ももクロにロングインタビュー! 初
挑戦のミュージカル『ドゥ・ユ・ワナ
・ダンス?』の見どころは?

ももいろクローバーZ主演のミュージカル『ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?』が2018年9月24日から舞浜アンフィシアター(千葉県浦安市)で始まる。彼女たちにとっては2015年『幕が上がる』以来の舞台だが、今、どんな気持ちなのだろうか。見どころなども合わせて話を聞いた。
ももいろクローバーZ
−−まず、鈴木聡さんによる脚本をお読みになった感想を教えてください。
高城れに:最初読んだ時はすごいファンタジーだなと思って。ファンタジーに近いけど、どこかリアルに近いという不思議な感覚でした。内容自体は夢のような、絶対現実ではありえないだろうというお話ですが、「死」ということに関しては私たち必ずしも体験することなので、どう演じるかは大変そうだなと思いました。
 
玉井詩織:ミュージカルということで、どういう内容になるのか全く想像がつかなかったんですけど、まずスタートが高校生! 最年少でも高校卒業して4年経っているのですが、「あ、私たちまだ高校生役できるのか」と(笑)。また制服を着られることに驚いたのと、今までは高校だけしか舞台にならなかったけれど、そこから高校生ではない私たちを見られる部分もあります。脚本を読んでいて、現実世界の私たちの関係性と重なる部分もあって、面白いなと思いました。
百田夏菜子:稽古が始まる前日に台本をいただいたのですが、台本に音符が書いてあったりするんですよ。ミュージカルをやったことがないので、どんな感じになるのかなと思ってワクワクしながら、稽古に臨みました。最初の稽古の読み合わせで、共演者のシルビアさんが自由にメロディーをつけてお芝居しているのを間近で見させていただいて、一気にイメージが湧いたし、すごく楽しいなと思いました。
百田夏菜子
佐々木彩夏:自分の名前が役名になっているし、4人の役の関係性と私たちの現実での関係性も似ていて、ファンの皆さんにも楽しんでいただけるのではないかなと思います。また、『幕が上がる』で演じた役を匂わせるようなセリフや設定があるので、細かいところも楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。ある意味続編のような感じで脚本を読んでいました。
−−舞台の登場人物は宛て書きのような印象がありましたが、ご自身の役どころについてはいかがですか?
百田:これまでいくつかお芝居で役をやらせていただきましたが、ここまで明るい役をやったことがありません。私にとって今までで一番明るい役なんですよ。なので、「(私と)役が近いね」と言われますが、ここまで明るい役は初めてなので、新鮮ですね。
高城:私は中学3年生ぐらいの時に介護福祉士になりたいと思っていた時期があって、学校でも勉強していたこともあるんです。今回の役柄は看護師で、患者さんの面倒をみたり、シーツを替えたりするんです。勝手に舞台の上で、夢がかなった気がします。
高城れに
玉井:私は結婚を目前とした花嫁になるという役なんですけど、まさかウェディングドレスを着るとは思っていなかったです。
佐々木:20回も着られるね(笑)
玉井:婚期が遅れちゃうな〜(笑)。本広さんには「これまでのしおりんにはなかったぐらい、大人っぽくやって」と言われているので、自分の引き出しにはなかった“大人っぽさ”をどう出すか。探りながらやっています。
佐々木:『幕が上がる』で演じた明美ちゃんの役を彷彿させるような、でも明美ちゃんとは別の役柄です。パラレルワールドのような設定なので、明美ちゃんとちゃんと区別をして演じられるようになったらと思います。
−−『幕が上がる』はストレートプレイでしたが、今回はミュージカル初挑戦です。シルビア・グラブさんと妃海風さんとの共演もされますが、お稽古の感想を教えてください。
玉井:ミュージカル界のレジェンドと言っても過言ではないお二方と一緒にお稽古させていただいて、まず声の出し方から違うなぁと思っています。それから、お二人とも、すごく引き出しが豊富で。やる度に違う引き出しを持っているのが、格好いいなと思っています。
