取材:石田博嗣

バンドが激しいものを求めていった

以前のインタビューで“ハードロックやヘヴィメタルが好きだったんで、そういう90年代には使われなかったものを、どんどん使っていく”と語ってましたが、まさにニューアルバムはそれがそのまま形になったような印象でした。やはり、アルバム用の曲を作っている時から意識していたのですか?

意識はありましたね。バンドやる前に聴いてた音楽が、結局今になって戻ってきたんですね。ハードなやつ、オルタナティブやパンクとか、メタルとか、ジャンルは関係なく、もともとシンプルな楽器構成のロックが好きで、しかもシンプルな構成の中で面白いことをやってるのがいい…それがそのまま出たというか。あと、どんどんバンドが激しいものを求めていったって感じです。自分のバンドの骨となる部分は、力強い、ハードな方向を向いてる気がする。ハードな質感だけど歌はちゃんと歌になってる、みたいな。

サウンドが尖っている分、メロディーがやさしかったり、憂いを持っているような印象もあったのですが。

自分的にはメロディーの作り方はそんなに変ってないけど、尖ったものの上に乗っけたから、逆にメロディーが目立つようになったのかな。その対比は面白いと思う。激しいものと優しいものが一体になってるとか、暗い曲に明るい歌詞が乗ってるとか、その逆とか…そんな逆説を使った曲って前から好きですね。

あと、バンドの芯がさらに強くなってると感じました。音数が少なくても物足りなさを感じないぐらいに、バンドがタフになってることは実感していました?

さすがにバンドもタフになりますね。実感はあります。音数が少ないからこそカッコ良いってなるように、特にリズムに関しては結構こだわってます。その分、注文は激しくなるけど(笑)。ドラムがカッコ良かったら、だいたいOKだから。

今回のレコーディングはどんな感じでしたか?

1年間で4回ぐらいに分けて録ったな。3、4曲を作っては録り、って。でも、内容についてはいつもと同じやり方ですね。3人でまず一発録りして、他のギターや歌を重ねていくっていう。

緊張感やライヴ感、生々しさは重視してました?

緊張感はあるけど、ライヴ感を意識しようとかはなかったです。マスターに落とす時、僕らはアナログのマスターテープに落として、アナログ特有のやさしさや音の広さを出すようにしてるんですよ。その方がバンドに向いてるし、逆にモダンな感じにもなるんで。

「レイジー・ベイビー」の4つ打ちはチャレンジのひとつ?

あれを作った頃、アルバムの曲もそろってきてたから、その中にない感じなものを作ろうとはしましたね。その時期CSSとかよく聴いてたから、その影響はあったかも。でも、昔から4つ打ちは大好きだし、今回のアルバムにも使ってる曲が多いですね。ただ、そこら辺にあるような使い方をしてないだけで。凡庸な感じでフィーチャーさせるのは次の作品かな(笑)

そんな本作ですがですが、約45分でザックと聴ける、DOESとしてのロックアルバムができたという感じですね。

やりたいこと、イメージしてたことはかなりできたと思う。シングルカットされてる曲がシングルじゃないような響きをするくらい他の曲が強い…1曲1曲を全てシングル級の意気込みで作ったから、そうなったんだと思いますね。シングルカットにとらわれずに聴けることが聴きどころかな。なんか、僕たちとしてひとつのフラグが立てれたと思います。ちょっとこのへん基本にしてみるか、と。いいもん作れたかな、と。
DOES プロフィール

ドーズ:2003年に結成。福岡での活動が都内のメジャーレーベルプロダクションに知れ渡り、06年にシングル「明日は来るのか」でメジャーデビューを果たす。翌年リリースした「修羅」がテレビ東京系アニメ『銀魂』のエンディングテーマとして起用され、オリコン初登場9位を記録し注目を集めた。また、圧倒的なライヴパフォーマンスの評価は高く、『ARABAKI ROCK FES』『ROCK IN JAPAN』『RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO FES』等、各地大型フェスの常連となっている。DOES Official Website
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OKMusic編集部

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