橋本祥平「台風の経験も良いバネに」
 舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose
Stars-』への意気込み

映画館でスクリーンに声援を送ったり、ペンライトを振りながら鑑賞するという、映画鑑賞スタイル「応援上映」で社会現象を巻き起こした「KING OF PRISM」(通称:キンプリ)シリーズ。2018年11月に第1作目を上演した、舞台『KING OF PRISM -Over the Sunshine!-』でも本家劇場版の魅力を踏襲し、上演中にペンライトOK、声援OKの時間を取り入れ、舞台界でも新しい風を吹き込んだ話題作となった。
この舞台の第2弾公演が2020年2月よりスタートする。今回の作品は、アニメ「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」で展開された「Prism.1」を描き、さらにオリジナルストーリー、オリジナル曲満載になるというが……。
主演の一条シン役・橋本祥平に、前回の公演を経ての感想や、次回作品への意気込みなどを語ってもらった。
この奇跡を大切に仲間たちとまた……
ーー舞台『キンプリ』第2弾が決まった時の感想をお聞かせ下さい。
僕は舞台に出演するとき、いつも「次はない」と思ってステージに立っているので、今回第2弾を上演することになったと聞いたとき、奇跡だなって思いました。第1弾の時から2年の年月を経た今、この奇跡を大切に仲間たちとまた「キンプリ」を作り上げていきたいと思っています。
ーー前作上演時は「応援上演」が話題となりましたが、「応援上演」の魅力とはなんでしょうか。
「素敵な文化が日本にできたな~!」と思っています。作品を黙ってみるのも大事ですけど、お客さんも一緒に大声を出して、一緒に作品を作り上げていくという。いつもだったら舞台はステージから届けるものっていうものだと思うんですけど、劇場全体が舞台っていうか、お客さんもある種キャストの一人として作品を一緒に盛り上げてくれるっていう革命的なことだなあと思います。舞台も実際にみなさんの声援をたくさんいただいて成功することができたので、第2弾もみなさんの「応援上演」でのご声援を楽しみにしております。
橋本祥平
ーー本作をどんな方に見て頂きたいですか?
これまで応援してくださっている方はもちろん、初めての方にこそ「キンプリ」という舞台を観て頂きたいです。舞台『キンプリ』は応援上演も含めて、舞台『キンプリ』なので。初めて舞台版を観る方は確実に驚くと思うんです。こんなにすごいんだぜ! こんなことやってるんだぜ! ということを観てほしいです。
ーー「一条シン」の好きなところを教えてください。
いろんな人に愛されているのがシンくんの一番いいところだと思います。僕にとっても、作品にとっても、みんなを温かく照らしてくれる太陽のような存在ですね。この作品はシンくんの成長過程もポイントになっているので、そこに注目して作品を楽しんでいただきたいです。
下の世代はローラーシューズに乗ったことがなかった
ーー舞台初演はどのような公演でしたか。
初演の時は僕らも楽しみ半分、恐怖半分で稽古に挑んでいました。僕らも実際に劇場版「キンプリ」の応援上演を肌で体験した時に「お客さんの熱量ってこんなにすごいんだ」っていう驚きと、応援上演の良さを知りました。もちろん舞台でもそれをできたらと思ったのですが、舞台で応援上演を行うという前例がないので、果たしてそれが上手くいくのかっていう不安とかプレッシャーがありました。しかし、いざ幕が上がるとお客さんもさすがで、ちゃんと応援してくれるし、本当に声の出し方が上手い! 僕らのお芝居の邪魔をしないで、かつ作品を一緒に盛り上げてくれる。これがすごく感動しました。初日から鳥肌が立ちっぱなしでしたね。
ーー舞台では声を出しても良いシーンが決まっていますね。確かにお芝居の邪魔をしてはならないですし。
ですね。皆様の声に僕ら自身も助けてもらって成功することができました。「キンプリ」ってこれだな! っていうのが舞台でも改めて再確認できた瞬間でした。
