《後編》ももクロコール騒動はファン
の自己満足か!?

　で、変更したいって声が上がってる案「俺らの太陽」。いや、いいんですけど。いいんですけどね。確かに百田さんはももクロの誰もが認めるリーダー＆センターであり、イメージカラーも赤だし、ももクロの中の誰が太陽っぽいか、って言ったらそれは百田さんかもしれません。
　ただ、このコールって当然百田さん推し以外の人も叫ぶわけで。で、佐々木彩夏さん推しだったら、その人の太陽は佐々木さんだし、玉井詩織さん推しだったらその人の太陽は玉井さんだし……って、太陽はやっぱり人それぞれ違うと思うんです。
　そもそもコールって、基本ファンの自己満足的な意味合いが強いものではないでしょうか。なぜコールするのか、叫ぶのか。もちろん自分はアナタを応援しているぞ、ってアピールすることで支える、励ます意味合いもあると思います。でも、コールすることで、自身を高揚させて盛り上がる、自分が気持よくなる、って意味合いも大きいと思うんです。
「俺らが支える」を「俺らの太陽」に変更する、っていうのは、「俺らの太陽」って本人に聞いてもらうことで、自分たちの声が百田さんの力になったら……という気持ちがあるのかもしれませんが、僕はそれは自己満足の要素が大きいんじゃないかなあ、と個人的には思います。
　その自己満足の行為を、ツイッターで、さもそうすることが百田さんのため的な雰囲気を醸しながら、同意を促すツイートをするってちょっとどうかなあ、って。曲解すれば、単に自分が作ったコールを浸透させたい、ってだけにも思えてしまいます。 「俺らの太陽」って変更するに至った説明として、既存のコール「俺らが支える」を「なるべく残しリスペクトしてきたい」ため「俺ら」を残した、と書いてますが、リスペクトしてるなら変えなきゃいいんじゃ……。変えなければいけない明確な理由を書かずに、そのように書いていたら、ただ単に、自分が考えたコールを皆が叫んだら、俺が気持ちいいじゃん、って理由でやってるようにしか、ねえ。　まあ、そういうことで盛り上がろうとするのも分からなくはありません。なぜなら、ももクロのライブを観るのは昔よりも困難になっているからです。2011年くらいまでは、Zepp Tokyoとかならチケットが外れることもありましたが、地方でのライブはほぼ外れなく、観ることができました。『バトル＆ロマンス』リリース時期くらいまでは無銭イベントも結構あったし、本当にももクロ漬けで生活できたと思うんです。僕も2011年だけで、数えたら25回観てました。
　でも、2011年末のツアーくらいから徐々にチケットは取りづらくなり、2012年春の時点でも横浜アリーナすら落選する人が出るまでに。ここまでの人気者となってしまうと、頻繁にライブに行くことは難しくなってしまうので、ライブを観ること以外でももクロ熱を充足させるしかありません。音源・DVDを繰り返し聴く・観るだけでは満足できないとなると、モノノフサークルに入ります。で、モノノフ仲間との飲み会、カラオケ、DVD鑑賞会。YouTubeを掘りまくるのは当然、ももクロにゆかりのある地を巡る、とかそういった行為で、自身のももクロへの気持ちに折り合いをつけるしかないでしょう。そんな中で、新しいコールを考えよう、みたいなノリが生まれた、というのも少しあるかもしれません。
　はい、コールが変わろうが変わるまいがどっちでもいいと最初に書いておきながら、ここまでダラダラ駄文を綴ってしまい、全然どっちでもよくないだろ、って感じになってますが、いや、本当にどっちでもいいんです。ただ、変えたいって思う方は少しだけ、ほんの少しだけでいいので、それは自身の自己満足から来てる部分があるんじゃないですか？ って言いたいなあ、と他界した草葉の陰から思いました。（文・編集部K）オススメCD：『GOUNN』（通常盤）（AMAZON限定絵柄特典なし）[Single, Maxi]（キングコングレコード）／ももいろクローバーZ