フック船長役にISSA「皆さんの思って
いる以上に返す」~38年目のミュージ
カル『ピーターパン』制作発表

2018年7月から8月にかけて東京、大阪、金沢、名古屋で上演されるミュージカル『ピーターパン』。今年で38年目を迎える人気ミュージカルの制作発表会見が7月4日(木)に東京都内で行われた。登壇者は7人。昨年に引き続き演出を務める藤田俊太郎。同様に昨年から続投となるピーターパン役の吉柳咲良。新たなフック船長/ダーリング氏役として、DA PUMPの新曲が再ブレイクを果たし今乗りに乗るISSA。新ウェンディ役として、元AKB48河西智美。新タイガー・リリー役として、ミュージカルを中心に舞台で活躍する莉奈。そしてダーリング夫人役続投の入絵加奈子に、ライザ役続投の久保田磨希である。。
オープニングは、イントロを聞くだけですぐにピーターパンの世界にひたることができる「アイム・フライング」を吉柳咲良が熱唱。その後、株式会社ホリプロ代表取締役社長・堀義貴のあいさつに続いて、出演者が登壇した。
熱唱する吉柳咲良
まずは演出家の藤田俊太郎が、2年連続ミュージカル『ピーターパン』の演出を手掛ける意気込みを語った。
演出:藤田俊太郎
昨年から引き続きの演出ですが、出演者が変われば演出も変わります。新作のつもりで新鮮な気持ちで挑戦をしております。メディアやニュースを見ると、目を覆いたくなるような、耳をふさぎたくなるようなそんな出来事があふれていますが、そんな今だからこそ、ワクワクするピーターパンの永遠に続く美しい世界を描き、ピーターパンの夢を守り続けたいと思っています。20世紀初頭から世界中でピーターパンが上演されていますが、その中でもきちんとした1ページを刻めるような、そんな作品をお客様に届けたいと思っています。
以下、出演者のあいさつを紹介する。
ピーターパン役:吉柳 咲良
ピーターパン役2年目になります。昨年よりもまた違ったプレッシャーや座長の重みがありますが、自分のことでいっぱいいっぱいだった昨年よりも技術面やセリフのいい方なども変わってきたと思っているので、そういうところも含めて頑張りたいと思っています。
フック船長/ダーリング氏 役:ISSA
このお話をいただいたときに「俺でいいのかな」と思いました。でも受けた仕事は皆さんの思っている以上に返すというのが自分の喜びだと思っていますので、一生懸命やらさせていただきたいと思います。メイクしたり衣装を着たりするとスイッチが入るものだなと思っています。みんなで作品力をあげて本番を迎えたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。
ウェンディ役:河西 智美
何年も私は、夏になると『ピーターパン』を楽しみに観てきました。実はずっと「ウェンディをやりたいです」と事務所の人に言い続けてきて、やっとこうしてお話をいただきました。ウェンディの衣装を着て素敵なキャストの皆さんと一緒にステージに上がり、ようやく実感がわいてきました。観客として『ピーターパン』を観ているときは、いつもワクワクして、ハッピーをたくさんもらっていたので、今度は私が皆さんにハッピーを届けていきたいということを一番大事にして頑張っていきたいと思います。この歳でツインテールもつらいなと鏡を見て思ったのですが、1カ月でそういうメンタルも鍛えて(一同爆笑)、頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
タイガー・リリー役:莉奈
昔からタイガー・リリーという役に密かに憧れていたんですけれども、私がいただく役ではないだろうと思い込んでいました。ですので、その願いを誰にも言うことなく胸にしまい込んでいました。タイガー・リリー役に決まったときは、驚きと喜びで胸がいっぱいで、その喜びとともに歴史のある素晴らしい作品に出させていただく責任感やプレッシャーなども感じつつ、毎日稽古をしています。私は今まで劇中で死ぬ役ばかり演じてきたので(笑)、最後まで生き残り、戦いに戦いぬく生命力あふれた役というのはこんなに疲れるんだという思いです。稽古場の机の上にはアミノ酸をいっぱい置き、日々飲みながら、戦うタイガー・リリーを演じています。本番もたくさんアミノ酸を飲んで(一同爆笑)、かっこいいと思ってもらえるタイガー・リリーを演じたいと思っています。頑張ります!
ダーリング夫人役:入絵 加奈子
昨年に引き続きダーリング夫人役として『ピーターパン』に携われること、本当にうれしく思っております。本当にありがとうございます。昨日粗通し稽古というものがあり、私は初めて2018年版『ピーターパン』の全容を観ました。素晴らしいです! 今年はバージョンアップしております。藤田さんの演出もさらにブラッシュアップされていて、キャストの皆さん、一人ひとり役がぴったりなんです。皆さんの役がぴったりだということが、2018年版『ピーターパン』のさらに大きな力となっています。私は藤田演出家より「高貴なグレース・ケリーでお願いします」と言われております。役というのは心で演じるものでございますから、一生懸命、心で演じてまいりたいと思います。
ライザ役:久保田 磨希
2017年に引き続き、今年も大好きな『ピーターパン』の世界に戻ってこられたことを心から感謝しております。昨日粗通し稽古のあと、改めて藤田さんが「目指しているのは世界レベルのピーターパン」という大きな言葉を言ってくださいました。ブロードウェイミュージカルでありながらファミリーミュージカルであるということは、子どもが理解できて世界レベルの完成度を目指す作品という難しいところに、今年のピーターパンカンパニーは挑戦しています。ライザのことを少し言わせてもらいますと、今年のライザは昨年と少し違います。ブラッシュアップされた今年は、ライザの目線を通した『ピーターパン』の世界となっています。ですので私は、お客様の目線に立ってお客様を誘導しながらどれだけ『ピーターパン』の世界を楽しんでいただけるかという責任感を背負ってピーターパンを見つめています。昨年とは10倍も100倍も違う『ピーターパン』、新しいカンパニーの『ピーターパン』2018をどうぞよろしくお願いいたします。
出演者あいさつ後の質疑応答で、ピーターパンを演じる吉柳咲良に対し、「昨年に引き続いてピーターパンを演じる上で、取り組んでいることや心に留めていることがあるか」と質問が投げかけられると、吉柳は「藤田さんからいただいた言葉ですけど、ピーターパンは永遠に少年の物語で、子どものまま成長していくと。確かにそうだなと思っています。私も昨年の『ピーターパン』が終わってから1年間、いろいろなレッスンを積んできて、技術面が向上してセリフも1年目とは変わってきたなと思っているので、永遠に少年のまま成長していくピーターパンというのは、1年間で成長した私が今回見せるべきところなのではないかと思っています」と、なんともたくましい答えが返ってきた。成長した吉柳をはじめとして、バージョンアップしたピーターパンに今年も期待したい。
取材・文・撮影=吉永 麻桔

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

新着