【イベントレポ&インタビュー】城之
内早苗、情感たっぷりな歌声でファン
を魅了したカラオケパーティー

2018年11月26日(月)東京八重洲の「HIT STUDIO TOKYO」にて、<城之内早苗カラオケパーティー>が行われ、演歌歌手・城之内早苗が集まったお客さんと共にカラオケで盛り上がり、楽しいひとときを過ごした。

今年、歌手生活32周年を迎え、9月26日に徳間ジャパン移籍第一弾シングル「よりそい蛍」を発売した城之内早苗。このイベントは、カラオケDAMで「よりそい蛍」を歌った人の中から、抽選で選ばれた幸運なファンが集まって実施されたもの。応募は500通以上あったそうで、来場した人たちは一様に興奮を隠しきれない様子で、開演を待ちわびていた。
司会者に呼びこまれた城之内が、「よりそい蛍 ヒット祈願」と描かれた幕が飾られたステージに、割れんばかりの拍手に迎えられて登場。まずは挨拶代わりに1986年のデビュー曲「あじさい橋」からスタート。ところが、いきなり歌い出しで「(マイクの)スイッチ入れるの忘れちゃった(笑)」と第一声を上げるという、お客さんも思わず笑ってしまうハプニング。すぐにスイッチを入れて笑顔で歌い始めた城之内。親しみやすいメロディを伸びやかな歌声で聴かせると、間近で見る歌唱姿に、お客さんの目は釘付けに。歌い終わると、客席を見渡して「同世代が多いのかな?」と呼びかけると、大きな拍手が沸き起こった。おニャン子クラブ時代にソロ・デビューしたときからファンを続けていそうな、ペンライトを振る男性ファンの姿も見受けられた。
「限られた時間ですが、たぶん時間伸びちゃうと思う」と、いきなりの延長宣言。しかし遠くから来ているお客さんもいるだろうと、どこから参加しているのかを客席に訊いてみると、宮城や富山からやってきたというお客さんも。「城之内早苗を初めて観る人?」という問いには、意外にも多くの人から手が上がった「じゃあ今日は歌おう(笑)」と、改めて気合いを入れ直した様子で歌ったのは、2016年日本作曲家協会ベストカラオケ賞を受賞した「おちょこ鶴」続けて、「よりそい蛍」のカップリング曲「なみだ月」。見事な歌声にうっとりと聴き入る観客たち。歌い終わったとたん、「いやあ、自分で言うのもなんですけど……いい歌!」と、ニッコリしながら、自画自賛(よく見たら最新プロフィールに「好きな言葉:自画自賛」と書いてあった)。
この日参加したお客さんは、DAMでカラオケを歌って参加した人たちであることが司会者から告げられ、城之内も採点カラオケに挑んでみることに。かつて採点をしてみたところ60点台だったということで「カラオケにトラウマがある(笑)」というが、「今日は点数を取りに行きます!プロですから!」と意気込みを伝えてから、いざ挑戦。曲はもちろん「よりそい蛍」だ。自身の姿が登場する映像を見つめながら、熱唱する城之内。得点は「87点」。決して低くはないものの、本人の感想は「中途半端!」と、納得がいかない様子。「こんなに赤字が入るとは(笑)」と、細かい歌唱チェックが入ったことに採点カラオケの厳しさを感じたようだ(もちろん、こちらが聴く限り完璧な歌唱だった)。
ここで、プレゼントが当たるじゃんけん大会を実施することに。勝ち抜いた参加者には、特製ペン、ポスター、てぬぐいの3点セットが5名に、「ビッグエコー」の割引券が2名にプレゼントされた。続いて、「せっかくのカラオケパーティーなので」と、「よりそい蛍」をカラオケで歌いたい人を募集すると、思わず城之内が「こんなにいると思わなかった!」と驚くほど一斉に手が上がった。じゃんけんで勝ちあがったのは、男性2名、女性1名の計3名。希望するキーに合わせて、1コーラスずつを歌唱すると、全員歌い込んでいることがよくわかる見事な歌声で、観客からも称賛の拍手が送られていた。1人ひとりに寄り添って見守っていた城之内は、3人が歌い終えると「すごいね!DAM★とも、レベル高すぎ!」と絶賛。女性の参加者には「同じ女性でも、歌声によって世界観が変わりますね」と評価するなどして、本人も「私もみなさんに負けないように、より一層がんばらないといけないと思いました」と気持ちを新たにしていた。
今度は会場でCDを購入された方からじゃんけんで勝った2名がカラオケに挑戦することに。さらに併せて城之内がフランスに旅行に行った際に購入したという、エッフェル塔がデザインされたトートバッグと手編みのコースター、もう1人にはお猿の人形と紅茶もプレゼントされるという大判振る舞い。男女1名ずつがステージに上がると、今回は、それぞれ採点もして、城之内の得点に挑むことに。これまた見事な歌いっぷりで、男性は82点、女性は87点。城之内と同点になる驚きの美声を聴かせて客席は拍手喝采となった。ここで、客席から「よりそい蛍」「なみだ月」を手掛けた作詞家のかず 翼さんが紹介され、。「よりそい蛍」が日本作詞大賞にノミネートされたことが告げられると、お客さんからは大きな拍手が沸き起こった。
「1年の締めくくりにはまだ早いかもしれないですけど、11月にこんな楽しい思い出があったなと思っていただけたら」と、最後に改めて「よりそい蛍」を歌い上げた城之内。情感たっぷりなその歌声は、しっとりしていながらもとても若々しく力強く、躍動感を感じさせるものだった。歌い終わると、ファンの方から熊手が寄贈され、お客さんと共に3・3・3・1拍子で「よりそい蛍」のヒット祈願を行う賑やかな一幕も。最後に来場者全員との記念撮影を終えた城之内は「今日はどうもありがとうございました!よいお年を!」と客席に声を掛けてステージを降り、予定時間をオーバーして大いに盛り上がったイベントは終了した。終了後は、CD購入者のお客さんと2ショット撮影会が行われ、ほとんどのお客さんが参加。城之内と直接触れ合える貴重な時間を楽しんでいた。
●城之内早苗 インタビュー

