【インタビュー】<ルナフェス直前>
RYUICHI、「今回も夢の2日間にしたい

6月23日および24日の2日間にわたって開催されるLUNA SEA主宰<LUNATIC FEST. 2018>がいよいよ間近に迫ってきた。BARKSでは先ごろ、『PREMIERE of LUNATIC FEST. 2018』インタビュー完全版として、メンバー5人のパーソナルインタビューを公開したが、その発言は5人5様。それぞれの表現でこの刺激的なフェスの本質を浮き彫りにしつつ、ワクワクさせてくれた。今回公開するインタビューは、その続編ともなるものであり、BARKSでは<LUNATIC FEST. 2018>前夜まで毎日メンバーの声をお届けする。その第二回目はRYUICHI。
時代は周り、時代は動き、ありえないと思われていたことが実現したりする。奇跡のようにみえて、それは必然だったのか…。<LUNATIC FEST.>の開催自体が、まさしくそんなケミストリーの塊だ。まさかの組み合わせに見えて、そこにはアーティスト同士のリスペクトや、水面下に隠されていたミュージシャンシップがつなぐ魂の共鳴が、大きな輪を作り上げている。LUNA SEAのフロントマン:RYUICHIは<LUNATIC FEST.>をどう捉えているのか、フェス開催を目前に、率直な話を伺った。

   ◆   ◆   ◆

■すべてのものがひとつひとつ尖ってて
■すごく斬新で、さらに一級品

──LUNA SEAがシーンに飛び出した1990年代はまわりの全員がライバルで、「みんなでフェスをやろう」なんて文化もなかった。30年もの年月が経ってこういう状況になるとは、当時の感覚では想定外ですね。

RYUICHI:そうですね。「このメンバーだったら絶対に昇っていける」っていうのはあったけど、「30年後どうなってるか」なんてそもそもなかったし、当時は対バンの文化でしたよね。

──いわばまわりは全員敵で。

RYUICHI:3バンド出たら、残りの2バンドからファンを何人とるか?…というか、次のライブで何人増えるかで演っているから、全員火花を散らしているわけですよね。フェスとなると、もっと大きなチャンスでもあるけどリスクもあるわけで。

──LUNA SEAの歴史の中で、フェス出演が極端に少なかったのは何故ですか?

RYUICHI:5人それぞれ性格は違いますけど、バンドの性格があるとしたら、最終的には保守的になってまとまることが多いんです。例えば町田のプレイハウスでライブをやっていた時、「これから東京に出ていこう」という話が出ても、「いや、もうちょっと音を磨かないと、東京に出てったら駄目でしょ」「通用しないでしょ。あと半年頑張ろう」みたいな(笑)。普通だったら、チャンスがあったらどんどん出て行こうってなるんですけどね。

──ノリだけで行っちゃうイケイケなおバカメンバーがいなかったんですね(笑)。

RYUICHI:5人で話してるとね、「こんな話あるんだけど…」って誰かが言うと、誰かから「もうちょっとステップアップしてから行ったほうがよくない?」って話が出る。例えば、<サマソニ>、<フジロック>…いっぱいありますけど、巨大なフェスからオファーが来たときに「ほんとにみんながそこでLUNA SEAを観たいと思ってる?」「もっとすげえ曲書いてから行かない?」ってなる。

──やっぱり、LUNA SEAはストイックだ。

RYUICHI:そう、ストイックなんです。いいポジションで出させてもらうとしても、絶対的に自信のある盤石の曲じゃないと許せなくて、「そこでポップな曲やるわけ?」みたいな(笑)、そういう話を真剣にするんです。「ならば、もっとフェス受けする曲ができるまで、そんなのやらないほうがいんじゃないの?」みたいな話が出たり。

──自意識も高く妥協も許さない…LUNA SEAらしいエピソードですね。

RYUICHI:それが多分、すごくLUNA SEAらしさにつながっているんだと思う。もちろん、全員が各々で歯がゆい状態もある。でも「これでいいんだよね」っていう感じですね。
──そんなLUNA SEAがホストを務める<LUNATIC FEST.>も、今回が2回目になります。ライブはアーティストとオーディエンスとの共鳴で出来上がるものですが、<LUNATIC FEST.>ではファンに求めるものはありますか?