百田:二人が出てくるだけで一瞬で空気がガラッと変わるし、すべての視線や心を持っていかれちゃう。本当に魅力があって、そばでお芝居させていただいているのがすごく楽しいです。すごいなぁ〜と思いながら頑張らないと思ってやらせていただいています。私たちの曲をお二人が歌ってくださるシーンがあるんですが、これまで歌い続けてきた私たちよりも、1回にして完成度が高くて、「やばい、これはやられたな」という風に思って(笑)。それぐらい感動するし、自分たちの歌を違う形で歌ってもらえるはすごく嬉しいので、感動です。
 
玉井:正直、私たちだけでミュージカルをやるとなると、心配でしかなかったですし、ミュージカルという名のインチキっぽくなっちゃうかなぁと思ったんですが(笑)、お二人が引っ張ってくださっているので、「あ、ミュージカルになっている!」と。たくさん支えてもらっています。
玉井詩織
高城:今回ジュークボックスということで、私たちの曲がお芝居の中に織り込まれるのですが、それまで自分たちの曲はライブのイメージしかなかったから、どんな感じになるのかなって。ちゃんとお芝居につながるか想像つかなかったんですけど、実際にお稽古してみて、あぁこうつながるんだと。今まで私たちがライブで歌ってきた歌でも、歌そのものの印象がガラッと変わる曲が何曲かありました。
佐々木:もちろんお二人にも引っ張っていただいているんですけど、それ以外にも一緒に出てくれる共演者の皆さんがいらっしゃいます。ただ歩いているシーンがダンスに見えたり、演技をしながら歌ったり。私たちが舞台をやらせていただいたのが3年前なので、いろいろと必死に思い出しながら、ミュージカルに近づけるように頑張ってやっています。
−−2幕ではたくさん歌を歌うシーンがあるので、ある意味今回のミュージカルはライブのように楽しめるのではないかなと思います。ライブとミュージカル、もし違いがあれば楽しみ方を教えてください。
高城:歌う部分はあくまで役の中の私たちがやっていることであって、ももクロの私たちではないです。4人で歌ったり踊ったりする曲ももちろんあるんですけど、他の出演者さんたちもたくさん出てくださるので、皆さんにはライブというよりは物語の一つとして見て楽しんでいただけたらいいなと思っています。
玉井:今回のミュージカルは、私たちのファンの方にとってはもちろんももクロの楽曲もたくさんあるので楽しんでもらえると思うんですけど、見ている時のお客さんの反応が私たちも想像がつかなくて。
玉井:お芝居の中に皆さんを引き込めたらいいなと思うのと、私たちのファンではない方にも、このミュージカルを通じて、ももクロのライブに行ってみたいなという気持ちになってもらえたらうれしいです。いろんな野望や目的があるので、いろんな方面に頑張らなくてはなと思います。
百田:普段私たちがライブでやっているのは大体茶番なんですけど(笑)、今回に関してはガチ。今までの茶番がここで活きてくるとは……(笑)。今回の舞台では、普段自分が歌っていないパートを歌ったり、いつもと全く違う雰囲気のダンスを踊ったりします。違う曲に感じるぐらい全く別のものに見えたりするので、音楽の可能性はまだまだたくさんあるんだなと私たちもやっていて感じるし、そこが面白い部分なので、そういうのは、ファンに方にも、そうではない方にも、楽しんでもらえるかなと思います。
佐々木:2幕はももクロのライブでも結構王道な曲がたくさん入っているけれど、それ以外のお芝居の曲は、「あ、この曲をやるんだ」と、本広さんのモノノフさが伝わるのではないかなと(笑)。2幕の頭はライブブロックと本広さんも呼んでいますが、本広さんも多分、普通に楽しみにしている部分だと思うので、モノノフの皆さんには、大人数で踊っていたりする今回限りのももクロの楽曲を楽しんでいただけたらなと思います。
佐々木彩夏
−−『幕が上がる』以来、3年ぶりに本広克行さんの演出を受けて、いかがですか?どんなお話をされましたか?
