Photo:Kazumichi Kokei

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【ホステス・クラブ・オールナイター
ライブリポート】St. Vincent

ステージに置かれた台の上に一人で立ち、ギターをかき鳴らす。控えめに言って、圧巻であった。セイント・ヴィンセントこと、アニー・クラーク。「これはジャパンオンリーの特別なショーです」と、彼女が(日本語で)言っていたように、実験精神に溢れたパフォーマンスが展開された。新曲も多めであったが、これまでに発表された楽曲も容赦のないアレンジが加えられていた。4つ打ちの凶暴さたるや。『Birth In Reverse』はまだしも、『Rattlesnake』にまでバッキバキなビートを刻んでしまう大胆な試み。これがまたカッコイイのである。プロダクションとしてケチのつけようがない。実験性を持ちながら、エンターテイメントとしても優れている。
さらに、アニー・クラーク女史はギターの腕も確かだ。エッジの効いたカッティングに、巧みなペダルさばき。前々から高い技術を持っていたけれど、ちょっともう異次元の領域に達しつつある。その上ギターをかき鳴らす姿も絵になるという、完全無欠ぶり。
そしてアンコールには、今年の6月に発表されたシングル『New York』を。この日のセットリストを一つの物語として考えた場合、これほど「大団円」という言葉がピタリと来るものはない。ピアノの旋律とコーラスが果てしなくドラマチックだ。音源がリリースされた時点で拍手喝采であったが、アルバムはさらに上を行きそうである。またしても傑作が生まれそうな予感。

Photo:Kazumichi Kokei Text:AndMore!編集部

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