極上の音楽とミステリーに惹き込まれ
る120分間!『Like A』room[002]ゲネ
プロレポート

2019年1月12日(土)、全労済ホール/スペース・ゼロにて『Like A』room[002]ゲネプロ公演が行われた。本作は、『Club SLAZY』シリーズで演出・脚本を務めた三浦香、脚本の伊勢直弘、振付の當間里美、楽曲制作Asu(BMI Inc.)のスタッフ陣が送る完全オリジナルの舞台。2018年2月に新宿FACEにて上演され、今作はその続編にあたる。上質な歌とダンス、ピアノの生演奏やラップなどのエンターテイメントに加えて、たくさんの伏線が張られたミステリアスなストーリーも見どころのひとつ。
(c)2019LikeA/CLIE
舞台は、海沿いの静かな街<ハイタイド>に立つ、超高級ホテル・ペルマネント。そこで働くホテルマンたちの物語を中心に、『Like A』(ライカ)の世界観が次第に明らかになっていく。room[002]では、新たにプチ役の齋藤健心、マーマ役の鎌苅健太を迎え、物語にスパイスを加えている。お洒落でモダンな空間を味わえる会場より、ゲネプロ公演の模様をお届けしよう。
<ストーリー>
『PERMANENT(ペルマネント)』は、5つ星以上のホテルの格付け最高位にあたるパラスとして認定されている超高級ホテル。それだけ宿泊料金は想像を越えるものとされ、訪れる客を見ることは奇跡と言われている。それゆえ、そこで働くホテルマンにとっての日常は暇そのもの。しかし何故だか経営が潤っているこのホテルの従業員たちは、ペルマネントのブランド力を落とすことがないようにと、日夜働いている。ハイタイドの街に一年に一度の祝いの行事“セレブレートデー”が迫っていた。街をあげての行事の準備のため、ペルマネントは1日だけ休館となる。ホテルマンにとっても、過去を思い出す特別な日。苦い思い出にそれぞれ浸る一日がやってきた。
書き下ろしの新曲も!歌にダンスにラップ、ピアノの生演奏まで
本作品の見どころは、物語の随所に盛り込まれた上質な歌とダンス。音楽に特化した実力派キャストをそろえただけあって、各々の特技を活かした歌声や、キレのあるダンスを披露してくれる。
(c)2019LikeA/CLIE
BB役の辻凌志朗は、クールな切れ長の瞳と、長い脚を活かしたルックスでやんちゃで皮肉屋のバスボーイを演じていた。安定した歌とダンス、演技を見せていたのは甘いマスクで紳士なバトラー役を演じる石賀和輝。過去にソロ・ヴォーカリストコンテスト番組で優勝した経歴を持つキーパー役の中谷優心は、やさしく伸びやかな歌声で観客を魅了していた。
(c)2019LikeA/CLIE
(c)2019LikeA/CLIE

さらに、インスペクター役のSHUN(Beat Buddy Boi)によるラップや、ベル役(橋本雄一郎)&ポーター役(今井稜)の息のあったダンス、FC役の平牧仁によるピアノの生演奏がステージを盛り上げる。
(c)2019LikeA/CLIE
(c)2019LikeA/CLIE
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(c)2019LikeA/CLIE

物語を彩る多数の楽曲は、ストリートテイストな曲から、ラップ、バラードまで幅広いジャンルにわたる。とくに、初演で使用された曲のアレンジバージョンだけでなく、本作のために楽曲制作のAsuが書き下ろした新曲にも注目したい。思わず口ずさみたくなるような、耳に残る心地よいメロディーが印象的だ。
謎の深まるミステリアスな展開から目が離せない
前作はホテル内で巻き起こる物語が中心だったが、本作ではハイタイドの街を軸に、『Like A』の世界観が明かされていく。キーパーソンとなるのは、唯一、ハイタイドの外からやってきた人間であるアッシャー(髙﨑俊吾)と、本作から新たに加わったプチ(齋藤健心)とマーマ(鎌苅健太)の3名。笑顔を見せつつも、核心を見せないアッシャーの言動や、プチやマーマの意味深な台詞が物語の鍵を握っている。

