にはデビュー15周年を記念したベストアルバム2枚を同時発売、19年3月下旬よりアジアツアーを、21年12月には17年にもわたってシリーズ全ての主題歌・挿入歌・イメージソングを担当したアニメ作品『蒼穹のファフナー』が完結を迎えることを記念した『蒼穹のファフナー FINAL Fes in パシフィコ横浜』のDay 2にて、“angela LIVE -蒼穹作戦-”と題した豪華ライヴを開催した。angela オフィシャルHP
「叫べ」MV(short ver.)