Trysailの3カ月に渡る大航海は、さら
に広がる無限の海へ。TrySail セカン
ドライブツアー・ファイナル公演ライ
ブレポート

2018.5.20(SUN)『LAWSON presents TrySail Second Live Tour “The Travels of TrySail”』幕張メッセイベントホール

人気女性声優、雨宮天麻倉もも夏川椎菜の3人によるユニット、「TrySail」の2ndライブツアー、『The Travels of TrySail』。2018年2月17日に大阪からスタート、当初は5月13日の新潟公演が最後の予定が、追加公演として東京の幕張メッセの5月19、20日の2デイズが発表され、北は北海道から南は福岡まで、全国9か所に渡る3カ月のライブツアーはいよいよゴールを迎えた。そのファイナルとなる20日のライブの様子をレポートする。
最初からテンションMAX!最終日は終始全力
オープニングBGMをバックに、観客の手拍子で会場のボルテージが徐々に上がっていく。舞台を覆い隠すように天井から下がった白いカーテン。それぞれの担当カラーである青、ピンク、黄色のライトを背景にして、一人ずつポーズをとったシルエットが映し出される。メンバーのシルエットが移し出されるたびに会場から歓声が巻き起こる。白いカーテンが一気に下がると、おそろいの白いワンピースドレスを身に纏った3人がメインステージ中央に並ぶ。
最高潮の大歓声と共に、まずは「TAILWIND」。「whiz」、「Baby My Step」と3曲続けて、テンションが上がるアップテンポの曲が続く。
特に「Baby My Step」ではイントロと同時に、夏川が「幕張ー!準備はいいかーい!最後までついてきてねー!」と大絶叫。「いくよっ!」のかけ声と共に、観客のコールが始まる。この曲はコール&レスポンスだけではなく、歌詞中のコーラスが非常に多く、観客がコーラス部分を歌うことでメンバーと一体となり、ライブならではのパフォーマンスが展開される。観客の盛り上がりで会場全体が揺れていると錯覚するほどの熱量だった。
会場の興奮が冷めやらないところで、メンバー1人ずつ挨拶をしていく。
まずは麻倉ももから。最終日の実感がまったくなく、ライブがどういった盛り上がりを見せるのか戸惑いを漏らす。そして、可愛いさの代名詞となっている麻倉の愛称「もちょ」を引き合いに、「最後まで『もちょ』のままでいられるのでしょうか?」という名(迷?)言が飛び出し、会場が笑いに包まれる。
続いて、雨宮天は「イエーイ!超楽しいぜー!」と最初から楽しさでテンションがMAXになっている様子。幕張の広い会場を見渡し、会場いっぱいの端から全部、前から後ろまで歌声を届けられるよう頑張ると語り、全身を使って手を振り会場を盛り上げた。
夏川椎菜は、「最初の3曲で体力使いきってないですよねー?」と観客を煽ると、会場も大歓声でこれに答える。今回のツアーで多くの思い出ができたので、自分も来ている人みんなに思い出を作って帰ってほしいと声をかける。
続いて、観客に向けてのアンケートコーナーへ。質問の中で、「今日がツアー初参加の人―!」と声をかけると、会場のあちこちで手が上がる。麻倉が「ツアーのどこに来たのー?」と声をかけると、すかさず夏川が「いや、今日が初参加って言ってるんだから、幕張しかないじゃん!」とすかさずツッコミ。自己紹介に続けての麻倉の可愛らしい天然ぶりに会場が再び笑いに包まれ、最初のMCパートが終了。再びライブシーンへと移る。
最初のパート同様に、ここでも「バン!バン!!バンザイ!!!」、「ホントだよ」と2曲続けて、ノリのいいアップテンポの曲が披露される。
「ホントだよ」では、最後のサビの前に「ホント」というコーラスが連続する箇所があり、麻倉の「いくよ!」の掛け声のもと、観客が「ホント」を大合唱。タイミングがバッチリあったコーラスが終わると、麻倉が「よくできました!」と叫び、大歓声があがった。
再びMCパートに突入。激しい曲が2曲続いたところで、息も絶え絶えだったが、雨宮が「もちょに褒められると嬉しいですね」と呟くと、麻倉が再び「よくできました!」と雨宮に声をかけ、2人がイチャイチャする様子に会場から歓声があがる。すかさず、「え、ずるくない!?あたしも褒められたいんだけど」と反応する夏川、対する麻倉は「あ、よくできたね…」とそっけない態度で返すというオチに、観客から笑いが漏れる。