RYUICHI:毛色の違うバンドが集まるわけで、ファンの人にとったら「私はこのアーティストは好きだけどこのアーティストはそんなに観なくてもいい」と思うかも知れない。けど、できたら来てくれる人に対して、1日をしっかり楽しめるようにしたい。出演順であったり、前回3つだったステージを2つにするのも、そういう狙いがあってのことなんです。「このバンド、なんか違うと思ってたけど、聴いてるとなんかすげえ引き込まれる…だからLUNA SEAが呼んだんだ」って思ってもらえるようにね。

──なるほど。

RYUICHI:LUNA SEAは主宰者だけど、ステージに出たときは「全部LUNA SEA色に染めてしまえ」と思ってやるわけです。でも当然のように、みんなそう思って勝負してくれるわけ。だから今回も「残念だったよね」って言われることがないプログラムができたと思いますよ。

──中華を食べに行ったのにイタメシが出てきた…でもすごく美味かった!みたいな。

RYUICHI:もしかしたらコンソメスープが出てきて、そこに北京ダックやお寿司が出てくるかもしれない。けど、すべてのものはひとつひとつ尖ってて、すごく斬新で、さらに一級品。「今こいつらがキテるのは、この音出してるからなんだよね」ってよくメンバーも言ってますけど、それって本当に心同士が共振/共鳴していることだから、きっと僕らのファンにも震撼があるんじゃないかと思うんです。

──出演依頼の声をかけられたアーティストたち…嬉しかっただろうなあ。

RYUICHI:だといいですよね。すごく喜んでくれてたらいいなあ。

──「来年は俺たちも呼ばれたい」という人も多いと思います。

RYUICHI:それはね、すごく連絡をいただくんですよ。「次やるんなら出たいんですけど」って。

──その信頼関係が財産ですね。

RYUICHI:すごく嬉しいです。でも今回も残念な話もたくさんあったんですよ。「出たい!」「おお、出て欲しい!」「え?その日?…その日は全国ツアーで地方にいます…」とか、「すいません、2018年は活動休止期間になりました」とか。いろんなアーティストがいるんで、それは本当に残念ですけどね。
■日本にもそういう年輪が
■どんどん刻まれていったらいいな

──LUNA SEAが若いバンドを招聘したように、若いバンドがLUNA SEAを招くようなフェスも欲しいですね。

RYUICHI:そういうことが未来に起こったら嬉しいですね。最初の<ルナフェス>のとき、YOSHIKIさんにオファーを差し上げたときに「嬉しい」って言ってくださって、「ああ、そうか。率直に嬉しいって言ってくださるんだな」って思った。

──ダメ元でお願いしたんですか?

RYUICHI:本当に出て欲しいなあと思って。SUGIZOX JAPANで弾いているので、そういう意味では昔よりも距離がすごく近くなった感じがあったし。YOSHIKIさんはLUNA SEAもよく観に来てくださったりもするし。

──SUGIZOが会場にいるんだから、X JAPANとしてのスケジュールも空いているはずだし(笑)。

RYUICHI:「この時期、SUGIちゃん、X JAPAN動かないよね?」「もちろん。俺がLUNA SEAで弾くんだからね」って(笑)。
──X JAPAN出演をはじめ、オーディエンスはみんな最高に幸せそうな顔をしていましたよね。

RYUICHI:と思います。やっぱり、なんて言ったらいいのかな…今回も「夢の2日間にしたい」です。ホスピタリティにも気をつけて。出る人たちが気持ちよくステージに上がれるようにすることは大切だし、出てる人たちも観に来た人たちも「長い時間、自分の荷物はどこに置いておこうか」とか「ドリンクはどこで買える?」だとか「トイレはどこだ」とか、いろんなことがストレスになるじゃないですか。すべては叶えてあげられないかもしれないけど、<LUNATIC FEST.>ではそういうことまで全部考えて、チケットは高いけど「このチケットを手に入れると、こんな2日間が待ってるんだ」っていうことを体感してもらいたい。ブランディングをしっかりしていくことで、「次もまたやろうね」「次もまた出させてくださいね」っていう未来も生まれてくる。それはすごく大事にしたいなって思って。

──出演アーティストも<LUNATIC FEST.>から様々な影響を受け、学びを得て、10年後20年後に自主フェスを開催したりする。そうやって引き継がれていくんでしょうね。

