Car tires on winter road covered with snow. Vehicle on snowy way in the morning at snowfall

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知らないとお手上げ? 都市部在住者の
ための「雪道運転」ガイド10

首都圏や都市部在住で、雪道の運転がまったく初めて、あるいは経験の少ない方向けに、雪道運転の基本のキから、知っておくと役立つ知識まで、10の情報をまとめて紹介。

私は普段は、雪とはまったく縁がない、神奈川県の沿岸部に住んでいます。冬の一時期だけ、取材で全国のスキー場を駆け回り、また、子どもたちをスキーやスノーボードに連れていくため、雪道を運転します。
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今ではもう、経験を重ねて、雪道にもかなり慣れましたが、当初は滑り止めの準備にしても、運転にしても、手探りでしたし、また雪国在住ではないために知らなかったこと、気づかなかったことも多々ありました。
これらの経験を元に、首都圏や都市部在住で、雪道の運転がまったく初めて、あるいは経験の少ない方向けに、雪道運転の基本のキから、知っておくと役立つ知識まで、10の情報をまとめて紹介します。
※以下は、小型〜中型の乗用車を想定した内容です。大型のバンやバス、トラックなどには当てはまらない項目もありますので、ご注意ください
1. 冬用タイヤがあればチェーンは不要冬用タイヤ(スタッドレスタイヤなど)を購入するときに悩むのが、タイヤチェーンを一緒に購入するかどうか。「冬用タイヤでも、タイヤチェーンはあったほうがいい」という話もありますが、実際はどうなのでしょうか。
結論を言うと、ただ高速道路や市街地を走って、スキー場へ行く程度であれば、タイヤチェーンは不要です。冬用タイヤがあれば、圧雪路だろうが、アイスバーンだろうが、しっかりグリップしてくれます。
もちろん、タイヤチェーンが必須、と言える状況もあります。たとえば、猛吹雪の山道で、除雪が間に合わず、路面に新雪が20cmも30cmも積もってしまい、道なき道を進まなければならないようなケース。
ですが、そもそもこんな状況では、車を走らせよう、と考えること自体が無謀です。スノーレジャーに使う程度であれば、タイヤチェーンの出番はまずない、と言っていいでしょう。
2. 4WD(四輪駆動)車である必要はない雪道は4WDまたはAWD(四輪駆動)でなければいけない、というイメージがあるかもしれませんが、2WD(二輪駆動)でも、前輪駆動(FF)車であれば、問題なく走行できます(後輪駆動(FR)車は難易度が跳ね上がり、おすすめできません)。
上記のとおり、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)さえしっかり装着すれば、タイヤチェーンも不要です。私自身も、FF車+スタッドレスタイヤで、スキー場取材を駆け回っていた時期もありますし、雪国でも当たり前のようにFF車は走っています。
4WD(四輪駆動)が有利なシーンももちろんあり、新雪やアイスバーンでスタックしにくい(脱出しやすい)、坂道発進が安定する、など、雪道運転ビギナーの経験不足を助けてくれるので、もしレンタカーなどの場合で選べるなら、4WD(四輪駆動)を選ぶメリットはあります。
3. 4WDでも、冬用タイヤがなければ走行できない上記のとおり、4WD(四輪駆動)が有利なシーンはあるのですが、過信は禁物です。ブレーキを踏んだり、カーブを曲がったり、という状況では、4WDであるメリットはまったくない、と言っても過言ではありません。
たとえば、いかに4WD(四輪駆動)といえども、雪道では、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)がなければ走行はできません。2WD(二輪駆動)よりも限界が上がる、といったことは一切ありませんので、絶対に冬用タイヤを装着してください。
実際、私も、免許取り立ての若い頃ですが、四輪駆動の大型SUVを廃車にしてしまった経験があります。
下り坂のどん詰まりにカーブがある道路で、カーブを曲がるために減速しようとエンジンブレーキをかけたところ、路面が凍結しており、タイヤがロック。ただの大きな鉄の塊になり、標識をなぎ倒しました。
発進、登り坂、カーブでのアクセル操作のコツ
4. 雪道運転のコツその1:アクセルワーク冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)を装着していれば、基本的には、普通に運転ができます。スピードを出しすぎない限りは、危険な目に遭うことはまずない、と言っていいくらい、昨今の冬用タイヤは優れています。