3人の個性が浮き彫りになるソロパート
それぞれがTrySailとは別にソロデビューをしているメンバー3人。ここでは個人名義で発表している楽曲の中から選ばれた曲を歌うパートとなる。
トップバッターは麻倉もも。おそろいだった白いワンピースドレスから、落ち着いた雰囲気のミモレ丈ドレスで、メインステージから客席中央に伸びたセンターステージに登場した。主演声優を務めた劇場場アニメ作品「好きになるその瞬間を。〜告白実行委員会〜」のイメージソングで、ミドルテンポのバラードナンバー、「花に赤い糸」を歌唱。MCパートでは天然キャラで会場を盛り上げ、歌唱では美しいハイトーンボイスで完璧に歌い上げるというギャップのある魅力を見せてくれた。
夏川椎菜は、白のサマーセーターにロングスカートの衣装でメインステージから登場。夏川が歌う「パレイド」は、今年7月18日の自身の誕生日に発売されるバースデーソングで、このツアーが初のお披露目となった。タイトル通りのパレードを想起させるようなリズミカルな曲調に、力強い歌声で会場を魅了する。
雨宮天は、再び客席中央のセンターステージから、黒のフレアスリーブのトップスにワイドデニムパンツとカジュアルで落ち着いた印象の衣装で登場し、「Eternal」を披露。ハードなロックサウンドに低音で響くパワーボイスで、会場のボルテージを一気に引き上げた。
それぞれが持つ歌声の色が表現された選曲で、3人の個性がグループである「TrySail」に絶妙なバランスのコンビネーションをもたらしていることを感じるパートだった。
ここで、再びMCパートに突入。ここで再び衣装チェンジが行われ、3人お揃いの衣装となる。金の刺繍とボタンがついた黒のブラウスに、赤いスカートと大人っぽいセクシーなデザイン。
夏川がTrySailデビュー3周年を迎え、4年目に入ったことを語ると会場からは称賛の拍手があがる。「来てくれているお客さんが自分たちを観て笑顔になってくれることが幸せ」、「誰が欠けてもTrySailは成立しない。メンバー、スタッフ、来てくれるお客さんが揃って初めて完成です」と語ると、観客から再び拍手喝采。
「まだまだ、前に進んでいきたいし、上へと昇っていきたい。皆さん、ついてきてくれますか?」と観客に語り掛けると、拍手と共に「ついていくよ!」、「がんばれー!」とあちこちから歓声があがった。
ハイテンションなライブから一変、ホールコンサートのようなバラードパート
ここからは、落ち着いた雰囲気の曲が並ぶバラードパート。メンバーが「皆さん、ぜひ座ってお聞きください」と着席を促すと、観客はペンライトを消灯し、全員が着席。照明も落ちて、会場は真っ暗となり静寂に包まれる。ライブ会場から一変、クラシックのホールコンサートのような雰囲気になった。
「Journey」、「ひかるカケラ」、「散歩道」の3曲が披露されたが、特に圧巻のパフォーマンスを見せたのが、「ひかるカケラ」。本来は真っすぐで明るいアップテンポな曲だが、このライブのためにバラード調に大胆アレンジ。ステージ上は、3人がスタンドマイクで向かい合い、照明はピンスポットだけ。音数も極力少なく、3人の歌声で勝負をする演
出を見せる。歌いだしと、サビには3部合唱のパートが追加され、美しいハーモニーを披露し、会場からは割れんばかりの拍手が送られた。
今度はツアーでは恒例となっている3人の朗読パートへ。「Trouble Travel TrySail」と題し、「全国のグルメツアーを企画した3人に、未来のメンバーから心の声でグルメツアーがきっかけで超肥満になるので、体を鍛えて回避する」という朗読とチャレンジコーナーをミックスした企画。