RYUICHI:いいですよね。嬉しいです。そこにまた僕らをお招きいただければ、ひとつの時代の流れも感じられるだろうし。

──音楽が相互に影響を与えていく…素敵で理想的なものと感じます。

RYUICHI:海外のロックバンドには、70代でバリバリ元気な人たちっていっぱいいるじゃないですか。ああいうのを観てると、ほんとにレジェンドがしっかりいて、そこに若手もいる。グラミー賞を観ていても、音楽の世界って深くて層が厚くて、広がりもある。日本にもそういう年輪がどんどん刻まれていったらいいなと思っています。<LUNATIC FEST. 2018>、楽しみにしてください。

取材・文◎BARKS編集長 烏丸哲也

■史上最狂のロックフェス第二弾<LUNATIC FEST. 2018>
2018年6月23日(土) 千葉・幕張メッセ
2018年6月24日(日) 千葉・幕張メッセ
OPEN 9:30 / START 11:00 / END 20:00 (予定) ※両日共通
▼23日(土)出演
LUNA SEA、GLAYDIR EN GREY、シド、GLIM SPANKYback numberACE OF SPADESThe BONEZ女王蜂coldrainLUNACY(Opening Act)
▼24日(日)出演
LUNA SEA 、YOSHIKI、LOUDNESSBRAHMANAA=大黒摩季MUCClynch.OLDCODEXTHE ORAL CIGARETTES、LUNACY(Opening Act)
▼チケット
一般チケット料金:1日券 ¥15,500 (入場チケット¥15,000+ドリンク代¥500/税込)
各プレイガイド一般発売:6/2(土) AM10:00~


■『生中継!LUNATIC FEST. 2018』

▼6月23日(土) DAY-1  <WOWOWライブ>
前編 午前11:00~/後編 午後3:00~
出演/LUNA SEA、 ACE OF SPADES、 GLIM SPANKY、 GLAY、 coldrain、 SID、 The BONEZ、 LUNACY(OPENING ACT)※LUNA SEAを除くアーティスト表記は50音順にて掲載

■6月24日(日) DAY-2  <WOWOWライブ>
前編 午前11:00~/後編 午後3:00~
出演/LUNA SEA、 大黒摩季、 OLDCODEX、 THE ORAL CIGARETTES、 MUCC、 lynch.、 LUNACY(OPENING ACT)
※LUNA SEAを除くアーティスト表記は50音順にて掲載

・収録日:2018年6月23日、 24日
・収録場所:千葉 幕張メッセ国際展示場
・番組サイト http://www.wowow.co.jp/lunaticfest/
※オンデマンドでもLUNATIC FEST.2018の模様をライブ配信

<関連番組>
▼『LUNATIC FEST. 2018 生中継直前スペシャル』
6月17日(日) 夜7:30 <WOWOWプライム>
会場の幕張メッセからWOWOWで生中継されるLUNATIC FEST. 2018の見どころを紹介する直前番組。 無料放送でお届けする。
▼『LUNA SEA The Holy Night 2017』
6月23日(土) 午前7:45 <WOWOWライブ>
昨年末、 さいたまスーパーアリーナで開催したクリスマス公演をリピート放送。<LUNATIC FEST.>生中継直前にLUNA SEAのライブを堪能しよう。


■『LUNATIC FEST. 2018 スペシャルサポーター大募集』プロジェクト
募集期間:2018年5月25日(金)12:00~2018年6月30日(土)23:59
https://wizy.jp/project/104/
▼プロジェクトアイテム/価格
『LUNATIC FEST. 2018×FLYING POSTMAN PRESS特別号』(先行特典あり)
3,000円(税込・送料込)
※全16ページ(一般配布分は12ページ)
※特別号にお名前を掲載。一般配布より1週間先行でお届けします
※先行特典として、フリーペーパーと合わせて、ルナフェス会場にて展示する特大パネルにもお名前を掲載させていただきます
※サポートには、クラブレコチョク会員登録/ログインが必要です
※特大パネル展示スペースはルナフェス会場内になります。ご覧いただくには入場チケットが必要になります
※配送は2018年8月1日頃を予定(一般配布より1週間先行でお届けします)
※一般配布日は8月10日予定
https://wizy.jp/project/103/

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