海外インディーレーベルの沼にハマれ
!まず初めの10選

世界は広かった。星の数ほど存在する、
海外のインディーレーベル

先日、日本のインディーレーベルに焦点を当てた記事を書きました。
この記事を書いた時点で、海外のレーベルにも触れるつもりでおりましたけれども、少々見通しが甘かったようです。率直に申し上げて、めちゃくちゃ数が多い。「まずは主要なレーベルを」と思い、パコパコと名前を羅列してみたところ、あっという間に10枠埋まってしまいました。日本のインディーレーベルも書き足りなかったのですが、今回はそれに輪をかけて書き足りないです。

のっけから物凄く言い訳染みていますが、海外インディーの入り口として本稿を読んでいただければ嬉しいです。前半5つはインディー・ロックの、後半5つはクラブ・ミュージックのレーベルで構成されています。

1. 暗く退廃的で、美しい。独特な美意
識の4AD

出典: 4AD 公式Twitter

1980年にロンドンで設立された老舗レーベル<4AD>。80年代のオルタナティブなUKロックの震源地はここでしょう。コクトー・ツインズ、バウハウス、デッド・カン・ダンスなどはこのレーベルから世界へ飛び立ちました。
Cocteau Twins – 『Carolyn’s Fingers』

上記のアーティストの曲を聴けば分かる通り、4ADは独特な美的センスでもって今日もカルト的人気を博しております。先日来日公演を果たしたフューチャー・アイランズも、現在はこのレーベルからアルバムをリリースしています。

今年の年間ベストにも多く名を連ねた、オルダス・ハーディングの『Party』やThe Nationalの『Sleep Well Beast』なども4AD産ですね。

2. レコード屋発、創立40周年を迎えた
Rough Trade Records

出典: Rough Trade Records 公式Twitter

ロンドン西部の街、ラドブローク・グローブのレコード屋が発端となって設立されたインディーレーベル<ラフ・トレード>。そんな経緯がある所為か、ここのスタッフは音楽へのリスペクトと愛情が凄まじいです。アーティストの自由度も高く、レーベル側が個性を潰すようなマネは絶対にしない。アズテック・カメラに代表されるネオ・アコースティック勢、ザ・ストロークスを筆頭としたゼロ年代のガレージ・ロック・リヴァイヴァルの隆盛に一役も二役も買いました。
The Strokes – 『Reptilia』

一時は経営破綻に陥ったこともあるのですが、ベガーズ・グループ(様々なインディーレーベルを傘下に置く巨大組織)の支援により復活。2017年現在も、日々新たな才能を輩出し続けています。つい先日も、Goat Girlというガールズバンドがラフ・トレードとサインしました。

3. NYインディーの金字塔、Matador Re
cords

出典: Matador Records 公式Twitter

アメリカのインディー・シーンはいつの日も元気であります。「元気」の方向性は違えど、かの国では常に刺激的でアヴァンギャルドなサウンドが鳴らされています。そしてその一大拠点のひとつは、やはりニューヨークでしょう。<マタドール・レコード>が居るのは、まさしくその中心地。1989年に創立されて以来、USインディーシーンを支え続けています。ヨ・ラ・テンゴ、カート・ヴァイル、2013年からはクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジもこのレーベルから作品をリリースしています。
Queens Of The Stone Age – 『The Way You Used To Do』

そして、何といっても今年はジュリアン・ベイカーの存在でしょう。2017年は「マタドール・イヤー」と呼びたくなるぐらい、各アーティストが良いアルバムを連発しておりましたけれども、彼女はその中でも抜きん出た輝きを放っていました。年明けすぐに来日公演(1/26@東京、1/28@大阪)もありますから、コレは本当に行ったほうが良いです。

4. グランジの始祖、Sub Pop Records

出典: Sub Pop Records 公式Twitter

<サブ・ポップ>が存在しなかったら、グランジというムーブメントが起きることはなかったかもしれません。ニルヴァーナを筆頭に、サウンドガーデンやマッドハニーなど、名だたるグランジ・ロッカーたちが籍を置いていたのがこのレーベルです。
Nirvana – 『Lithium』

とはいえ、サブ・ポップはグランジやオルタナティブ・ロックを専門としているわけではなく、現在では多様性溢れるラインナップを展開しています。ビーチ・ハウスやファーザー・ジョン・ミスティ、フランキー・コスモスなんかもここにいますね。むしろ今はフォークとサイケデリアのバンドの活躍が顕著です。個人的には、ナッシュビルの新鋭Bullyの今後が気になるところ。

5. UKとUSの懸け橋的存在、Domino Rec
ords

出典: Domino Records 公式Twitter

他に比べてやや地味な見出しを付けてしまいましたが、個人的にはここまでで一番好きなレーベルです。<ドミノ・レコーズ>の本拠地はイギリスにありますが、発足当初はUSのアーティストのリリースが大半でした。このレーベルの第一号作は、英国内のマーケティング用にサブ・ポップからライセンスを委託された、セバドーの『Rocking the Forest(1992年)』。アークティック・モンキーズやフランツ・フェルディナンドがここから台頭してくるのは、もう少し先の話です。
Franz Ferdinand – Always Ascending

フランツの新譜カッコいいですね。来春の来日公演(1/25@東京)のチケットも既に売り切れているらしいので、彼らの動向は間違いなく来年の目玉となるでしょう。新作アルバム『Always Ascending』は2018年の2月9日にリリース予定です。

もちろん、ドミノとUSインディーの繋がりは現在も継続中。ダーティー・プロジェクターズやアニマル・コレクティブなど、シーンの最前線に身を置くアーティストが多数在籍しています。

海外インディーレーベルの沼にハマれ!まず初めの10選はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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