blue but white『miss you』【もした
った1曲で姿を消したとしてもこの曲
が残るなら】
それでもわずかばかりの人が、なかったことにしたいことばかりで今に至る自分のそばにいて。特別な喜びに満ちている訳でもないけれど、特別な不幸に怯えることもなく日々が続いている。そういうのを、僥倖というんじゃないだろうか。
miku sawaiという人の歌声がとても切なく響いてくる。シンプルな言葉を、男性ボーカルを薄く重ねることでとても立体的に押し出している。沢井美空として歌っていたかつての声とは全然違う印象を生み出している。このblue but whiteというユニットがどういうものなのかはまだ謎が多い印象なんだけど、背景とか将来に向けての戦略とか、そんなことを考えずにただこの曲だけを聴いて、良かったと思える。表現者の継続性というものを大切に感じる方だが、それでも、もしたった1曲で姿を消したとしてもこの曲が残るならそれはそれで良いんじゃないか、という曲はあるんだとも感じるのだ。
(2017.9.8) (レビュアー:大島栄二)
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