薮宏太(Hey!Say!JUMP)「平成の思い出
の大きな1ページになれたら」 ミュ
ージカル『ハル』フォトコール&囲み
取材レポート

2019年4月1日(月)、関西テレビ放送開局60周年記念オリジナル・ミュージカル『ハル』が東京・赤坂ACTシアターにて開幕する。それに先駆け、フォトコールと囲み取材が行われた。
今作の脚本・作詞は、海外ミュージカルの訳詞からオリジナル脚本まで、多岐にわたる分野で才能を発揮している高橋亜子による書き下ろし。演出を、こまつ座をはじめとする井上ひさし作品や、『ピアフ』『スリル・ミー』といった人気作を手がけてきた栗山民也が担当する。音楽は演劇、映画やテレビといった幅広いジャンルに楽曲を提供し、日本のミュージカルシーンをけん引する甲斐正人によるもの。開局60周年、そして平成最後という節目を飾るのにふさわしい、国内トップクリエイターの共演である。
また、主役である石坂ハルを務めるのは、約10年ぶりの単独主演となる、Hey!Say!JUMPの薮宏太。子供の頃に患った病を乗り越えたものの、友人たちとうまく関係が築けず、夢中になれるものもない日々に虚しさを感じている少年の苦悩と成長を瑞々しく演じる。そんなハルに変化のきっかけをもたらすヒロイン・真由は、近年舞台においても実力を発揮している北乃きい。華やかな存在感と高い歌唱力を活かし、パワフルで明るい少女を好演している。
さらに、春の母親・石坂千鶴に元宝塚歌劇団星組トップスターの安蘭けい、ボクシングジムのオーナーでハルの両親と因縁を持つボクシングジムオーナー・神尾に大河ドラマ「真田丸」で注目を集めた栗原英雄、ハルの幼馴染・修一にジャニーズJr.のTravisJapanの七五三掛龍也、ハルの祖母に演技力の高さで知られる梅沢昌代、千鶴が働く会社の社長・高野に数多くのミュージカルで存在感を示している今井清隆と、実力派が脇を固める。
フォトコールで公開されたのは、冒頭から一幕の途中まで。ハルが抱える悩みや葛藤、町の日常、ハルと真由の出会い、ハルがボクシングに惹かれていく姿、そして父の死に関する告白という大きな山場だ。
物語の舞台は、開発計画が頓挫した田舎町。流星祭りに向けて町全体が盛り上がり、田舎ならではのあたたかさが感じられる一方、誰もが顔見知りで距離の近い田舎において、周りにうまく馴染めず思い悩むハルの孤独が際立っている。
ただ過ぎていく日々に虚しさを感じながらも、打開策を見つけられずにいたハルの前に現れたのが、ボクシングを愛する少女、真由。シャドーボクシングをする彼女を怪訝な表情で見るハルに、何かおかしいかと尋ね、役割を人から押し付けられるのはまっぴらだと一蹴する様子は爽快だ。
自分とも、町の友人たちとも違う価値観を持ち、堂々と自分らしく生きている真由がキラキラとした笑顔でボクシングへの情熱を語るのにつられるように、ハルも段々とボクシングにのめり込んでいく。
最初はぎこちなく自信なげだったハルの瞳に徐々に熱が宿り、まっすぐ前を向いて拳を突き出すように変わっていく様は美しく、胸を打つ。

しかし、ハルがボクシングに夢中になることで、周囲との間に新たな溝が生まれ始める。

友人たちに馴染めないハルをずっと気にかけ、フォローしていた幼馴染の修一は、ハルがボクシングを始めたことに憤りをみせたり、ハルの母親・千鶴は、ブランクはすぐ取り戻せるのだからもう一度サッカーをやればいい、ボクシングはやめてほしいとハルに頼む。千鶴が言うには、町で唯一のボクシングジムの会長・神尾が、ハルの父の死に関わっているらしく……。

真由、そしてボクシングに出会ったことで、自らの人生や周囲の人々と向き合い始めるハル。彼が、そして彼の故郷である町がどう変化し、どんなラストを迎えるのかは、自らの目で確かめてほしい。

フォトコール後の囲み取材には、薮と北乃、安蘭、七五三掛が登壇した。
所属するHey!Say!JUMPに絡めて、新元号に関して尋ねられた薮は「このニュースにはメンバーもすごく注目していました。僕たちHey!Say!JUMPも残り1ヶ月負けないように頑張りたいですね」と語ってから、「残り1ヶ月!? ……元号が変わっても僕たちは何も変わりません!」と慌てて訂正。会場は爆笑に包まれた。
七五三掛は「新元号は予想通りでしたね」と胸を張り、共演者・取材陣がどよめくも、「実は今日、夢で“新元号、令和がいいんじゃないかな”と思いました……っていうエイプリルフールです(笑)」とネタバラシ。「ややこしい!」とツッコミを受けていた。
薮との共演については、「平成にジャニーズ事務所に入ったことで人生が大きく変わった。その前から見ていた先輩とこうやって共演できるということで、平成はすごく思い出深い」と喜びを滲ませる。
他にも、「昭和に生まれ、結婚せずに新元号を迎える人のことを平成ジャンプという」とネットで話題になっていることを受けて、安蘭が「私はまさにそうなので、Hey!Say!JUMPに入れてもらおうと思って」とおどけて見せるなど、元号に関するタイムリーな話題が大きな盛り上がりを見せた。
作品におけるキーであるボクシングに関する質問も多く、薮は12月からのトレーニングで5kg体重が減ったことを告白。「ボクシングを始めたばかりという設定なのでやつれすぎないように、キープで行きます」と、役側に合わせた調整をしていることを語った。
北乃も、体重は秘密なものの、今作のためのトレーニングで腹筋が割れたそう。安蘭や藪から「キレがすごいよね!」と絶賛されて笑顔を見せていた。また、安蘭からは「みんなすごく透明感がある人たち。ハッピーだし、稽古場からすごく楽しい」と、カンパニーの雰囲気の良さが伝わるコメントも。
薮も「アンサンブルも含めて本当に仲が良くて。稽古中みんなでご飯も行きましたよ。中華、焼肉、中華!」と笑顔を見せ、和気あいあいとした関係を築けていることが伺える。最後に作品について尋ねられた薮は、「4月1日ということで、新生活とか、いろんな環境が変わるタイミング。不安を感じている方の背中を押せるようなミュージカルにできたら」と意気込みを語っていた。
平成最後の春を、生きる意味を問いかけ、懸命に生きる人々にエールを送る今作で爽やかに締めくくってはどうだろうか。

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