撮影:稲澤朝博

撮影:稲澤朝博

舞台『BRAVE10』中村優一ロングイン
タビュー!「仮面ライダーでの“悔し
さ”を経てアクションに挑む」理由

人気漫画『BRAVE10』が舞台化。主人公を演じる俳優・中村優一さんにロングインタビュー! 舞台への想いから仮面ライダー出演時のエピソードなど、必読の内容です!

個性的な真田十勇士が戦いを繰り広げる、霜月かいり先生の漫画『BRAVE10』が舞台化。主人公の伊賀忍者・霧隠才蔵(きりがくれさいぞう)を『仮面ライダー響鬼』や『仮面ライダー電王』に出演、最近では舞台でも活躍中の俳優・中村優一さんが演じます。
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『BRAVE10』は、2011年1月号までコミックフラッパーにて連載され、月刊コミックジーンで連載された第2部『BRAVE10 S』(ブレイブテン・スパイラル)が同誌2016年4月号で完結。その後もスピンオフ作品『BRAVE10 ~戯~』が展開されるなど、シリーズを通して根強い人気があります。2012年にアニメ化も果たした本作が、今度は舞台となって6月28日(水)より上演。才蔵たちが舞台上でぶつかりあいます!
「アクションの多い作品に出たかった」と語る中村さん。原作の印象や好きなキャラクター、舞台に向けての意気込みを伺いました。
2月に出演された舞台『天照アマテラス』を観劇したことを伝えると、「ありがとうぴょん、嬉しいぴょん」と役柄のウサギ風に返してくれたお茶目な中村さんですが、アクションをやりたいと思ったきっかけや舞台の魅力を語る言葉に、真面目さとひたむきさがにじみ出ています。
鎌之介と絡むシーンは楽しそうだな、と思っています――『BRAVE10』の原作を読んだ印象は?
中村:登場人物が1人ずつ増えていく飽きない展開で、最後の方はバトルが見どころだと思いました。僕は6巻~8巻が大好きです。最初は、6巻あたりからラストスパートがかかって、どうやって伏線を回収してラストに向けていくのか心配になったんですけど、まったく飽きず、興奮しながら1ページ1ページめくって。純粋に楽しかった、面白かったという気持ちでした(笑)。
――アクションシーンも多いので、男性も楽しめる作品ですよね。
中村:僕もそう思いました。舞台の発表をした時に女性の反響も多かったので、女性向けの作品なのかなと思っていたのですが、全然そういうことはなく、性別も年齢も関係なく楽しめる作品だと思います。ちょっとアナスタシアのところは過激な部分があるので、僕は少し恥ずかしくて「ニヤッ」としながら読みましたけど(笑)。
キャラクターも個性があって服装もユニークで魅力的ですし、かいり先生はすごく細かく描かれているので、想いの強さが漫画に現れているなと感じました。全巻読みましたけど、細部のこだわりまでまだ全然読み込めていないので、もっともっとかいり先生の描いたものをちゃんと自分の中に入れなきゃな、と思っています。
――好きなシーンはどこですか?
中村:才蔵に絡む伊佐那海(イサナミ)が好きで(笑)。才蔵についていく伊佐那海が可愛くて、そういうシーンが好きです。
あとは鎌之介が、才蔵に戦おうとか構って欲しくて吹っかけていくけどあまり相手にされないところが面白いです(笑)。佐助のクスッって笑っちゃうところも可愛くて好きですね。
――舞台で共演するのが楽しみなキャラクターは誰ですか?
中村:鎌之介と絡むシーンは楽しそうだな、と思っています。鎌之介のことは、なんだか嫌いになれなくて。最初は「嫌なやつが来たな」って印象で、戦って終わるのかと思ったら、ついてくるのが意外でした。
何回も何回も才蔵に向かってきて、嫌だ嫌だと思っていても、最後はなぜか好きになっちゃう、っていうのが鎌之介で。僕の中では鎌之介の印象がすごく強く残っていて、好きですね(笑)。
あとは六郎も最後カッコイイですし、みんな魅力的だなと思います。
――ビジュアル撮影の感想を教えてください。
中村:やっぱり外見が変わると、中身もだんだん才蔵に近づけたような気がして、気持ちが高まりますね。撮影では、かいり先生も側で見てくださって、ポーズや仕草を「こうした方がカッコイイね」とアドバイスをしていただけました。