ーー初演ではお風呂シーンなどアニメでも見どころだった場面が満載でした。
僕らも脱ぐとわかってからは気合入れて身体作りもしました。20歳を超えている組は稽古終わりでご飯に行った際も、お酒をちょっと控えようとする人が多かったですね(笑)。プリズムショーもアニメを見た時、どうやって舞台でやるんだろうと思っていたんですが、照明の当たり方・プロジェクションマッピング・アナログな演劇という表現方法で構成されて表現したということが、この舞台ならではだなと思いました。
橋本祥平
ーーローラーシューズも履いていますよね。
あれは僕、世代なんですよ! 社会現象になるくらい流行っていて、スーパーでも「ローラーシューズ禁止」という張り紙がされるくらい一世を風靡したブームだったんです。なので僕はすごく乗り慣れてましたが、僕よりも若い子たちが初めて乗るということで、その事実がショックでしたね……。みんな勘の良い人たちばかりなのですぐ乗りこなしてましたが。
ーー昨年10月のライブ(2019年10月12日「KING OF PRISM-Rose Party 2019-」)は台風で無観客ライブとなりましたが……。
もうこればかりは誰も恨むこともできませんね……。自然現象ですし仕方ないなと思いつつも、正直やはり悔しかったです。久しぶりに僕らのプリズムショーを皆様にお届けできる機会でもあったので、生でお見せできなかったのは本当に残念でした。それでもパシフィコ横浜のあのステージに立つことができたという事実だけで胸がいっぱいでした。カメラ越しではありましたが、本当に皆さんの声が聞こえるような錯覚も覚えました。すごいたくさんの方がライブ中継(ニコニコ生放送)を見てくれたということを聞いたので、画面上ではありましたが皆様にお届けできて良かったなと思っています。皆様の声が実際には聞けなかったので、どんなことを反応してくれていたのかなとニコ生のタイムシフトを見たんです。たくさんコメントをしてくれていて、それも嬉しかったです。
シャインの存在は「なるほど」
ーーアニメ「KING OF PRISM –Shiny Seven Stars-」では、シャインの存在が描かれていましたが、そのストーリーを見ての感想は。
シンくんは天性のきらめきでみんなを照らす太陽みたいな子だなと思っていたんです。だからその内に秘めているものに、「なるほど」と。この展開はファンの方もビックリされた方が多いのではないでしょうか。僕はもっとシンくんのことが好きになりましたし、シャインのことも大好きです。激アツなキービジュアルにも秘められてますが、舞台でもシャインを絶対にやってみたい! と思いました。
橋本祥平
ーー「Prism.1」のストーリーも描かれるんですよね。
そうですね。アニメのお話を描きつつ、舞台ならではの展開にも注目です。アニメ「キンプリ」ファンの方に見てもらえたら、ストーリーも胸熱だと感じてもらえるのではないかなと思います。僕も今回の内容を聞いてすごく興奮したので……! あとオリジナルストーリー、オリジナル曲も! 特に曲数は結構あるらしいです。
ーーダンスや歌唱について。ブタキンの稽古はここが大変!? というポイントとは。
僕はこの業界に入るまでダンスを専門的にやってきてはいないので、現場ごとに学ぶことが多いです。「キンプリ」で言えば、オリジナル楽曲は歌詞と振りに繋がりがあって踊りやすく作ってくれているんだと思いますが、元からある曲、シンくんでいえば「Over the Sunshine!」などは、アニメで踊っていたのと全く同じ振りを教えてもらいました。最初はヒーヒー言いながら練習したんです……。みなさんも知っている振りなので少しでも間違えて踊ってしまったら分かってしまいますし。再現度100%でないと! と思っていたのでプレッシャーがすごく大きかったです。
圧倒的歌唱力のspi、トラブルもチャンスに変える古谷大和
ーーカンパニー自慢を聞かせてください。
