【ライヴレポ】DISH//、対バンツアー
のファイナルはアツアツ!BiSHとの一
夜限りのコラボステージも披露!!

対バンライヴの魅力は、一方のバンド(グループ)が持つ良さが、もう一方のバンドのファンにも伝わり、それが相乗効果となって、会場の一体感が高まるところ。まさに、4日のZepp Diver City Tokyoは、その魅力が詰まっていた。
「僕は今、最高に楽しいです。いやね…アツい!BiSHさんがアツアツにしてくれたからだと思うんですけど…マジでアツいです!今日はね、ボーカルの僕から言わせてもらうと、メンバー内もアツアツです。もうみんなテンション上がっちゃってね。いいライヴが出来たって今、確信しています」と、ボーカルの北村匠海が残り3曲になった時に力強く言った言葉。真っ直ぐに語ったこのメッセージがこの日のすべてを表している。
DISH//の対バンツアー『DISH// やる気マンマン2マン TOUR』は、大阪ではOKAMOTO’S、名古屋ではBOYS AND MENとともに開催。最終公演となる東京は、BiSHを迎えて行われた。そのBiSHのライヴに続く形でDISH//が登場。「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント~」で幕を開ける。橘柊生がステージ前に走り出て、観客をリードし、DISH//初体験の人でもグッとステージ上との距離を縮めることができる形を作る。両手を左右に振り、サビではヘッドバンキングで盛り上がる。ベースの小林龍二が下手(しもて)側、ギターの矢部昌暉が上手(かみて)側だが、その立ち位置を入れ替わり、挨拶代わりとばかりに会場の奥のほうまで意識を向けているのが伝わってくる。さらに、「サイショの恋~モテたくて~」では、龍二がドラムの泉大智に近づき、アイコンタクト。メンバー同士での高まる気持ちを確認し合っているかのようだ。
「BiSHさん、めちゃくちゃファンクでカッコ良かった。清掃員(BiSHのファンの総称)のみなさんも、スラッシャー(DISH//のファンの総称)になって盛り上がって」と柊生が呼びかけると、匠海は、「BiSHさんには、以前、プロレスのイベントでご一緒した時に“いつか対バンさせてください”って言っていたんです。念願叶って、とても嬉しいです」と語り、さらに「久々でした。人のライヴを観てアドレナリンが出て吐きそうになったのは。マジで吐きそうでした、凄すぎて。それに負けないライヴをするしかないな、と今思っているんですけど、やるからには勝つ気で、精いっぱい頑張ります」と言い放った。
とはいえ、「精いっぱい頑張る」というDISH//のベクトルは一辺倒ではなく、プレゼンテーションが実に多彩。例えば、楽器を置き全員で踊り、ボーカルを入れ替わりながら盛り上げる「JK//」では、曲中、DISH//が客席に向かって「よろしくお願いします!」と告白すると、会場全体で「ごめんなさい!」とレスポンスする。スラッシャーも清掃員も巻き込んで、参加感を高める。また、「虹のカケラ」では、叩きつけるような力強いサウンドを響かせる中、小刻みなクラップが迫力を増し、いつの間にかスラッシャーも清掃員も一体化。さらに、ミラーボールが回る「Loop.」では、5人が楽器を離れ、ステップを踏み、チルな雰囲気のパーティ感溢れる展開に持っていく。<気づいてる? あのさ そういうのじゃないはずじゃん あーもー>という会話のような歌詞が響き、思い思いに体を揺らして、心地良さを共有する空間にしてみせた。
そして、この「Loop.」の曲終わりで、冒頭で紹介した匠海のコメントに繋がる。「いいライヴが出来たって今、確信しています。あと3曲ぶっ通しでいくので、声出して、こぶし挙げて、ジャンプしていきましょう!」テンションが上がりまくり、それを抑えつつ、でも抑えきれない想いが溢れ出ている。
ラストスパートの「JUMPer」では、ドラムの大智の前で匠海、昌暉、龍二がヘドバン。ギターの響きを刻み込み、振り絞るパワーが注がれる「皿に走れ!!!!」は、「突き抜けてやれ!!」と匠海がこぶしを前に突き出し、「今日は一度きりだろう!?」と観客を鼓舞する。そして、ラストの「愛の導火線」では、曲の最後で、龍二がこの空間を楽しむように見渡し、昌暉がより一層激しくかき鳴らし、大智が立ち上がりながらドラムを叩き、柊生が最高の笑顔を見せ、匠海が振り絞るように声を届けラストを迎えた。
燃焼しきったように一瞬静寂になったところで匠海が「正直、見たいでしょ?」と投げかけ、BiSHを再び呼び込み、スペシャルコラボへ。匠海が「この場を借りで言わせてもらうと、ウチに猛烈なBiSHファンがいまして、清掃員があそこにいるんです」と柊生のほうを見ると、「僕、大丈夫なんで(笑)」と本気の照れモード。その柊生の熱いリクエストもあり、BiSHの代表曲のひとつ、「オーケストラ」を2組で披露。DISH//の演奏による「オーケストラ」は、より生の迫力が生まれる。曲の最後には、龍二がBiSHのポーズをアウトロでさりげなく入れていたのも見逃せなかった。そして、最後は、DISH//の「東京VIBRATION」をコラボ。会場全体でタオルが振られ、ボーカルにBiSHが加わる展開。最後には柊生が観客側にダイブ。この日しか見ることのできない特別な瞬間の連続となった。
熱狂の時が終わり、最後は11人が横一列に並び、「以上DISH//とBiSHでした!」と声を揃え一礼。満足感いっぱいの表情で客席に手を振り、この“アツアツの”ライヴは幕を閉じた。
文/田部井徹

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