原作者の方に近くでビジュアルを見ていただく機会ってなかなかないじゃないですか。先生が近くにいて心強かったなと感じました。
――原作者の方に見られるのは、プレッシャーを感じませんでしたか?
中村:めっちゃ緊張してドキドキしました。けれど、かいり先生がすごく優しく素敵な方だったので、会ったらそこまで緊張せず、逆に「いろいろ指導お願いします!」とお願いしました。
仮面ライダーの時に感じた悔しさ
アクションシーンは、楽しみで仕方ないです――どんな才蔵を演じたいですか?
中村:才蔵は最初ぶっきらぼうなキャラクターですが、伊佐那海に対してふとした優しさをみせたり、男らしさがある。そういったところを出せればと思っています。やっぱり伊佐那海との関係やシーンは大切にしたいです。
また、ひとりひとりと出会って戦って、影響を受けていく成長過程もきちんと演じたいです。
――共演が楽しみなキャストは?
中村:今回、初めて共演する方ばかりなんですよ。遊馬くんは、見た目は王子様だけど、明るくて天然で。僕、人見知りなんですけど、遊馬くんは自然と人の中に入ってくるので、僕も自然と仲良くなれました。一緒にできてよかったな、と思っています。
ただ、遊馬くんは優しい雰囲気なので、めっちゃ強い服部半蔵をどう演じるのか、今から楽しみですね。
――今回、舞台では戦闘などアクションシーンも多くなると思いますが、意気込みを聞かせてください。
中村:実は、僕はこれまであまりアクションシーンをやっていないんです。だからアクションや殺陣のある作品に出たい気持ちが強くて。今回、僕自身も楽しみなんです。やったことがないといっても、アクションの多い作品に出たかったので、アクション練習や稽古に行ったり、自分で練習はしていました。その練習を活かせる場がやっとできたので、楽しみですね!
――忍者で特殊な技なども使いこなす役ですが、殺陣に不安はありますか?
中村:ないですね。楽しみで仕方ないです。ただ、あの武器(巨大クナイ)がめっちゃ重かったらどうしようっていうのはあります(笑)。
『仮面ライダー』のときに感じた“悔しさ”――今まで影響を受けたキャラクターや作品を教えてください。
中村:僕自身の夢が叶って演じることもできたんですけど、『仮面ライダー』が本当に好きで。僕が幼稚園のときは、ちょうど『仮面ライダー』シリーズがやっていない時期だったんです。でも平成ライダーが始まって“クウガ”から観ていて、大好きで。
まさか自分がオーディションを受けるとは思わなかったし、自分が変身できるとは思ってもいなかったです。当時「僕もベルトをつけて変身したい」と夢見ていたことが叶ったので、人生の中で一番幸せなことだと思います。
――『仮面ライダー』もアクション要素が強いですよね。
中村:正直、出演させていただいていた当時は、アクション練習などに行っていなくて……。現場に行って、いきなり「転がって」とか言われて、転がり方もわからずに転がっていたりしたんですけど、やっぱり多少痛かったし、若かったから転がれていただけで(笑)。体の柔らかさとか、若い勢いがあるじゃないですか。「全然イケるわ」ってコンクリートの上で転がってましたけど、今考えるとすごい痛いことしてたなって思います(笑)。
カット割りなどで上手く演出して、変身前の状態ではあまりアクションをやっていないんですよね。最終回の方はちょっとやらせていただきましたけど……。
その悔しさもあって、アクションをやりたいなって思って。ちょっと遅いかもしれないですけど練習しています。
教わっている先生がジャッキー・チェンやドニー・イェンが好きなので、そっち寄りのアクションを今練習していて、作品も観ましたね。
――まさにタイミングが合って、今回の舞台の出演が決まったんですね。
中村:映像だと、自分ができる範囲でアクションをつけて、ということが多いので、スキルを伸ばすことが難しかったりするんです。でも舞台は練習期間が長いので、しっかり練習ができるじゃないですか。自分が今できる少し上のレベルまで取り組むことができたりするので、ありがたいな、と思いますね。
舞台の仕事に惹かれる理由