高城:本広さんは相変わらず自分がモノノフだということをなかなか認めない(笑)。私は今回、普通よりも目立たない細々と生きている役で、セリフのトーンが落ちやすくなってしまうんですけど、本広さんには「暗くなるんじゃなくて、細々と生きているけど強く生きている感じをセリフで出してくれ」と言われて、絶賛葛藤中です。
玉井:本広さんの演出は、基本的に私たちが自由に動いているのを見守ってくれています。話し合いながら一緒に作っているという感じがしますね。『幕が上がる』の時よりも、「じゃあこうしようか」と意見を採用してくださったりもします。楽しいです。
百田:私、忘れていたんですけど、本広さんってめちゃめちゃ笑いに厳しくて(笑)。幕が上がるの舞台の時もそうだったんですけど、舞台が終わった後に毎日反省会があるんですね。それが毎日、笑いの反省会だったんですよ。ウケたかウケなかったか。
玉井:そうそう、そればっかり。まず一言目が「あそこウケなかったね〜」。
佐々木:芸人か! って思ったもんね。
百田:その時は私は笑いを取るという役柄ではなかったので、他のお客さんを笑わせてくれる人が怒られているのを見ていたんですけど、今回はすごく明るい役で、みんなを和ませる場面も多いんですね。お芝居のダメ出しというよりは、笑いのダメ出しが多くなってきて、あぁそうだ、本広さんは笑いに厳しいんだと思い出して……。
佐々木:でもちょっとツボ変わっているよね。
玉井:そうそう、通しの時とかでニヤニヤしているのも、そこ? って。
高城:ちょっとずれているよね。
百田:一番近くに、一番笑いに厳しい本広さんがいるので、そこもこれを機会に磨いていかなくてはいけないのかなと思っています。
佐々木:もともと『シルク・ドゥ・ソレイユ』をやっていた劇場ということで、劇場にある舞台機構がすごいんです。お芝居はあまりそういう機構を使うイメージがなかったんですけど、今回はたくさん使います。私たちも新鮮だし、本広さんもすごく楽しそうにやっていて。映画の『幕が上がる』の時も思ったんですけど、本広さんは「俺が監督だ!」とはいう感じではないんですよ。リハーサルの時も現場に出てきて、一緒にやってくれた。今回も、「僕もミュージカルが初めてだから一緒にいいものにしようね」と言ってくださるので、最初は緊張していたんですけど、シルビアさんたちのおかげもあって、和やかな感じでお稽古させていただいています。
ももいろクローバーZ
−−最後にご自身の見どころと、ファンの方への一言をお願いします!
高城:見どころどこかと聞かれたら、一部分を切り取れない! 世界観がすごくある作品で、死後の世界とか、知らないからこそ興味深いことや、人と人との縁が大事に描かれている作品だと思います。たまに舞台を見に来て寝ちゃう人とかいますけど、誰も寝かせないぐらいに、私たちも世界観を上手に演じられるように頑張るので、楽しみにしててください!
玉井:普段はステージで曲を踊る時は4人なんですけど、今回はたくさんの出演者さんと一緒にももクロの楽曲をダンスします。それだけで迫力が違うと思います。中にはライブの気分で見に来られる方もいると思うんですけど、普段聞いているライブの曲と雰囲気が違うと思ってもらえたらいいな。あと、個人的な見どころとしては、ウェディングドレスなので、そこでびっくりさせるように、すんっと出てこれるようにしたいなと思います(笑)
百田:『幕が上がる』以来の制服衣装なので……。
佐々木:厳しいね(笑)
百田:おーい!(笑)。それが楽しみな部分でもあるし、怖い部分でもある。ミュージカルの内容が面白いので、笑えるところもたくさんあるんですけど、それぞれのいろんなセリフを聞いて少し考えるシーンもある。笑えるシーンは思い切り笑ってもらえって、真面目なシーンも届けられるようにしっかりと頑張りたいです。
佐々木:大人数で踊るところもあるんですけど、逆に一人でももクロの曲を踊るというメンバーもいるので、そういうところは多分私たちも緊張するんだろうなと思うし、今回だけの見どころだと思います。見終わった後に、みんなが死やパラレルワールドという答えのないことをご飯でも食べながら語り合って盛り上がれるようなミュージカルになったらいいと思います。
ももいろクローバーZ
取材・文=五月女菜穂 撮影=中田智章

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