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【芸能コラム】注目!豪華キャストの
脇を固めるちょっと気になる出演者た
ち 「陸王」

 社運を懸けて開発したランニングシューズ“陸王”を履いた茂木裕人(竹内涼真)が、ニューイヤー駅伝で好成績を残し、ついに社長の宮沢紘一(役所広司)率いる老舗足袋屋・こはぜ屋の挑戦は実を結んだ。だが、苦汁をなめた大手スポーツ用品メーカーのアトランティスは、陸王に必要な素材を製造する業者と大量発注の契約を結び、こはぜ屋との取引を打ち切らせるという反撃に出た。果たして、陸王とこはぜ屋の運命は…?
 小さな老舗足袋業者・こはぜ屋の社員たちが、一丸となってランニングシューズ“陸王”の開発に挑む姿を描いた池井戸潤原作の日曜劇場「陸王」(TBS系毎週日曜午後9時放送)。こはぜ屋の面々をはじめ、ライバルの大企業アトランティス、社会人チーム・ダイワ食品陸上部など、さまざまな人々が織り成す熱いドラマは、けれん味たっぷりで見応え十分。演じる出演者も、役所、竹内のほか、山崎賢人、阿川佐和子、寺尾聰など、豪華な顔ぶれがそろっている。その中で今回は、ちょっと気になる出演者をピックアップしてみた。
 まず何と言っても強い印象を残すのが、シューフィッター(選手に合ったシューズを選ぶ専門家)の村野尊彦を演じる市川右團次。もともとはアトランティスの社員だったが、選手を簡単に切り捨てる上司の小原(ピエール瀧)と対立して辞職、宮沢と出会って陸王の開発に協力する村野を、抑制を利かせながら力強く演じている。上司の小原にたんかを切って辞職する気骨ある姿に、喝采を送った視聴者も多いことだろう。本業は歌舞伎役者なので、これまでテレビドラマへの出演は多くないが、本作での好演を見れば今後を期待したくなる。
 一方、物語の中心となるこはぜ屋の社員たちも個性的な顔ぶれがそろっている。その中でも一際熱い芝居で存在感を示しているのが、中堅社員・安田を演じる内村遥だ。
 ひげを伸ばした風貌から“老舗の足袋屋”の雰囲気を漂わせつつ、熱のこもった演技で“従業員たちのまとめ役”らしさを発揮。いい意味で“田舎のあんちゃん”ぽさがある。今までに10年以上のキャリアを持つ俳優だが、これをきっかけに活躍の場を広げるのではないだろうか。
 続いては、こはぜ屋のメーンバンクの融資担当・大橋を演じる馬場徹。本作と同じ池井戸潤原作の日曜劇場「ルーズヴェルト・ゲーム」(2014)では社会人野球の選手を演じたが、故障でチームを去った際には、退場を惜しむ声が続出するほどの人気を集めた。
 本作では、好青年ぶりを披露した「ルーズヴェルト・ゲーム」から一転、融資を渋ってこはぜ屋を苦しめる銀行員役。だが、第5話では、こはぜ屋の将来性を認めて陸王開発をサポートする一面も見せ、単なる憎まれ役とは言い切れない人間味をにじませた。
 この他、連続ドラマ初レギュラーながら、ムードメーカーとして存在感を発揮する阿川、元陸上選手という自身のキャリアを生かしてダイワ食品陸上部の選手を好演する和田正人など、出演者の適材適所の活躍が、物語を引き立てている。池井戸潤原作のドラマは、日曜劇場としては「半沢直樹」(2013)から数えて4作目となるが、これまでも絶妙なキャスティングで何人もの俳優の魅力を引き出してきた。「陸王」からもそんな俳優が現れることを楽しみに、ドラマの行方を見守っているところだ。(井上健一)

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