Night Tempo / Come On! (feat. Sup
er Brass, Tomggg) 生音を大々的に取
り入れた新作より、Tomgggとのコラボ
曲が公開! 進化するフューチャー・
ファンク、その最前線がここに
今さらですが、フューチャー・ファンクと言えば、ヴェイパーウェーヴから派生するような形で生まれた潮流のひとつで、主に70〜80年代のファンクやソウル、ディスコ、AORをサンプリングし、ボーカルをカット&チョップするなどしたサウンドが特徴となっていたもの。
それが次第に日本のシティポップや昭和歌謡など、いわゆる“和モノ”と言われるようなジャンルをサンプリング元にするアーティストが増え、いつしかフューチャー・ファンクという言葉の定義自体も(相変わらず曖昧な余白部分も残しつつ)変化してきたように思えます。
Night Tempoもまさしくそういったいわゆる和モノへの強い憧憬を抱くプロデューサー・DJのひとりなわけですが、彼の新作には先述のように韓国のシティポップ・バンド、Super Brassや同じく韓国のプロデューサー/SSWのNeon Bunnyなども参加。本楽曲も、クレジットを見る限りベースやトロンボーンは生音で録音し、Night TempoとTomgggがピアノ(シンセ)を担当しているようです。
ボーカルはおそらくサンプリングだと思いますが、そういったフューチャー・ファンクの原初的な美学も引き継ぎつつ、その上でそのジャンルの枠を拡張、もしくは進化させようとする気概を勝手に感じてしまいます。
ボーカルには韓国のシンガー・EXNを招き、本人の歌唱をサンプリングするかのようにカット・アップ。フューチャー・ベースを歌モノのポップスへと落とし込む際と同様の手腕で、本楽曲もフューチャー・ファンクの世界観は残しつつも、より外へ開けたポップスとして機能させることに成功させているのではないでしょうか。
日本の大御所アーティスト/作曲家と、新世代の海外プロデューサー勢がどのような化学反応を起こすのか。そして、それに対する世間の反応は……! フューチャー・ファンクのシーンでは、まだまだおもしろいことが起こりそうです。
■Otaku Spirit Sessions(Kickstarter):https://www.kickstarter.com/projects/otakuspirit/otaku-spirit-sessions
【リリース情報】
Night Tempo 『Moonrise』
Tracklist:
1. Overture
2. Come On!
3. Level Off
4. Yuu-Huu
5. Riverside Drive
6. Back To Back
7. Hot Talkin’
8. Starlight Girl
9. Love Game
10. Turn The Light On
11. Better Days
12. Bay City Groove
Spincoaster
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