このカンパニーは素晴らしいなと思うところは、みんなちゃんとキャラクターを愛していることです。あとは向上心。教えてもらった歌や振付をその場だけではなく稽古前後に自主練をして、少しでも完成度を上げようとしている。ずば抜けてプロ意識の高い現場だなと思います。毎回刺激を受けてますね。
ーー共演者のなかで、この人のここはすごい! みなさんに聞いてほしいことがあります! ということを2人ほど教えてください。
じゃあ、いつもはエーデルローズ生について言うことが多いと思うので、今回はシュワルツローズから。spiさん(大和・アレクサンダー役)の歌は圧倒的なものだなと思ってます。ビジュアルもですが、本当に説得力のある歌唱をされる。spiさんがいるだけで、その作品のクオリティーがぐっと上がるんです。そして何より居るだけで頼もしい! 2人目は古谷大和さん(高田馬場ジョージ役)。お客様が喜ぶのはどういうことなのか、ということを知っています。初演の大阪公演の時、劇場周辺だけが停電になってしまうということがあったんです。ちょうどその時はシュワルツローズのシーンで、大和さんを筆頭に会場を盛り上げてくれて、突然のトラブルさえもチャンスに変える姿勢は普通なら簡単にできるものではないので本当にすごいなと……。電気が復旧してから本編に戻る際もすごくスムーズで、それを含め演出なのではと思うくらいでした。大人チームがすごい方ばかりなので、その背中を見て僕らも頑張らないと! と改めて考えさせられます!
橋本祥平
ーー今回新しく仲間に加わった方もお二人いますね。
そうですね、小林竜之さん(池袋エィス役)は初めましてなんですが、なんといってもエィスの声のご本人ですから、頼もしい方が来てくださるのは本当に楽しみです。エィスという役も今回からなので、舞台『キンプリ』に新たな風を吹きこんでくれるんじゃないかなって思っています。
横田龍儀くん(如月ルヰ役)は、舞台での共演は初めてです。こうして舞台でガッツリ絡むのも初めてなんですが、シンくんにとって大切なルヰくんという役が龍儀で嬉しかったです。僕の勝手なイメージなんですが龍儀のルヰくんって全然想像できないので、どんな感じになるんだろうなという個人的な楽しみもあります。彼自身も演じることで役者として一皮むけるような役柄なのかなと。前回は内藤大希​さんという素晴らしい役者さんがルヰくんを演じられていたので、その次にやるのはすごくプレッシャーがあり怖いんだろうなとも思います。でも確実に龍儀にしか出せない持ち味、龍儀のルヰくんになると思うので、僕はそこを信用信頼して一緒に関係性を作れたらと思います。
プリズムショーをしたいという気持ちに溢れている!
ーー2020年の目標や展望、抱負などは。
東京オリンピックも控えていたり、社会全体でも慌ただしい一年になるかもしれません。スポーツが盛り上がりますが、2.5次元の舞台というものも負けないくらい熱量を持ってやりたいですね。そして個人的には、2019年は舞台だけではなくいろんな幅のお仕事をさせていただいてとても充実していました。2019年に負けないくらい良い年にしたいと思うんですが、得るものも多くて良い一年だったなと思える分、2020年はハードルが高くなってしまったような気もしてます(苦笑)。
ーーファンのみなさまへメッセージをお願いします。
本編で言うと2年ぶり第2弾という形で皆様の元に帰ってくるわけですが、去年の10月のライブが悔しいことに皆様の前ではできませんでした。だけどあの経験が僕らをより強くしてくれていて、僕らは今皆様の前でプリズムショーをしたいという気持ちにものすごく溢れています! プラス思考で考えれば、良いバネになったのかなとも思います。この反動でどこまで高くいけるかと期待していてください。皆様に最高の作品をお届けしたいなと思っております。全てがレベルアップしていると思いますので、お楽しみに!
橋本祥平
取材・文=松本 裕美 撮影=iwa

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