アクセルワークで問題になるのは、発進時と、登り坂、カーブ走行時です。
まず、発進時は、じわりとエンジンの回転をあげていくことを心がけましょう。たとえば信号待ちで、隣の車より前に出たいからと、青信号になった瞬間にガツッとアクセルを踏むと、タイヤが空転したり、状況によってはあらぬ方向に車が動いたりします。
急な登り坂では、登りきれるか心配になりますが、アクセルを踏みすぎると、タイヤが空転してしまいます(特に前輪駆動車の場合)。びっくりして停止してしまうと、再発進できなくなってしまうケースもあるので、アクセルは控えめに踏んだまま、一定の速度で登り切ることを意識しましょう。
カーブでは、アクセルを完全に離してしまうのではなく、アクセルを少し踏んで、駆動力をわずかにかけていたほうが、姿勢が安定します。もちろん、そのためには、カーブに入る前に、十分に減速していることが前提です。
5. 雪道運転のコツその2:ブレーキワークブレーキについては、シンプルで、何を差し置いても、急ブレーキをしないこと。普段よりもタイミングをかなり早めにブレーキングに入り、しっかり減速しましょう。
特に、下り坂では、止まろうとしてもABS(※)が利いて止まれないので、最大限に注意。
また、下り坂のカーブは、雪道に慣れていない人にとっては、もっとも危険なシチュエーションといえます。仮に減速が間に合わなかった場合、曲がりきれずに事故となってしまいますので、余裕を持って減速しましょう。
※ABS=タイヤがロックしないように、ブレーキを自動的にコントロールするシステム。大半の車に搭載されている。雪道やアイスバーンでは制動距離(ブレーキを踏んでから停止するまでの距離)が伸びてしまうケースが多い
6. 雪道運転のコツその3:ハンドリングハンドル操作については、基本的には、それほど違和感なく走れるはずです。
ただし、路面状況が、圧雪路、アイスバーン、シャーベットなど、頻繁に変わる状況では、車が急に曲がったり、逆にハンドルを切っているのに曲がらなかったり、ハンドルの応答がコロコロ変わるケースもあります。
「そういうもの」だと慣れて、スピードを出しすぎず、臨機応変に対応するしかありません。雪道で車がどう動くかは、実際にその状況になってみないとわからないので、広い駐車場などで少し走らせて体感してみるのをおすすめします。
駐車場などから脱出する際のテクニック
7. 除雪のためのスコップは必携豪雪地帯に行く際は、必ず車にスコップを積んでおきましょう。たとえば、泊りがけでスキーに行く場合など、豪雪地帯だと、一晩で数十センチから1mも積もることがあります。
こうなると、たとえスコップがあっても、駐車場からの脱出に1時間掛かることもあります。もしスコップがなかったら、現地で購入するしかありませんが、近くに売っていない場合、お手上げです。
mont-bellの「コンパクトスノーショベル」など、コンパクトにできて、頑丈なスコップがおすすめです(安物だとすぐに破損して使い物にならないので、注意してください)。
8. ハマってしまったら? 脱出方法の基本たとえば駐車場から出るときに、足元がシャーベットやアイスバーンでグリップが効かず、脱出に苦労する場合があります。
試したいのが、後進・前進を繰り返して、雪面を固め、少し勢いをつけて脱出する方法。この際、急アクセルはタイヤが空転するだけで無意味なので(場合によっては状況が悪化します)やらないようにしましょう。
それでも無理ならば、タイヤの接地面に砂を巻いたり、チェーンを敷いたりして、グリップが効くように工夫します。
※大量に新雪が積もってしまい、車が積雪に囲まれている場合は、スコップで進行方向および足元の雪を取り除くことが大前提です
9. タイヤハウス内の着雪に注意雪国で車のエンジンを掛けたら、車高の低い車や、コンパクトカーなどのときは、タイヤハウス内に雪が固まっていないか確認しましょう。
タイヤと車体の間にスペースがなくなり、あまり酷いときには、ハンドルが切れないほどになっいていることもあります。走り出してから「ハンドルが効かない……」となっては、大きな事故になってしまうかもしれません。
10.フロントガラス&ワイパーは確実にチェック駐車していてフロントガラスに積もった雪は、出発する前に、しっかり取り除き、ワイパーに氷の塊がついていないか、確実に確認しましょう。
雪国では、融雪剤・凍結防止剤や、泥で、意外なほどフロントガラスが汚れやすく、視界が非常に悪くなります。ワイパーが機能しないと、とても危険です。
※本文に一部誤りがあったため、訂正いたしました。(2019/1/27 6:48)

アーティスト

ウレぴあ総研

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