Soanプロジェクト with 手鞠、単独ツ
アースタート

Soanプロジェクトwith手鞠が2月11日(日)新横浜NEW SIDE BEACH!!を舞台に単独公演<旋律、静かな願いと-2018 1st Oneman Live->を行った。
2ndミニアルバム『旋律、静かな願いと』を軸に据えた本公演は、Soan、手鞠、タイゾ(fKra)、祐弥、Sachi(黒色すみれ)という布陣のもと行われ、会場内には椅子席を用意。安らいだ空間で楽曲をしっかり聴けるようになっていた。
タイゾの爪弾くアコギの音色から、手鞠が「「急かされる様な焦燥の日々の帷。私は歩幅が狭いのか、いつだって周りから少し遅れて歩む。だんだんとその距離は離れて、やがて誰も見えなくなってしまうのではないかと、時折、不安に苛まれるほどに…。新しい年の始まりは、未だ肌を刺す冷たい風と冬曇りの空の下。寒々しい部屋の中、この歌と共に、雪解けのその時を待つ。春めく次の季節に焦がれながら…」と語り始める。そこからSoanプロジェクト with 手鞠は「焦燥の日々の帷、憔悴する白雪姫」を奏で始めた。
優しく揺れるSoanのピアノの旋律へ導かれるように手鞠が歌ったのが「相対する質量の交錯する熱量」。微かな熱を持った弦楽の音色で、心がゆっくりと溶かされていく。「投影された在りし日の肖像と云う名の亡霊」では物悲しいサイレント映画へ色と物語を塗り重ねるように響く歌と演奏。モノクロな空間の中へ、熱情を抱いた手鞠の歌声が色を加えてゆく。今にも壊れそうに切々と響くピアノの調べに誘われ、「それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ」では観客たちがを幻惑な世界へ連れだされる。新曲「黄昏色に融解する視界と屈折した類推(仮題)」は、理想と現実との摩擦に葛藤した苦痛を分かち合う想いが描かれた楽曲。それに続いて披露されたのは幸せで穏やかな日々を祈った「夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処」。Soanプロジェクトwith手鞠は、痛みと優しさを伝えてくる。
と、Soanのピアノが動きを止め、祐弥の掻き鳴らすアコギが叫ぶように音を響かせた。心の奥底から沸き上がる情熱のままに声を吐き出す手鞠。とても凛々しく、スリリングな演奏の上で、彼らは「正否の相違、或いは利害の不一致」を突き付けた。優しく手を差し伸べるだけが届ける声じゃない。沸き立つ感情のままに歌い叫ぶことが、むしろ「生」を覚えることだと言うように激しく躍動的な演奏が観客たちの胸をノックする。パニッシュな情景を描く「感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛」でも、手鞠は情熱的に歌う。一転「春色の音色、記憶回廊」では心を穏やかに癒す優しい風景が生まれ、最後は訪れた人たちの心へ希望の光を射すように「そして君は希望の光の中に消えた」を演奏。その歌と演奏は母親の手のような優しさに満ちていた。
アンコールでは、新曲「醜悪なる獣穿つ矢、致死を以て野卑を屠る(仮題)」を披露。90年代青春刹那なヴィジュアル系を彷彿とさせる歌にSachiのヴォイオリンの音色が重なり、優雅さと疾走感を併せ持った楽曲だ。その雰囲気のまま「それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ」を届け、この日の公演は幕を閉じた。
写真◎遠藤真樹

文◎長澤智典

編集◎BARKS
セットリスト


1.焦燥の日々の帷、憔悴する白雪姫(スノーホワイト)

2.相対する質量の交錯する熱量

3.sign…-resonance-

4.投影された在りし日の肖像と云う名の亡霊

5.それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ

6.林檎の花の匂いと記憶野に内在する存在。

7.黄昏色に融解する視界と屈折した類推(アナロジー)(仮)

-Soan Piano & 祐弥 二胡 Session-

8.夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処

9.正否の相違、或いは利害の不一致

-タイゾSolo & Sachi Solo-

10.感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛

11.春色の音色、記憶回廊

12.そして君は希望の光の中に消えた

Encore

1.醜悪なる獣穿つ矢、致死を以て野卑を屠る(仮)

2.それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ
<Soanプロジェクトwith手鞠『旋律、静かな願いと-2018 1st Oneman Live-』>


3月22日(木)名古屋ell.FITS ALL ※残少

3月23日(金)大阪RUIDO
ライブスケジュール

<穿つ歌声、射抜く詩声。>

4月10日(火)池袋EDGE

4月11日(水)池袋EDGE
<躁狂の踊り子>

4月17日(火)渋谷REX

4月18日(水)渋谷REX
<Soanプロジェクト2nd Anniversary Live>

5月31日(木)高田馬場AREA

6月1日(金)高田馬場AREA

Soanプロジェクトwith手鞠 1st ミニア
ルバム『静謐を制し征する音』

発売日:2017年2月1日(水)

値段:¥2,500(tax in¥2,700)

品番:S.D.R-307

収録曲数:5曲
【収録曲】

All Music:Soan All Lyric:手鞠

1.夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処

2.それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ

3.投影された在りし日の肖像と云う名の亡霊

4.感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛

5.そして君は希望の光の中に消えた
【Recording Musician】

Producer・Piano・Drums・Music:Soan

Vocal・Lyric:手鞠

Acoustic Guitar:タイゾ(from Kra)

Chorus:祐弥

Violin・Viola:Sachi(from 黒色すみれ)

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