――おつかれさまでした!今日のイベントはいかがだったでしょうか。

城之内早苗(以下、城之内):楽しかったですか?

――楽しかったです!

城之内:ああ~よかった、だったらもうそれに尽きます。せっかく、みなさん時間を割いてきてくださったので、「来て良かったな」って思ってくださればいいなと思いつつ歌をお届けしたのですが……カラオケの点数は思ったよりも出なくて(笑)。

――でも、普通に考えたら高得点じゃないですか。

城之内:ええ~そうなの? 違うんですよ、じつは私、リハーサルをしていたんですよ。(そのときはもうちょっと高かったので)悔しい~! そんなこともしてたものだから、一番最初の歌い出しでマイクのスイッチ入れるの忘れちゃって。やだもう、最低でしょ?(笑)。

――いやいや、あれで掴みがバッチリというか、面白かったです。お客さんもたくさんいらっしゃいましたね。

城之内:いつも応援してくださるお客さんのお顔もあったし、DAM★とものみなさんも、歌好きなみなさんが本当にたくさん来てくださったんだなと思って。本当は、みなさんに「よりそい蛍」を歌っていただくときに、手が上がらないんじゃないかと思ったんです。だから、たくさん手が上がったのを見て、私自身が舞い上がっちゃった感じでした。みなさん、すごく歌い込んできてくれてるんだなっていうことと、より近いところで「よりそい蛍」を応援してくださっていたんだなっていうことを、感じることができました。

――みなさんの歌声はいかがでしたか?