実はツアーを通して様々なメンバー対抗のチャレンジ企画が行われており、ここ幕張の最終日は各地での結果を踏まえた総合結果発表が行われた。1位となった雨宮には、フルーツタルトがふるまわれたが、2位と3位で勝ち数が同じだった麻倉と夏川は2人揃って罰ゲーム。メインステージからセンターステージに伸びる花道の25メートルをダッシュで往復し、その場で「叩いて被ってじゃんけんぽん」。負けた方が、もう一本往復ダッシュという内容に、「もうこの後ライブに支障があったらどうするの!?」と文句を言う2人。1本目のダッシュの後、ジャンケンに負けた麻倉がルールを無視して逃げ回り、やり直しでは今度は夏川がジャンケンに負け、同様に逃げ回る。しびれを切らした雨宮が、「もういいよ、2人で行ってこい!ほら、全力ダッシュ!」とキレ芸を見せると、会場は笑いに包まれた。
会場は再び、大興奮のライブパートへ
静かだったソロパートから、ペンライトの光が会場全体に広がるライブパートに戻っていく。ここから一挙に、「Truth.」、「Sail Out」、「かかわり」、「センパイ。」と披露される。楽曲の持つ世界観が様々で非常にバラエティに富んだパートとなった。
先輩に対する女子高生の淡い恋心を歌った「センパイ。」では、歌詞の「好き」や、「バカ」といったところをCD音源と同様に、セリフを言うように可愛らしく歌い、その度に観客席からは歓声が上がった。また、サビ前には歌詞に合わせて「ファイト!」と歌うコーラスがあり、客席が一体となりステージの3人を応援するような力強い「ファイト!」の大合唱が起きる。
そのまま、ステージ上が暗転し十数秒、BGMが流れて再びスポットライトが当たると、なんと衣装を早替えした3人が並ぶ。左右がアシンメトリーになっているドレスで、デザインの一部にはそれぞれの担当カラーが施されていた。間髪を入れずに楽曲が始まり、「Youthful Dreamer」、「High Free Spirits」と2曲続けて披露。
3人も声優として出演していたアニメ、『ハイスクール・フリート』のタイアップ曲で、疾走感と力強い歌声で人気の「High Free Spirits」では、ラストサビ前の間奏で夏川が「ファイナルいくぞー!」と大絶叫、観客席もこれに答えるように雄たけびを上げる。そのまま、「オイ!オイ!」と観客とコール&レスポンスし、再び地鳴りがするほどの歓声に包まれた。
ここで再びMCパート、雨宮が「幕張、最高です!でも、まだまだやり足りないんじゃないですか!?」と叫ぶと、麻倉が「みんなの力はこんなもんじゃないですよね!?」と続き、夏川が「みなさん、ファイナルですよ!ファイナルですよ!」と3人が矢継ぎ早に煽り、そのたびに歓声が上がる。「ここから終盤戦ですが、盛り上がっていきましょう!」
と声をかけ、ラストスパートに向けてさらに会場を盛り上げる。
そして、ライブは終わりを迎える
最後のパートでは、「コバルト」、「disco」、「primary」、「adrenaline!!!」を披露。「primary」では、Aメロの歌詞の「ハグしよう」に合わせて、花道の中央で3人が抱きつきながら歌う姿に歓声があがる。Bメロの歌詞の「スキでしょ?」では、会場に向かって語り掛けるよう歌い、ここでも歓声が上がる。
最後の曲、「adrenaline!!!」は、イントロから麻倉が「次がラストの曲です、アドレナリン出して行くぞー!!」と叫び、観客を煽る。メインステージからセンターステージまで駆け回り、ソロパートを歌っているメンバー以外の2人が観客に手を振り、間奏中はメンバー全員がとにかく煽りまくる。観客もこれでもかとペンライト振りながら、大合唱。すべて出し切る勢いで歌い上げた。
「ありがとうございましたー!」と3人が挨拶をし、退場するが、数秒もたたないうちに会場は「アンコール」の大合唱に包まれる。
「アンコールありがとうー!」と声を上げながら、麻倉はライブTシャツにショートパンツ、夏川はライブTシャツにロングスカート、雨宮はワイドデニムパンツにTシャツと個別の服装で登場。
アンコールでは、まず「僕らのシンフォニー」、「sewing dream」の2曲を披露したところで、最後のMCパートになる。既にアナウンスがあった、ツアー中の写真を収めた写真集のタイトルが「TrySail LivePhotobook on a journey」に決まったこと、そして新しい情報として幕張メッセのライブが映像商品として発売されることなどが発表。特に写真集の発売は、6月27日と約1ヶ月後には発売ということでで、早くもライブの感動を再確認できるのはファンにとっても嬉しいお知らせではないだろうか。