(c)2019LikeA/CLIE
(c)2019LikeA/CLIE
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ハイタイドの街を上げてのお祭り“セレブレードデー”が近づいてきたのを機に、過去を思い出す幼なじみのBB、バトラー、インスペクター、キーパー。物語は、彼らが学生だった頃にさかのぼり、街の兄貴分であるマーマと、その弟子のプチ&メーテル・ドテール(岩義人)とのエピソードが語られる。
(c)2019LikeA/CLIE
パワフルな演技で、周りのキャストを引っ張っていたのはマーマ役の鎌苅健太。年下コンビのプチとメーテル・ドテールによる愛嬌たっぷりの役回りも可愛らしかったが、それゆえに後半のシリアスな演技が際立っていた。
(c)2019LikeA/CLIE
FC役の平牧仁が、「のぞき見しているような気持ちを持って見ていただきたい」とコメントしていたように、舞台上で意味深な動きをするキャストもいて、いたるところに作品のヒミツが隠されている。ホテルから街へと舞台が移ったことで明かされた真実もあれば、未だヴェールに包まれた部分も残しつつ、幕が閉じる。
(c)2019LikeA/CLIE
キャストコメント
辻凌志朗(BB役)
本作ではハイタイドの街を軸に物語が進行していきます。ホテルから出て、また一つ世界観を広げられることはシリーズ物ならではの魅力です。それに『Like A』という世界に加え、演出や楽曲、振り付け、衣裳など隅々までとてもモダンな作りになっています。そういった魅力を前面に押し出して、演劇界に殴り込んでいきたいと思います。
石賀和輝(バトラー役)
濃い稽古の時間を過ごしてきたなか、もう初日なんだなと思っていて、みんな全力で稽古初日から突っ走ってきたので、この作品をお客様に届けた時に、どのような反応をするのかすごく楽しみです。
SHUN(Beat Buddy Boi)(インスペクター役)
今回からストーリーがグッと進むので、そこを演じるのは僕たちも楽しいですし、来てくださるお客さまをより一歩深いところに引き込めるのではないかと思っています。あとは、音楽もダンスもやっぱり『Like A』ならではの良さが詰まっているので、ひとつのエンターテイメントとして見ていただけたらなと思います。
中谷優心(キーパー役)
今回の公演で2回目のキーパーを演じるんですけども、1公演重ねるごとにこの役が愛おしくなってきて、それプラス4人組という団結力も前回に増してあると思うので、本当に家族のような感覚になります。でも、新たに挑戦できるところもあるので、そういうところを僕も挑戦していきたいですし、お客様にも見ていただけたらなと思います。
髙﨑俊吾(アッシャー役)
僕は初演から参加しているカンパニーなので、前回を超えるエンターテイメントをみせるということを、第一のハードルとして頑張っていきたいと思います。この作品にはすごく謎が多く、ファンの方が気になっているところだと思うので、そういうところも含めて多くの方々に見に来てもらえるように、みんなで一生懸命頑張っていきたいと思います。
岩義人(メーテル・ドテール役)
この作品は、お芝居やアーティストなどいろんなところで活躍している方が集結しているというのが強みかなと思っています。2作目は他にはないパワーのようなものが、1作目より増して更に素敵になっていると思いますので、応援よろしくお願いいたします。
齋藤健心(プチ役)
今回は初出演ということで、元々『Like A』の世界観を作り上げてきた主演の(辻)凌志朗さんや、キャストのみなさんの作品への想いや愛をしっかり受け継いで作品に臨めたら良いなと思っております。稽古をしてきてみんなで一丸となれて、この作品が好きだと思いました。この世界観を、そのままお客さまに伝えられたら良いなと思います。
橋本有一郎(ベル役)
初演に引き続き、ベルとしてこの作品に携われてとても嬉しいです!お客様に楽しんでもらえるように、全力で踊って表現したいと思います。また前作を経て今回でさらにチームワークも強まったと感じるので、一体感も味わいながら見ていただければ嬉しいです。
今井 稜(ポーター役)
前作に引き続き、今作も出演させていただき、本当に嬉しく思っています!自分は台詞がみなさんと比べて少ないぶん、ダンスでみんなと語り合って、それをお客様にお届け出来たらと思っているので、そちらの方も注目していただけますと幸いです。
平牧仁(FC役)
『Like A』というのは、極上の音楽と極上のミステリーをこちらが携えて、最上級のおもてなしの、その上を目指してお客さまを迎えるという心情で私はやっています。その中で新しいマーマやプチというキャラクターが入り物語が大きく動くところなので、エンターテイメントとしてダンスだったり演出だったり、音楽自体がとても素晴らしいのはもちろんですが、舞台として物語が面白く、光と影の演出となっていくので、ぜひそういうところも楽しんで下さい。まるっと五感をフルに使って楽しめる舞台だと思っていますし、席によって全然見えるものが変わってくるのが『Like A』のコンセプトだったりするので、のぞき見してるような気持ちも持っていただいて、1度のみならず2度3度、全通して下さい!
鎌苅健太(マーマ役)
僕は今回からの参加ですが、三浦(香)さん、伊勢(直弘)さん、當間(里美)さん、Asuさんによる面白いチーム、そしてラグジュアリーで謎の多いミステリアスな中に僕という爆弾みたいな存在が入ってきますので、爆発を起こせればと思っております。素敵な作品になると思うので、この時間を一緒に楽しんでください。
『Like A』room[002]は全労済ホール/スペース・ゼロにて1月20日(日)まで。

アーティスト

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