【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>バッ
クドロップシンデレラ、「インディー
ズシーンで何かが変わりつつある」

バンドには申し訳ないけど、演奏時間がSATAN STAGEのKen Yokoyamaとほぼ重なっているんだから、EVIL STAGEはガラガラかもねと思いきや、「Kenさん見なくていいの?」とバックドロップシンデレラのメンバーたちが心配してしまうほど、多くの観客が集まっていた。Kenさんを観ずに今回、<SATANIC CARNIVAL>に初参戦するバックドロップシンデレラを見に来るなんて奇特な人たちがずいぶんいるもんだ。ユニークな自分たちのサウンドを表す“ウンザウンザ”という言葉を掲げ、完全セルフ・プロデュースの下、全国各地のライヴハウスで精力的に活動している男女混成の4人組のことがよっぽど気になるらしい。
そんな観客たちを前に豊島“ペリー来航”渉(G, Vo)が「およげ!たいやきくん」のメロディーに乗せ、ギターの弾き語りでSATANIC出演が実現した経緯を説明する。それによると、フェスに出せフェスに出せといろいろなところに頼んでいたが、どうせ出られないと思っていたところ、頼むこともしていなかったSATANICから突然、出演オファーのメールが来たそうだ。

「めちゃめちゃうれしかった!」──豊島“ペリー来航”渉
そんな雄叫びからなだれこんだ1曲目の「台湾フォーチューン」。パンクでグルーヴィなバンドの演奏に観客がダイヴ、2ステップ、ダンスで応えると、キャラがなんだか妖精っぽい、でんでけあゆみ(Vo)がフロア最前列のモッシュにダイヴ! そして、間奏に入って、演奏のテンポが落ちたとたん、それまで大暴れしていた観客が一斉に頭を上下に振り始めた。え、フラッシュボム⁈ いや、そうじゃない。筆者はその時、ようやく気が付いた。EVIL STAGEに集まった奇特な人たちは、ほぼ全員がバックドロップシンデレラの熱心なファンだったのだ。なるほど。彼らは精力的なライヴ活動を通して、虜にしてきたファンをひきつれ、SATANICに乗り込んできたわけだ。

「フェスに出られさえすれば、大きな舞台に立ちさえすれば、多くの人に見てもらえさえすれば。そんな覚悟と自信を持って「フェスだして」を歌っている」──豊島“ペリー来航”渉

と語った彼らは、その覚悟と自信を熱演にぶつけ、楽しみ方をすっかりわかっている観客たちがシンガロング、サークルピット、ウォール・オブ・デス、モッシュで応え、その熱気の渦がその周囲にいる人たちを巻き込んでいった。彼らがそうやって大きなものにしてきた渦は、「SATANICでウンザウンザを踊ったんだから、日本全国のインディーズ・シーンで何かが変わりつつある」と豊島“ペリー来航”渉が言ったように今回のSATANIC参戦をきっかけにもっと大きなものになっていきそうだ。
タンゴ、スカパンク、レゲエと変幻自在に展開する「だんご3兄弟 (みんなのうた)」、そこからギターがアイリッシュっぽいフレーズを奏でた「月あかりウンザウンザを踊る」では、肩を組んだ観客たちにフロアいっぱいに作らせた特大の円陣がクライマックスでもみくちゃのモッシュに! それでも興奮が止まらない観客たちはラスト・ナンバーの「さらば青春のパンク」が鳴りやむまで2ステップのダンスとダイヴを繰り返した。演奏を終え、ステージを降りるメンバーたちに観客たちが口々に「ありがとう!」と声をかける光景からは、バンドとファンの強い絆が窺えたのだ。

取材・文◎山口智男
撮影◎西槇太一

【バックドロップシンデレラ セットリスト】

01.およげ!たいやきくん
02.台湾フォーチュン
03.フェスだして
04.フェスでれた
05.サンタマリアに乗って
06.だんご3兄弟 (みんなのうた)
07.月あかりウンザウンザを踊る
08.さらば青春のパンク


■<SATANIC CARNIVAL'18>

6月16日(土) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール
6月17日(日) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール

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