Suchmos『THE ASHTRAY』W杯テーマだ
けじゃない、みなぎるバンドの美学
W杯がいよいよ終幕。Suchmosの新譜『T
HE ASHTRAY』は「VOLT-AGE」以外も名曲
揃い!
テーマソング「VOLT-AGE」は、なぜ賛否
両論だったのか。
では、具体的に「VOLT-AGE」はこれまでとどう違うのだろうか? そしてSuchmosはなぜこの曲を書き下ろしたのか。その理由は、『THE ASHTRAY』を聴くと見えてくる。彼らの現在の表現を紐解いてみたい。
観客席で盛り上がる「お祭り的」から、
選手と共に走る「ゲーム性の高い音楽」
へ
この流れの延長線上で考えると、たしかに「VOLT-AGE」は毛色の違う楽曲だ。体をリズムに委ね、祭りの熱狂に飲まれるのは楽しい。そうした一体感や歓喜の感覚を求めていた人にとっては、退屈に感じるかもしれない。だが、「VOLT-AGE」はそうした高揚感を煽らない代わりに、よりスリリングであると思う。「お祭り的」ではなく、「ゲーム性の高い音楽」だとも言えるだろうか。
その他の楽曲もバラエティ豊かだ。「YOU’VE GOT THE WORLD」では大きなステージで映えそうな、バンドのスケールアップも感じられるロックサウンドを聴かせ、「FRUITS」や「FUNNY GOLD」では70年代のAORに接近する。「FRUITS」の言葉遊びを交えながら家族への感謝を歌った歌詞はこれまでにはなかった表現で、「FUNNY GOLD」のようにピアノを前面にフィーチャーしたサウンドも新機軸。「ONE DAY IN AVENUE」も同様に力強いピアノのリフが印象的で、けだるさの中に芯の強さを内包したYONCEの歌声とメロディラインはどこかオアシスを彷彿とさせる。「知りたいのは 不倫?不幸?/聞きたいのは 音?騒動?」なんてYONCEの歌詞もシニカルだ。彼らはいつも、判断基準を持たず、情報に踊らされる人にうんざりしている。偽物を見抜く目と、感じたことを信じる強さはあるかと問いかけている。
ロックスターが輝くのは、自分を曲げず
に貫いている時
それは不必要に迎合しないということで、何かしらのトラブルを引き起こすケースもあるかもしれない。よく知らない人ほど、そういう時だけ物知り顔でコメントを言ったりする。でも、ロックスターが観る者の心を躍らせるのは、大衆をうかがっている時ではない。自分自身を曲げずに貫いている時だ。
Suchmos 最新リリース情報
01. 808 ※Honda『VEZEL』CMソング
02. VOLT-AGE ※2018 NHKサッカーテーマソング
03. FRUITS
04. YOU’VE GOT THE WORLD
05. FUNNY GOLD
06. ONE DAY IN AVENUE
07. ENDROLL
11/24.25 横浜アリーナワンマンライブ
「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA」
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Suchmos『THE ASHTRAY』W杯テーマだけじゃない、みなぎるバンドの美学はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。