【楠田亜衣奈 インタビュー】
今年は小さくてもハッピーなことに
目を向けたい
μ'sのメンバーとして『NHK紅白歌合戦』出場や東京ドーム公演も成功させている声優の楠田亜衣奈が、“踊れる私好みの曲”という1stシングル「ハッピーシンキング!」をリリース! カップリング曲では作詞も担当し、ソロアーティストとしての一面を覗かせる。
「ハッピーシンキング!」はポップでおしゃれなサウンドが印象的で、文字通りハッピーになれる曲ですね。
はい。いくつか候補がある中から選ばせていただいたのですが、これが一番かわいらしくて楽しい曲だったので、それが私らしいと思ってこの曲に決めました。
Dメロで三拍子になる、急な展開もありますが。
そうなんですよ。曲を選んだ時はワンコーラスだけで、Dメロがなくて。それでもリズムの取り方が難しめの曲だったんですけど、フルサイズになったらDメロの展開が加わっていたんです。“トラップに引っかかった!”って感じでした(笑)。でも、それによってより私の好みに近づいた曲になりました。
タイトルと歌詞はすごく前向きで。
“ポジティブシンキング”という言葉はよく耳にするけど、“ハッピーシンキング”って言わないじゃないですか。でも、すごく良い言葉で、“なぜ今まで使ってなかったんだろう?”と思ったくらいです。この歌詞を見て“今年はハッピーな年にしたい!”と思いました。
“今年も”じゃなくて?
お菓子をもらったとか、ちょっとしたハッピーなことがたくさん転がっているのに、そっちにあまり目が行かなくなってしまっている自分がいることに気付いて。なので、今年は小さくてもハッピーなことに目を向けたいなと思ったわけです。それに私は基本的にネガティブだからこそ、自分が聴く曲や歌う曲はポジティブでありたいと思っていて。きっと私と同じように考えている人も多いと思うので、そういう方に曲を聴いてポジティブになってほしいです。私自身もそういうネガティブな気持ちを吹き飛ばしたいと思って歌っています。
普段聴いてハッピーな気持ちになれる音楽は何ですか?
E-girlsさん、Dream Amiさんのソロ、Flowerさんなどです。Flowerさんはバラード系が多いですけど、ちょっとバレエっぽい動きを取り入れた、しなやかで女性らしい振り付けが多くて好きです。小学校の頃からダンスをやっていたので、ダンスがあるものは好きでMVをよく観ますし、声を出して一緒に歌ったりするとハッピーになります。
カラオケにも行ったりするんですか?
カラオケはあまり行かないですけど、よく車の運転をしながら大声で歌っていますよ。「ハッピーシンキング!」もレコーディング前は練習も兼ねてノリノリで歌っていました。ライヴに向けて練習する場合もあるし。ただ、あまりに大声を出しすぎて、通行人に振り返られる時があります(笑)。
シミュレーションというか、ライヴの情景を思い浮かべながら歌うんですか?
そうですね。演出プランと言うと大袈裟ですけど、ここでお客さんを盛り上げようとか、間奏をちょっと長めにしてその間で何か楽しいことができないか考えたりします。歌詞も考えたりするので、私の中ではすごく大切な空間です。
今回のカップリング曲は2曲とも楠田さんの作詞ですね。
今回は家で書きましたけど、前のアルバムの歌詞は車で浮かんだものが多かったです。
「会いたいよ でも言えないよ」は、少女マンガ的世界観で。
少女マンガが好きで、とある少女マンガを題材にして書きました。今までは自分の感情から生まれてくる気持ちを書いていたので、フィクションで作詞をしたのはこれが初めてです。もともと子供の頃から好きだと思った曲の歌詞は、純情な恋愛でキュンキュンするものが多かったので、そういう歌詞を書いてみたいと思っていて。それで今回チャレンジしてみました。
「やさしいヒカリ」は、ファンに向けてのバラードですね。
ファンのみなさんからいただいたファンレターのお返事になっています。ファンレターを頂いて嬉しい気持ち、ありがとうって気持ちを書かせていただきました。このテーマで歌詞を書きたいと、前から考えていたので私の想いがみなさんに伝わるといいなと思っています。
ソロデビューして2年半くらいですが、今回が1stシングルだそうで驚きですね。
そうなんです(笑)。そういう意味でも新しく私を知ってくださる方にも届けたいので、そのきっかけになる一枚になったんじゃないかと思います。表題曲は振り付けもあって、MVではダンスのシーンもあります。ライヴではダンスしているのですが、ファンの方の中には“くっすん(楠田の愛称)のダンスが好き”と言ってくださる方や、“MVでダンスが観たい”と言ってくださる方も多くて。もともダンスをやっていたし、普段聴く曲もダンスしているものが多いし、1stシングルでは“楠田亜衣奈ってこういう人だよ”と分かる、名刺代わりになるものを作りたかったんです。そういう意味でキャッチーな曲調でしっかり振り付けもある、名刺代わりと呼ぶにぴったりの楽曲ができて嬉しいです。
音楽的に今後こういうことをやっていきたいとかは?
ジャンルにこだわりはないけど、自分が好きだと思うものをやっていきたいです。今回せっかくダンスを取り入れた楽曲なので、ダンスしながら歌える曲を増やしていきたいですね。
取材:榑林史章