Not yet、ファーストアルバムにして
最終作? 収録曲では各メンバーの個
性が明らかに

 キャリア初のアルバムが上々な滑り出しを見せたNot Yetだが、大島優子の卒業が目前に迫っている今、同ユニットの“存続問題“は無視できない状況にある。

 4月29日に行われたHKT48のアリーナツアー『HKT48アリーナツアー~可愛い子にはもっと旅をさせよ~』で、指原はNot Yetについて「事実上解散グループ!」と発言するなど、大島卒業後の見通しに関してはまだ不透明な部分が多い。そこで今回は“ファーストアルバムにしてラストアルバム”になるかもしれない今作を、それぞれの個性と共に振り返りたい。

 Not yetの楽曲については、以前リアルサウンドでもエドボル氏が語っていた通り、ももいろクローバーを意識したかのようなMVとサウンドの『週末Not yet』でデビューしたが、すぐに『波乗りかき氷』などのAKBフォーマットの楽曲へ移行。その後、大島優子が一躍世間に広く知られ、AKB48の顔として活躍していたこともあってか、2013年には『ヒリヒリの花』という“ヘビロテ路線”のシングルをリリースしている。(参考:世間のAKB48離れを食い止めろ! 大島優子、指原莉乃らの“重役ユニット”Not yetへの指命)

 同ユニットはメンバーの多忙などもあり、2012年以降は1年に1枚ペースでしか楽曲をリリースしていない。指原がHKT48の支配人となり、2013年の総選挙では1位を獲得したほか、横山はチームKのキャプテンとして大島の後を継ぐ存在となり、北原も『テラスハウス』出演以降、積極的にメディアへの露出を増やしている。そのためアルバムをリリースするまでに少し期間があったが、多忙の中制作された今作『already』は、新曲こそ少ないものの、各メンバーの個性がはっきりと見える内容だといえるのかもしれない。

 まず、大島優子の色が強いのは、自身が出演するCMのタイアップに使用されている「次のピアス」と「世界の風を僕らは受けて」の2曲。“ヘビロテ路線”とも称される彼女の声を活かすギターロック路線の楽曲で、前向きな歌詞にも彼女らしさが表れている。

 横山は、昭和歌謡に似た節回しが特徴な「May」や、彼女を起用したユーキャンのCMで使用されていた「見えない空はいつでも青い」などで個性を発揮している。努力家キャラとして他のメンバーからも一目置かれる彼女らしく、様々なタイプの楽曲へ果敢にチャレンジする姿勢が伺える。

 指原の色が強いのは「ハグ友」。同曲は、指原の総選挙1位獲得後初のセンター曲で、2013年のJPOPシーンを代表する楽曲といっても過言ではない「恋するフォーチュンクッキー」の作曲を務めた伊藤心太郎が、“恋チュン”以前に提供をしていた楽曲。また、北原里英に関しては、自身が作詞を務めた楽曲「guilty love」が収録されているなど、各メンバーにスポットが当たったラインナップとなっている。

 トークを含めたパフォーマンスにおける表現力の高さを武器としている大島に目が行きがちだが、他のメンバーが個性を存分に発揮している分、このように楽曲にもそれぞれの色が際立っている。彼女の卒業後に関しては不安視する声も多いが、今の3人なら大島卒業後も地に足を着いた活動ができるのかもしれない。
(文=中村拓海)

リアルサウンド

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