城之内:本当にあなどれないですよね(笑)。でも、それだけ真剣に聴いてくださって、歌ってくださるというのは、私だけじゃなくて作ってくださった先生方もきっと嬉しいだろうなと思います。私は歌ってくださるみなさんに、それをなんとか届けることができているという実感があります。でも本当にみなさん、上手いですよね。
――「よりそい蛍」は、どんなお気持ちで歌っていらっしゃいますか?

城之内:「よりそい蛍」は、詞の世界の主人公になった気持ちで歌っています。大好きな人の足元を優しい灯りで照らして、躓かないように転ばないようにって。あとは何の邪心もなく歌わせていただいています。

――純粋に、歌の世界によりそって歌っているんですね。

城之内:そうですね。そうすると、歌詞の世界の可愛らしい女性になったような気持になれるというか。夢を見させていただいています。

――カップリングの「なみだ月」は対照的な曲に聴こえます。

城之内:対照的なんですけど、「なみだ月」は、片思いの曲なんですよ。曲調は、不倫なのかしらとか、ドロドロしてるのかしら、とか思いがちなんですけど、これは作詞のかず 翼先生が、「この曲調だからあえての純愛で、片思いの歌にしたかった」っておっしゃってくださって。それが私にとって、挑戦しがいのある歌だと思っているんです。いくらでも、ドロドロした歌い方ができるんですよ。だけど、片思いで一線は越えない歌なんです。でも、来ないとはわかっていても待っちゃう女の人で。何か期待しているんだけど、でも来ないっていう、片思いの歌なんですよ。

――僕は中高生の頃にリアルタイムで「夕やけニャンニャン」を観ていた世代なんですけど、城之内さんがおニャン子クラブから演歌歌手としてソロデビューしたときはすごく驚いた記憶があります。あれから数えて歌手生活が今年で32周年ということですが、振り返ってどのような思いを持っていらっしゃいますか。

城之内:演歌に転向して驚いたって言われるんですけど、私がその前に驚いていることがあって。それは演歌の私が、おニャン子クラブっていうアイドルグループに入ってしまって、一番本人が驚いてしまったという(笑)。
――もともと、民謡などを歌っていたのが出発点なんですよね。

城之内:そうなんです。だから、「人生って何が起こるかわからないな」って、子ども心に思ったのは、そのときだったかもしれないです。見るもの聴くものが全部初めてで、ダンスだって私の田舎ではチークダンスかフォークダンスか盆踊りしかないところで育ったので、この動きすら難しかったっていう感じで(おニャン子クラブのデビューシングル「セーラー服を脱がさないで」のAメロの振り付けをしながら)。

――そうだったんですか!? それは観ている方は気付きませんでした。

城之内:だけど、「城之内は演歌だから」っていうのは、スタッフの方もわかっていて、それを大事にしてくださったから今があるので。やっぱり、人に歌わせていただいた32年間だったと思いますね。

――これからの歌手生活は、どんなことを思って続けていかれますか?

城之内:よく思うのは、30年がすごくあっという間に過ぎてしまったということなんです。それは若さだったり、私も元気だったから走ってこれたんですけど、でもこれからの30年はじっくり地に足を付けて、一歩一歩重ねて行きたいなって思います。だから、ちゃんと自分を見つめながら歩いて行きたいなって。それで応援してくださるみなさんが見たときに、「あ、城之内まだ頑張ってる!」っていうところまで、細く長くお付き合いいただければなって思っています。

取材・文●岡本貴之

リリース情報

「よりそい蛍」
2018年09月26日発売
CD / TKCA-91117 / \1,204+税
カセット / TKSA-21477 / \1,204+税
01. よりそい蛍
02. なみだ月
03. よりそい蛍 (オリジナル・カラオケ)
04. なみだ月 (オリジナル・カラオケ)
05. よりそい蛍 (半音下げカラオケ)
06. なみだ月 (半音下げカラオケ)

関連リンク

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。

新着