舞台上では、台詞だけじゃなく、心でも会話をしている――今後はどういったお仕事をしたいですか?
中村:僕は22歳頃に1回俳優業を引退して、2年ほど前に復帰させていただきました。それまではどちらかというと映像作品のお仕事が多かったんですが、復帰して最近は舞台のお仕事も多くて、舞台に対しての熱量は変わりましたね。たくさん観るようになったし、観なきゃいけないと思うし。毎回ドキドキしますけど、達成感があるし、今後も頑張りたいです。
ただ、今はたくさんいろんなことをやりたい。映像、舞台限らず、ひとつひとつの作品でお芝居を頑張りたいという気持ちが強いです。
――俳優として舞台で演じる魅力はどんなところですか?
中村:やっぱり、同じことをやっていても、1回1回違う。映像だと「もう1回やらせてください」って言えるけど、舞台は通用しないので、それは舞台の魅力だなと思いますね。
同じことをやっていても、ニュアンスが違ったり、声の大きさも変わったり、相手がちょっと演技を変えてきたときに、自分がどう応えるか、とか、舞台ならではのやり取りがあります。
この間の『天照』もそうだったんですけど、相手が喋る演技によって「え?」って返す一文字のニュアンスが変わったりする。それだけで僕は楽しくて。千秋楽が終わった後に、共演者の方から「変えたのわかった?」って言われて「わかりました」って話をしたんです。
でもそれって、事前に話してやったらつまんないのかなって。動きが変わるとかであれば話し合う必要があると思うんですけど、そこまで大きな変化はないので。
ちょっとしたニュアンスとか、今まで息継ぎをしていたところを息継ぎなしで喋るとか、それだけでやり取りも画も変わってくる。そういうことを千秋楽が終わってから話した時に、すごく楽しかったですね。
――舞台上でコミュニケーションをとっている感じですね。
中村:そうですね、舞台上での会話。台詞で会話をしているけど、心の会話もしているというか。それが楽しいなって思いました。
動物でも物でも、何にでもなれる俳優になりたいです(笑)――今後挑戦してみたい役やキャラクターはありますか?
中村:『BRAVE10』でいうと、僕も半蔵をやってみたいな、という気持ちはありますね。半蔵が登場した時って、一瞬息を呑んで相手が引くじゃないですか。そういう狂気的な役柄や最初から最後まで悪者っていう役は今までやったことがないので、挑戦してみたいです。
最近は人間だけじゃなくウサギ(舞台『天照』)とかもやるようになってきたので、人を越えて動物でも物でも、何にでもなれる俳優になりたいです(笑)。
――最後に、魅力的な『BRAVE10』の原作に、どう自分らしさをプラスして舞台を作り上げていこうと考えているか教えてください。
中村:やはり、原作の漫画があるから舞台ができるので、まずは、かいり先生の世界観を大切にできたらな、と思います。1ページ1ページ気を抜かず妥協せずに描いているんだろうなって、かいり先生のこめた気持ちが伝わってきたので、もっと読み込んでアニメも見て、まずは原作に近い才蔵になりたい。
また、舞台だからこそ、お客様が近くにいて、生で届けられるという部分もある。ただ単に真似だけじゃなく、一歩先にいきたい。人に何か感じてもらえるような作品になれたらいいです。
アクションなどチームワークが大切だと思うので、スタッフや演出家の方、キャストで団結して、エネルギーをお客さんに届けられたらと思います。ぜひ観に来てください!
――ありがとうございました、楽しみにしています!
舞台『BRAVE10』は6月28日(水)~7月2日(日)まで、新宿の全労済ホール/―スペース・ゼロで上演が決定しています。中村さんのアクションシーンを生で体感してください!
<公式HP最速先行チケット受付中!>
【受付期間】4月8日(土)11:00~4月16日(日)23:59
※受付は抽選となります。
一般発売チケットは5月27日(土)10:00~より各プレイガイドにて発売。
舞台「BRAVE10」に関する情報は公式HP・twitterをご確認ください。

ウレぴあ総研

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