上戸彩が登壇した初日をレポート! 
京都・元離宮二条城で開催「アートア
クアリウム城~京都・金魚の舞~」

大政奉還150周年記念アートアクアリウム城
去る10月25日(水)、約8,000匹の金魚や錦鯉が音楽、照明、映像を駆使したデザインと融合する、無二の水族アート展覧会『大政奉還150周年記念 アートアクアリウム城 ~京都・金魚の舞~』が二条城で開幕した。京都での開催は2年ぶり3回目。世界遺産の元離宮二条城内で一般非公開エリアである二の丸御殿中庭・台所前庭・台所を会場に、通常は入城できない午後5時から開催している。昨年、誕生10周年を迎え、累計790万人が魅力された同展覧会で唯一の野外展示で、過去最大級の展示規模を誇る。場内には展示のほかステージや着付け所、京都の地酒や和菓子が飲食できるスペースを設け、京都らしい趣向で国内外の来場者を出迎える。開会式には「金魚も京都も大好き!」と話す広報大使の上戸彩が駆けつけ、アートアクアリウムアーティストの木村英智とミニトークショーを行った。初日の模様をレポートする。
上戸彩❌木村英智開幕ミニトークショー開催!
トークショーは新作「水戯の舞台」で開催された。金魚や錦鯉が泳ぐ全長7mの巨大な縦型水槽と全長8mの平型水槽を、舞台の背面と床に用いたアートアクアリウム史上最大規模の複合作品だ。そこへ木村英智デザイン監修の着物姿で登場した上戸彩。西陣の名作家山口伊太郎氏による金帯「糸菊」をはじめ、身に付けた藤色の着物は、京都の伝統的工芸品である「京鹿の子絞」の代表的な技法を駆使した総絞りの逸品。上戸は普段、仕事で着物を着用することが多いと語り、「撮影では明るく淡い色調が多いので、ここまでシックな着物は初めて。着物を着るたびに日本人で良かったなと実感します」と感激した様子。ちなみに、京鹿の子絞の形状は「ピンポンパール」という名称の金魚のうろこに形がそっくりなんだとか。展覧会場では西日本初登場となる、江戸切子を用いた作品「キリコリウム」などで実物を鑑賞できる。
左:木村英智 右:上戸彩
木村からお気に入りの作品を聞かれた上戸は、同展覧会の看板作品「花魁」と即答。「しかも今年は進化した『超・花魁』も展示されていて、同会場ならではの野外展示にも感動しました」。「超・花魁」は透明な金魚鉢のような造形で最大直径5.6m、高さ3.5m、水量は「花魁」の約3倍以上! 遊女に見立てた約3,000匹もの金魚が舞い泳ぐ、西日本初登場となる目玉作品だ。さらに上戸は、江戸切子の技を用いた作品「キリコリウム」も見所のひとつに挙げる。「江戸切子は海外の方にも好まれると聞いたので、海外の方にもたくさん二条城に足を運んで頂きたいですね」。すかさず木村が「先日、この展覧会を見るために来日したという台湾人観光客の方に握手を求められました」と話すと「アジアの代表的なイベントになるといいですね」と上戸。最後は「二条城の台所など、普段は入ることができない場所で、今年はお酒や抹茶、和菓子を堪能しながら鑑賞できるなんて最高じゃないですか。着物の着付けサービスも新たに始まりましたので、ぜひ海外の方にも着物姿でたくさん記念撮影をして欲しいなと思います」とアピールし、トークショーを笑顔で締め括った。
全15種の野外“金魚アート”を殿様気分で鑑賞しよう!
大政奉還150周年記念アートアクアリウム城
江戸時代より400年以上の歴史を持つ世界遺産が会場とあって、元離宮二条城の入口「東大手門」からして迫力満点! 夕方からライトアップされた白亜の城壁は一段と荘厳さを漂わせ、夜の展覧会ならではのワクワク感を早くも盛り上げる。東大手門の屋根は本瓦葺の入母屋造り、石垣と石垣の間に渡櫓を渡した3mはゆうに超えそうな櫓門を潜れば、一気に15代徳川慶喜将軍の時代へとタイムスリップした気分。ザクザクと砂利を踏み鳴らし、ずらりと道行きを照らす行灯を頼りに暗闇を進むと、会場入口へと到着する。
大政奉還150周年記念アートアクアリウム城
早速、普段は非公開の二の丸御殿中庭へ。一歩足を踏み入れた瞬間、月夜に浮かぶ国宝6棟が連なる御殿の迫力にまず圧倒された。場内にはかすかに香が焚かれ、インストゥルメンタルな音楽が流れる。御殿手前には虹色に変化する水槽「ボンボリウム」が幾つも配置され、幻想的な光景に場内のあちこちから感嘆の声があがる。小型の行灯「雪洞(ぼんぼり)」を模した水槽に近寄ると、水中にはそれぞれ一匹ずつさまざまな金魚が、泳ぐともなくたゆたっていた。視線を上げると開けた視界の向こうに、無数のアート作品が点在しているのが見てとれる。虹色に輝く星空のような光景だ。
大政奉還150周年記念アートアクアリウム城
本展で鑑賞できる“金魚アート”は全15種。中でも、注目したいのが新作「大政奉還屏風絵図」。屏風型の水槽にプロジェクションマッピングを投影したもので、動く日本画と金魚とのコラボレーションが楽しめる。テーマの異なる3つの屏風が場内に点在し、それぞれ「江戸末期」「明治初期」「近代文化」の日本画が投影され、大政奉還がもたらした美の変遷を鑑賞できるストーリー性のある趣向だ。また、伝統工芸の九谷焼や江戸切子の大鉢を使った「九谷金魚品評」「キリコリウム」、そして「超・花魁」がそれぞれ西日本初登場。順路通りに進むと「超・花魁」の前に、同展覧会の看板作品「花魁」が先にお目見えする。巨大金魚鉢の中を約1,000匹の金魚が泳ぐ様も圧巻だが、続いて現れる約3倍に進化した「超・花魁」は、観ているこちら側が水槽の中に引き込まれそうな迫力がある。この感覚は、ぜひ現地で体感して欲しい。

