TAWINGS / Invisible ビートの間隙に
ロマンが潜み、その佇まいはアンニュ
イを貫く――東京インディ・シーンに
急浮上する4人組の新作に迫る!
また、今回の作品はカセット(DLコード付き)形態でもリリースされる。ただ数量限定の上、ライブ会場/通信販売のみの取扱いとなっているので、ぜひ早めに チェック(http://tawings.tumblr.com/post/168791806493/invisibleutm-single-cassette) して頂きたい。
ソングライティングの才能が光り、FazerdazeやJapanese Breakfastといった海外アクトのサポートも務めるなど、みるみる存在感を増してゆくTAWINGS。だが、以下の映像には、あえてメンバー4人の親しみやすさが全面に押し出されている。
これはある意味、本MVを手がけたYuki Kikuchiの“計画的犯行”と言えるだろう。それはまるで、曲調に漂うミステリアスな雰囲気を武器に、多くのインディ・ファンの耳を次々とジャックしてゆく彼女たちの本性をカモフラージュするかのようだ。さらには、視聴する我々をもその企みへ引き入れてしまうほど。
そして、そこに露骨さがないからクールなのだ。彼女たちが鳴らすのはそもそもガレージ寄りの音であるわけだが、きっとその実直さが効いているのだろう。もしギターの音色が少しでも艶っぽく行き過ぎていれば、曲のイメージは崩れてしまったはず。その限界を攻めたのだとしたら見事だ。
ところでParisのパンク・シーンに新風を吹かせている Gomme(https://gommegomme.bandcamp.com/album/hiss) もそうだが、女性メンバーだけでこうした音楽をやるバンドが増えることには非常に大きな意義がある。なぜなら、「評価にジェンダーは無関係だ」というイデオロギーをより広く浸透させるひとつの要因になるからだ。まさに時代が求めているのが分かるだろう。“ガールズ・バンド”などの表現は消えゆく運命にある、その根拠とも言えるかもしれない。
また、リキッド・モダニティに端を発した現代社会における文化の流れにおいては、“親近感”というのもやはり重要なキーワード。その点で、この曲のユニゾンが機能している気がしてならない。
以上のことから、TAWINGSは単に1970〜80年代当時のポストパンク・サウンズをなぞるだけでなく、その精神性まで含めてリバイバルとしての使命をきちんと果たしていると言えよう。
ちなみに1stシングル『Listerine / Dad Cry』のストリーミング利用(Spotify、Apple Music)が12月下旬より解禁されている。こちらも併せて聴いておきたいところだ。
【イベント情報】
Airhead Records pre.「Young Sea」
日時:1月6日(土)
会場:Shimokitazawa MOSAiC
RHYMING SLANG COVERS Release Party
日時:1月14日(日)
会場:Shimokitazawa Three & Basement Bar
【リリース情報】
TAWINGS 『Invisible / UTM』
Price:¥800 (Tax In)
Tracklist:
1. Invisible
2. UTM
※ダウンロードカード封入
※Casette(200個限定)
■TAWINGS SoundCloud:https://soundcloud.com/tawings
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