『レ・ミゼラブル』新キャストお披露
目会見~佐藤隆紀、上原理生、伊礼彼
方、濱田めぐみ、トレエン斎藤、朴璐
美ら十人十色の想いが溢れる
いつかやってみたい、という気持ちが心の中にあったが、それこそ「いつか」やりたいだったので、まさかこんなに早くやれるとは思わなかった。今、ものすごく焦っています。自分が音大卒であるがためについ技術に走ってしまうが(東京芸大音楽科出身の上原が「わかるー!」と相槌をうち、笑いを誘う)、ミュージカルは感情……歌詞や言葉を「伝える」意識を持ってやらないとミュージカルではなくなってしまうんです。オーディションを受ける際、感情と技術のバランスを取るのが大変で、今もそう思っていますし、来年までずっと思い続けると思います。
ずっとアンジョルラス役を演じてきたが、前回演じたときに「もう最後だな」という気持ちが自分の中にありました。次もしやるならtoo muchだろう、と。やらせていただけるのはありがたい話なのですが、いつまでもその役にあぐらをかきたくない、違う役に挑戦したいと思ったんです。
40歳を過ぎてから「オーディションを受けさせてください」と言おうとしてたんですが、思いのほか早く「そろそろ受けてもいいんじゃないか?」と言われまして。自分の中ではまだ経験値が足りないんじゃないかなと思いつつ、そういう声をいただいたならばチャレンジしてみようと思ったのがきっかけです。また、ジャベール役について。たくさんある『レ・ミゼラブル』のCDの中でたまたま聞いたのが村井國夫さんがジャベールを演じたときのものでした。僕の思考はミュージカルでも芝居寄りなんです。村井さんの音源を聴いた時にものすごく芝居寄りに聞こえて、その歌詞が自分に届いたんです。僕はミュージカルやアーティストの歌詞をなかなか聞き取れないんですが、村井さんの歌を聴いたときにああ、なんて素晴らしいんだ、僕もこんな素晴らしい役者になりたいと思ったんです。オーディションでは、32年間の間、先輩たちが作ってきた歴史の中で良いものは残し、そうでないものは壊して新しい物を僕らの世代が作らなくてはならない……そう演出家の方と語り合いました。
私は皆さんとは逆でこれが最後のチャンスだと思ったから。これを逃すと今後後悔しながら舞台に立つと思ったし、ダメならダメでいい。でもトライをしないと自分で自分を逃す事になると。だから自分の背中を自分で押して「オーディションを受けさせてほしい」と伝えました。ファンテーヌは憧れの役。母親というポジションで革命の中で翻弄されながらも子どもの事を第一に考える究極の女性像だと思います。彼女の価値基準が子どもであることに共感を持てました。自分の中の母性をどう表現できるのか考えたかったんです。
作品は小さい頃から知ってはいましたが、実際に舞台を昨年初めて観たときに、この舞台がナマモノである意味をビシビシと感じ、なかでもエポニーヌという役に興味を惹かれました。もしこの作品に出られるならエポニーヌ役をやりたいと思っていたので、オーディションの時にエポニーヌをやらせてほしいとお願いしました。
観劇した時にものすごく感動して、もう一度観たいと思い、なんとかしてチケットを入手して観劇しました。でももう一回観たかったんですが、それはできなくて。でも2回目に観たときにこの作品を演じるのって幸せなんだろうなぁと。それで挑戦してみたいと思いオーディションを受けました。オーディションでは泣きそうになるくらい、出来なかったなあと感じ、絶対に次はもっと出来るようになってやろうと思ったんですが、選んでいただけたました。今度は万全を尽くして稽古に臨みたいです。
幼い頃イギリスに住んでいたとき、3歳くらいの時に『レ・ミゼラブル』に連れて行ってもらい、ものすごく衝撃を受け、家のソファを舞台代わりにして、毛布をフランス国旗に見立て、振り回しながら「民衆の歌」を歌って「レミゼごっこ」をしていました。コゼットは好奇心旺盛なところとか自分と共通点があると思ったのでオーディションをこの役で受けさせてもらいました。
ミュージカルはいつかやってみたいと思ってました。皆さんみたいな崇高な思いはないのですが、仕事が自分を成長させると思って受けたんです。『レ・ミゼラブル』には全然見合ってないと思いつつもオーディションがあると聞いてダメ元でやってみようと。
本当はコゼット役をやりたかったんですが、いろんな意味でダメと言われ(笑)いちばん自分に近しいもの、ひょうきんさと闇の部分ですよね(笑)?テナルディエ役に挑戦しました。オーディション会場には秋元康先生がいまして……あ、それは吉本坂46のオーディションだ。『レ・ミゼラブル』のオーディション会場には『あらびき団』の10倍くらいの人数のスタッフさんたちが見ていて(嘘だろ?)と思いました。オーディションの前に駒田一さんのテナルディエの映像を何度も観ていたんですが、それと同じになるのもまずいと思って思考錯誤をしていたら「フリースタイルダンジョン」みたいになっていました。
マダム・テナルディエ役をやらないか?とお話をいただいた時「この役はハートも技量もなければ務まらない役なんじゃないか」と思い、最初はお断りしようと思ったのですが、昨年末、22年間在籍した演劇集団 円を退所して独立したんです。それもあって「やったことはないけれど、ミュージカルに挑戦してみようかな。受けるだけ受けてみようか」と。でもオーディションを受ける前に4回の歌唱指導を受け、いろんなスタッフさんに励まされ、オーディションに向かいました。当日は控室の他にもう一部屋取ってもらい、そこで声出しをしようと思っていたんですが、オーディションを受けるのが苦痛で帰りたくなってしまい、気が付いたらふて寝していました(笑)。これはだめだと思い会場に行きましたが、歌唱指導してくださったスタッフさんたちが親のような目で見守ってくださって、スイッチが入りました。すべてが終わって会場のドアを締めたら涙がボロボロ出てきました。忘れられないオーディションでした。
アンジョルラスという役は凄く神々しく感じているんです。学生達を率いて革命に身を投じるんですが、それとともにお客さん達も感化され、惹きつけられる役だと思うんです。15歳の時に実は『レ・ミゼラブル』のオーディションを受け、最終選考まで残ったんですが、まだ若いから20歳を過ぎたらもう一度受けにおいで、と言われたんです。その後、なかなかタイミングやご縁がなくて受けられず、観る側に徹していたんです。『ミス・サイゴン』に出演した時、海外スタッフの方に「『レ・ミゼラブル』には興味ないのか?オーディションを受ける気はないのか?」と聞かれ、『大好きな作品だし受けてみたいが、何役ならチャンスがあると思いますか?』と返したら『アンジョルラスを受けてみたら?』ああ、僕がアンジョルラスを受けてもいいのかな、と背中を押されたのがきっかけでした。
斎藤さんのトークに濱めぐさんが何度も大笑い!
会見では冒頭では緊張感に満ち溢れていたが、斎藤の順番がくるたびにネタを会話に混ぜてくるため、斎藤の隣に座る濱田を筆頭にキャストたちが大笑い。いつしか斎藤のターンを誰もが内心待っているような雰囲気となり、和やかな会見となった。
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