【サマソニ東京ライブリポート】MAR
SHMELLO

「フジロックのSkrillex、サマソニのMarshmello」と言いたくなるような、今年のフェスシーンを象徴する光景が見られたように思う。EDM以降のプロデューサーたちが何をやっても“EDM”に括られてしまう昨今、その呪いを打破しようと試みていたのはこの二人であった。特にMarshmelloの功績は大きく、近年の彼ほどダンスミュージックを「ポップ・ミュージック」の領域に拡張できたアーティストはいない。そして今回のサマーソニック。さながら、「ポップ・ミュージックの何たるか」を探す旅のようなDJを展開した。
 Aviciiの『Waiting For Love (Marshmello Remix)』やJauz&DJ Snakeの『Gassed Up』に触れつつ、古今東西の音楽を参照してみせる。ジャンルの壁も存在しない。Journeyの『Don’t stop believin’』、Bon Joviの『Livin’ On A Prayer』、Eurhythmicsの『Sweet Dreams』(個人的にはここが一番アガった)、Daft Punkの『One More Time』を経由し、トラップやバウンスに戻って来る。BPMも77~130を行ったり来たり(前後半で分かれていたようにも思う)。メインストリームだろうとインディーだろうと手当たり次第繋げてゆく。The Killersの『Mr. Brightside』がかかったときはさすがに泣いた。Selena Gomez、Logic、Khalidら現行ユースカルチャーからのヒーローたちから、彼がなぜこれほどリスペクトされているのか、その理由の一端が分かったような気がした。エンターテイメントとしての音楽を純粋に追求した結果、彼が辿り着いたのがこのDJであった。
 会場を見渡すと、その場にいた全員が踊っていた。Marshmelloを待望していた人、Noel Gallagherの出番を待っている人、何となくShawn Mendesのライブから残っていた人…。全員、踊っていた。度々シンガロング起きており、今回最も「フェスらしい」光景を観られたようにも思う。ポップミュージックはかくも美しく、素晴らしい。
 Marshmelloが締めに持ってきたのは、つい昨日配信が開始された自身のオリジナルトラック『Happier』。最後までヒーロー・オブ・ヒーローだった。

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