最後に、一人ずつからツアーを通しての感想が語られる。
麻倉からは「色々なところにいって、楽しいことや、どうしようと不安になることがあったけど、あっという間の3カ月間でした。どうやったら皆さんにライブを楽しんでもらえるか、色々考えて、自分で言うのはちょっと恥ずかしいけど、ちょっとは成長できたと思います!」と自身の成長が実感できたことを喜んだ。
続いて、夏川は「新しいアルバムが発売され、一気に曲が増えたことで、とても楽しいライブになりました!そして、TrySailの中で自分がどういう立ち入ればいいか、どんな風に他の2人を支えていけばいいか、自分の個性の出し方を考えたツアーでした。公演ごとに様々なチャレンジをしたり、個人的にはライブ中の煽りを増やして、皆さんに楽しんでもらえるようにしました!」と自分の持ち味を再確認したこと、またライブパフォーマンスについても様々なチャレンジをした達成感を語る。
そして、雨宮は「本当に最高の時間でした!ライブが終わるのが本当に寂しくて、「disco」の歌詞の中に『この時間が無限大に続いていく時空に行きたい』がまさにそうで、このステージでかく汗はなんて気持ちいいんだろうと。ツアー中は※色々と迷惑をかけることもあって、落ち込んだ時にTrySailの楽曲や自分のソロ曲の歌詞を見ると、また違ったイメージが見えて、『この歌詞、今の私にすごく刺さる』っていう瞬間があったりして、新しい発見ができたツアーでした」と、自分たちの歌の中にある可能性を再発見できた事に手応えを感じたようだ。
最後に夏川が、「このツアーを完走できたのは、何よりも支えてくださった多くのスタッフさんのおかげだと思ってます。改めて、皆さんから大きな拍手をお願いします!」と促すと、会場は惜しみない称賛の拍手に包まれる。「そして、3カ月のツアーに参加してくださったすべての皆さん、本当にありがとうございました!」と締めると、さらに大きな拍手と歓声が起こった。
アンコールのラストを飾るのは、3月に発売されたばかりの7thシングル「WANTEDGIRL」。アップテンポなメロディに、圧倒的なワード数で畳みかける楽曲で、歌い出しからコーラスがあったり、間奏ではリズミカルなクラップが入るなど、観客もこれが本当に最後と全力でコールをし、メンバーと観客が一体となって楽しんだ。
最後は3人がメインステージの左右中央、センターステージの4か所でそれぞれ「ありがとうございましたー!」と挨拶、拍手と共に見送られ、退場した。
他の会場ではなかった千秋楽だけの演出、まさかのダブルアンコール
3人が退場し、曲が終わらないうちに、会場はまさかの「もう1回!」コールに包まれ、他の会場ではなかった、ダブルアンコールが行われることとなった。
最後に歌ったのはバラードパートでアレンジされていた「ひかるカケラ」のオリジナルバージョン。3人はメインステージからセンターステージへ、今度は少しでも多くの人と目を合わせようと、ステージから落ちるのではないかと思うほど、3人は身を乗り出し手を振り振りながら、ゆっくりと歩を進める。夏川は「一緒に歌おう!」と会場を煽ると、Aサビは観客の声も合わさった大合唱となった。観客も余韻に浸るようにペンライトを持った手を大きく振っている。
最後はメインステージ中央に3人が並び、マイクをオフにした地声で「ありがとうございましたー!」と大絶叫。観客席からは長い長い拍手と歓声に包まれ、ツアーは幕を閉じた。
3カ月のツアーの中で、4年目に突入した「TrySail」。様々なライブイベントに参加し、それぞれがソロデビューを経験して、「TrySail」というチームとして、より良いパフォーマンスをするにはどうすべきか、それぞれが個性を発揮し、より高みを目指すためのチャレンジとなったツアー。最後に3人が述べた感想は、それぞれが成長し自信が付いてきたことを実感する内容で、さらにもっと先へもっと上へと行きたいと力強く語るアーティストとしての表情を見せてくれた。このツアーは、「TrySail」にとってゴールではなく、遥か先へ続く無限の海への一歩に過ぎないのである。
取材・文:東響希

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