高坂希太郎監督が明かした「若おかみ」と「風立ちぬ」の共通点とは?

高坂希太郎監督が明かした「若おかみ」と「風立ちぬ」の共通点とは?

高坂希太郎監督「若おかみは小学生!
」で発揮した “宮崎駿イズム”とは

高坂希太郎監督が明かした「若おかみ」と「風立ちぬ」の共通点とは? 「千と千尋の神隠し」「風立ちぬ」などの作画監督としても知られる高坂希太郎監督が、人気児童文学シリーズを劇場アニメ化した「若おかみは小学生!」が10月29日、第32回東京国際映画祭の「ジャパニーズ・アニメーション THE EVOLUTION OF JAPANESE ANIMATION/VFX」部門で上映された。高坂監督は、TOHOシネマズ六本木ヒルズでのトークイベントに出席した。
累計発行部数300万部を記録する児童文学シリーズをアニメ化した本作は、両親を交通事故で亡くした小学6年生の少女おっこが、祖母の温泉旅館「春の屋」の若おかみとなり、不思議な仲間に助けられながら成長していく姿を描いた。
 司会の氷川竜介氏(東京国際映画祭プログラミング・アドバイザー/明治大学大学院特任教授)に「本作はものすごく細かく作りこんでおり、ある種、裏設定みたいなものがチラチラと見えています。そういったものはどのように作られたのでしょうか」と問われた高坂監督は、「穴を埋めていくように。この温泉街はどういう経営のもとに成り立っているのか、個々の旅館と大きな秋好旅館の関係性といったことを、ざっくり頭のなかに入れながら作りました。主人公たちが生きていく環境をしっかり描かないと、主人公がどう成長していくのかを描けないので、細かく設定しました」と舞台設定のこだわりを説明する。
 さらに「今回は90分厳守という厳しいしばりがあったので、キャラクターを表現するうえで、セリフもかなり限られていました。それ以外で物語を説明するとなると、やはり舞台設定がものすごく大きくなる」と続ける高坂監督。氷川氏が「そういった方向性というのは、高畑勲監督、宮崎駿監督、スタジオジブリの方々の発想があるのでは」と切り込むと、「そうなんでしょうね。宮崎さんは『ストーリーはどうでもいい』とおっしゃいますけども、環境設定、舞台設定みたいなものは作りこんでいる。それらを作りこむことによって、自然とキャラクターが動き出すみたいなことをおっしゃっていました。そういった点は、やはり大きく影響しているのでしょうね」と深くうなずく。
 また質疑応答の場面でも「メガネの映り込みなど、細かい部分に気を使っていると感じました。作画のこだわりを教えてください」という質問があがると、高坂監督は「メガネの処理は以前『風立ちぬ』という作品に参加した時に、主人公のメガネに行った処理と同じような描き方をしています」「二次元ではあるけれど、人としての存在感が強調できないかなと思い、こだわったところです」と宮崎監督作品との共通点を明かしていた。
 第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。
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