恋の終わりを描いたマカロニえんぴつ「ブルーベリー・ナイツ」

恋の終わりを描いたマカロニえんぴつ「ブルーベリー・ナイツ」

恋の終わりを描いたマカロニえんぴつ
「ブルーベリー・ナイツ」

ハイセンスな感性を生かしたバンドの一曲
マカロニえんぴつ、という名のバンドをご存知だろうか。音大卒というキャリアによるハイセンスな感性を生かした音楽性で、若者を中心にじわじわと人気を集めるグループである。
今回取り上げるのは、ミニアルバム『LIKE』に収録された『ブルーベリー・ナイツ』。まるで悲劇の主人公であるかのように、恋が終わる際の不安定な感情を繊細に描いた楽曲である。
終わりを迎えた時の何とも言えない悲しみと苛立ちは、誰が知るところ。それをドラマティック表したこの楽曲の歌詞には、一体どんな意味が込められているのか。その深層を読み取りたい。
心酔していた恋の終わり
ブルーベリー・ナイツ 歌詞 「マカロニえんぴつ」
https://utaten.com/lyric/mi19021439
人を信じる時、その想いが必ず報われるとは限らない。時には自分を守るために、目の前の事実から目を逸らさなければならないこともある。
そんな辛い経験を振り返る、恋の終わり。今まで抱えていた負の感情が一気に表面へ溢れ出す瞬間である。
相手のことなんてさっさと忘れてしまいたいはずなのに、何故か同時にその温もりを求めてしまう部分もある。

ブルーベリー・ナイツ 歌詞 「マカロニえんぴつ」
https://utaten.com/lyric/mi19021439
この恋を手放したくない。でもその願いはもう叶うことが無いと分かっている。それでも求めてしまう、複雑な心境を巧みに表している。
「ブルーベリー」な「ナイツ」とは、とにかくブルーで憂鬱な夜の比喩だろうか。それとも、ブルーベリーのように様々な色が混ざりあった、交錯する気持ちが葛藤する夜だろうか。
直接的な意味合いを持たずとも、聞き手に明確な心境を伝える。誰もが経験したことがあるであろう想いだからこそ、一途でドロドロとした、簡単に手放すことのできない想いであることが伝わってくる。

縋りたい、救われたいココロ
ブルーベリー・ナイツ 歌詞 「マカロニえんぴつ」
https://utaten.com/lyric/mi19021439
今の自分は、おとぎ話のヒロインにはなれない。ハッピーエンドを迎えられなかったにも関わらず、そのまま終わりの見えない物語に踊らされているのだ。決して誰もここから救いだしてはくれない。
ただ一人すがりつくことが出来るとしたら、失われた恋人。もう元には戻れないと分かっているのに、ココロの奥底では未だにその存在を消すことができずにいる。

ブルーベリー・ナイツ 歌詞 「マカロニえんぴつ」
https://utaten.com/lyric/mi19021439
誰でも良いから、ただそばにいてほしい。自分を必要としてほしい。悲壮感と虚無感とがごちゃごちゃになったココロを美しく表現している。
誰よりも、失ってしまった恋人にそうしたいのに、それはもう叶わない。素直にそれが出来るよう、相手を許すこともできない。
おそらく、失恋したときに誰もが乗り越えなければならないその感情。しかし、この楽曲はそれを抑圧させることはしない。
大切な誰かと離れ離れになり落ち込んだそのココロに、際限無く寄り添い包み込む歌詞なのである。
辛い恋を経験したら、どうぞこの楽曲と共にどっぷり落ち込むと良い。そうしていつか気持ちが晴れたら、またあなたを掬って食べてくれるような素敵な人との出逢いもあることだろう。
TEXT 島田たま子

UtaTen

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