大政奉還150周年記念アートアクアリウム城

世にも珍しい作品の数々に見入っていると、夜間はとくに冷えるので防寒対策は万全に。加えて、台所前庭に設けた「夜祭BAR」で地元の名だたる5つの蔵元が提供する地酒(日本酒の京風だしわり税込1,000円ほか)に舌鼓を打つのも一興、身体が芯から温まる。肴には京つけもの「大安」から新鮮な季節の漬け物(3個500円)や、アツアツの京風おでん(盛り合わせ3個1,000円)が美味しい。お酒が苦手な人は「お茶席」へ。京都の老舗ブランド3店がコラボしたオリジナルのセットメニューで「老松」の生菓子、「亀末廣」の干菓子、「福寿園」の金箔入り宇治抹茶と朝露ほうじ茶がいただける。
大政奉還150周年記念アートアクアリウム城
展示作品を遠くから眺めたり、近くに寄って多種多様な金魚の造形に「これそのものがアートだな!」とうなったり。一服しつつさらに歩みを進めると、最後に現れるのが冒頭のトークショーにも使われた新作「水戯の舞台」だ。ここでは、設えとともに夜毎華麗な舞踊公演が楽しめる。11月は大衆演劇「劇団荒城」の花形・荒城蘭太郎による特別公演『金魚の舞』を。木村英智デザインによる着物や同展覧会の看板作品「花魁」をテーマにした演目もあるというから、詳細はサイトをチェックしよう。

大政奉還150周年記念アートアクアリウム城

ほかにも、数量限定で販売される特別チケットを買えば、長蛇の列を横目に優先入場できる上、重要文化財「台所」にて着物着付サービスを体験でき、さらに台所の特別フォトスポットでの撮影もOKというから、チェックしない手はないかも。もちろん、着物は京都の伝統技法が集結した本物の正絹で、最高級の「菊コース」を筆頭に全3コースから選べる。それぞれのお好みで観て、食べて、体験できる、京都の古城でスペシャルな夜を過ごしてみてはいかがだろうか。
取材・文=石橋法子 撮影=河上良
イベント情報

大政奉還150周年記念『アートアクアリウム城 ~京都・金魚の舞~』
■会期:2017年10月25日(水)~12月11日(月)<会期中無休>
■開催時間:17時~22時(最終入場 21時半)
■会場:元離宮二条城<二の丸御殿中庭、台所前庭、台所>
■入場料(税込):【当日】中学生以上・一般1,500円、4歳以上・小学生以下1,000円、3歳以下無料 【ドリンク付きペア券】20歳以上・2名分4,000円 【シニアペア券】シニア・2名分2,600円 ※その他、各種企画チケットあり
■問合せ:ハローダイヤル:050-5542-8600(12月12日(火)、8時~22時まで)
◎主催:京都市、アートアクアリウム城実行委員会
◎企画制作:アクアリウムクリエイターズオフィス
◎総合プロデュース:木村英智(アートアクアリウムアーティスト)
◎後援:世界文化遺産地域連携会議、歴史街道推進協議会、セイラーズフォーザシー

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