【SPICE特別コメント付き】“世界一
優雅な野獣”セルゲイ・ポルーニンが
初の日本単独公演開催 “SACRÉ”「
春の祭典」で気鋭振付家・大石裕香と
コラボレーション

“世界一優雅な野獣”、“孤高の天才バレエダンサー”と称されるバレエダンサー、セルゲイ・ポルーニンが2020年5月14日(木)、15日(金)新宿文化センター大ホールで初の日本単独公演となる『セルゲイ・ポルーニン“SACRÉ”「春の祭典」』を開催する。それに先立ち2月上旬、ポルーニンと『SACRÉ』を振付した大石裕香が出席して行われた記者会見の模様をレポート。また「SPICE」が単独取材して入手した両者の特別コメントもご紹介する。
■ポルーニン、「春の祭典」に挑む!
ポルーニンは1989年生まれでウクライナ出身。2007年に英国ロイヤル・バレエ学校を卒業後、英国ロイヤル・バレエ団に入団し19歳で最高位プリンシパルに昇格するが2012年に電撃退団した。その後アイルランド出身の歌手ホージアの楽曲「Take Me To Church」のMVに出演し、YouTube累計再生回数2700万回を越えている。半生を描いたドキュメンタリー映画「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン世界一優雅な野獣」が2017年に日本で公開されヒットを記録したのは記憶に新しい。バレエ界の枠を超えて活躍する異能のカリスマである。
Sergei Polunin, "Take Me to Church" by Hozier, Directed by David LaChapelle
今回の公演は第1部『Fraudulent Smile~偽りの微笑み~』(振付:ロス・フレディ・レイ)、第2部『Paradox & SACRÉ』(振付:大石裕香)から成る。特に後者でストラヴィンスキー作曲「春の祭典」にポルーニンが挑む『SACRÉ』は振付をドイツの名門ハンブルク・バレエ団で日本人女性初のソリストを務めた大石が担当。世界各国での上演を経て待望の日本上陸となる。
1913年にストラヴィンスキーの「春の祭典」を最初に振付したのは伝説の舞踊手ヴァーツラフ・ニジンスキーだった。ディアギレフのバレエ・リュスのスターがバレエの常識を覆す斬新な振付を行って衝撃をもたらして以後、不協和音の続く激しく現代的な音楽は幾多の振付家の創造欲を刺激し、数々の名舞踊手により踊られてきた。ポルーニンはなんとソロで同曲を踊る。力のない振付、並みの踊り手であれば強大な音楽に敵わない。ポルーニンは「裕香さんと出会えて幸運。天賦の才能を持っています」と大石に全幅の信頼を置く。
セルゲイ・ポルーニン
「裕香さんはロシア的な魂を持ついっぽうで、アジア文化の素晴らしさを体現している。裕香さんのおかげでアジア的なテーマも融合されています。一人のダンサーが踊る非常にシンプルな作品ですが、シンプルであるがゆえに公演を続けていくことができますし、裕香さんにはとても感謝しています。裕香さんは作品のすべてのディテールに意味を持たせます。細かいところにさまざまな意味が込められているのです」​
■ポルーニンの感情を発散させたい
大石はスイスのダンスフェスティバルでポルーニンと知り合った。その後「ロシア革命の前のロシア」をテーマにした創作を委嘱され、ストラヴィンスキーの「春の祭典」を用いて創作する際にポルーニンに声をかけた。
「セルゲイに初めて会った時は落ち着いていてシャイでした。本番を見るとオーラをまとっていて、さすがスターだと思いました。そのギャップに考えさせられるところがありました。どういう人なのか、何があってここまで来たのだろうかと興味を持ちました。もっと中にある感情を吐き出したいと思っていると感じたんですね。彼がじわじわ中にため込んでいる何かを発散させるようなものを一緒に作れるのではないかと思いました」​
大石裕香
大石はハンブルク・バレエ団やモーリス・ベジャール・バレエ団に振付するなど日本人トップクラスの活躍を見せるコレオグラファーだが、ポルーニンとの創作は未知の経験だったようだ。
「彼は私がどういう振付家なのか知らない。私も彼がどういう人間なのか、どういうダンサーなのかを知らない。探り探りでしたが、セルゲイはナチュラルで素直なので、分からないことは聞いてくれる。私は私で彼の身体を動かしてみて、こういうものが見えてくるなというイメージで動かしていくのですが、それを楽しんでやってくれました」
記者会見の様子
■たくさんの人たちのために踊りたい
ポルーニンは近年は映画「オリエント急行殺人事件」に出演するなど俳優としての活動も活発。またセルゲイ・ポルーニン基金を設立し恵まれない子供たちに高度なバレエ教育を提供する活動を行っている。しかし根っからのダンサーだ。ポルーニンは本公演の見どころをこう話した。
「音楽も素晴らしいですし、見てくださった人々は必ずエネルギーをチャージできると考えています。エンターテインメント性の高い作品です。多くの人を引き寄せて人の輪が広がるようなものが大事で、そこからアイディアが深まっていきます。パワフルな舞台をしていきたいし、それが一番大事。いろいろな人々の生命を踊っています。ニジンスキーも出てきますが、私の人生を踊っています。ニジンスキーとつながることもありますし、アジア人女性である裕香さんの魂とつながることもあります。私はたくさんの人のために踊っています。一番重要なのはそこです。皆さんに心から楽しんでいただきたい」

記者会見の様子

口ぶり、身ぶりから心技体共に充実している様子が伝わる。なお第1部の『Fraudulent Smile~偽りの微笑み~』は「善人がなぜ悪行を働くのか?」がテーマで、ポルーニンはこちらにも出演。繊細かつ強靭で、どこまでもしなやかなダンス。そして、そこに深い精神性を感じさせる――。21世紀の奇跡のダンサー、セルゲイ・ポルーニンの本領発揮の公演となりそうだ。
【SPICE独占!】セルゲイ・ポルーニン&大内裕香 特別コメント
【セルゲイ・ポルーニン】今回日本に来て西側とは異なる独自の文化・スタイルの中で演技ができることを嬉しく思います。日本の皆様がどのような反応を示してくださるのか楽しみにしています。これまであまり日本に来ることはなかったのですが、私の心の中にあります。今後も日本に来たいです。
セルゲイ・ポルーニン
【大石裕香】『SACRÉ』を創った時は小さなパズルが勝手につながっていったような感じでした。ストラヴィンスキーの「春の祭典」を使うことになり、ニジンスキーの狂気の方向性が広がってきたんです。そこで誰がニジンスキーかと考えるとセルゲイだったんです。最初はもう少し人数を使おうと考えましたがソロでいこうと。自分にとってチャレンジでした。
大石裕香
セルゲイ・ポルーニン “SACRÉ”「春の祭典」は、2020年5月14日(木)・15日(金)の2日間、新宿文化センター大ホールにて行われる。
ポーズのリクエストに快く応えてくれたお2人。ありがとうございました!
取材・文=高橋森彦 撮影=中田智章

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