【Sweep】
取材:道明利友
いろいろな気持ちに合う音楽が“Good
Music”
初のフルアルバムということで、まずは率直な感想を聞かせてください。
僕はもともと、親父が本牧にあるアポロシアターで仕事をやっていたこともあり、小さい頃からブラックミュージックと触れ合える環境だったので、自然とそういう音楽が好きになりましたね。中学ぐらいからヒップホップを聴くようになって、それと並行してR&Bやソウルが大好きになったので、歌とラップを両方やっていた時期もありました。マイケル・ジャクソンが大好きだったので、ダンスもやってるんですけど、そういったアーティストやブラックミュージックへの自分なりの愛情が、今回のアルバムでは表現できたんじゃないかなと。
確かに、ブラックミュージックとダンスミュージックが大きな枠としてあるのですが、その中ですごく多彩なアプローチに挑戦している印象もありました。
そうですね。タイトルチューンの『I’m READY』は普段も仲良くしてるT.S.K.をフィーチャーした、ゴリッとしたヒップホップのエッセンスが入った曲だったり、DJ WATARAIさんと一緒に作った『Jump Around』は今までにない結構エレクトロでアッパーな感じですし。これはめちゃくちゃ乗れるものにしたら面白いかなっていうので、どんどん進めていきました。でも、自分的にはまだまだいろんなことをやりたいんですよね(笑)
シンガー、パフォーマー、作詞作曲、プロデュース…現時点でもひとりで何役も十分こなしてると思いますが、本人的にはまだまだだと?
はい(笑)。スティーヴィー・ワンダーにしても、プリンスにしても、自分で楽器を弾いて制作全部をやっちゃうじゃないですか。あれが究極だと思うんですよね。あと、パフォーマーというか、エンターテイナーとしての究極のひとつは、やっぱりマイケル・ジャクソンだと思うんですよ。そのマイケルの作品の多くは、音楽プロデューサーであるクインシー・ジョーンズとのタッグでしたよね。そのくらいの高みまで自分が行けるかどうかは、また別として…“マイケルとクインシーがひとりに同居してれば素晴らしい!”っていうような話です(笑)
そんなSweepさんが思う“良い音楽”の条件とは、一体どんなものですか? “Good music,Good vibration”っていう曲名も、今回のアルバムでは印象的ですが。
自分が聴いて気持ち良いものっていう、単純に言えばそれだけですけどね。気持ち良いものって、シーンに応じていろいろあると思うんですよ。とにかく楽しくなれる、ハッピーになれる、そういうことだけが“Good Music”ではなくて…いろいろなシーンの気持ちに合う音楽が“Good Music”なんじゃないかなって。例えば、今作の『Call my name』は日曜日の夕方とかに映えそうな感じだし、『Good day to you』は晴れた日のお昼の散歩に似合う雰囲気かな(笑)。“切ない時に聴きたい曲”、“楽しくなりたいからこの曲を聴く”みたいな、それぞれのTPOに合ったもの。その瞬間瞬間に欲しいサウンドっていうのが“Good Music”だと思うんで、このアルバムもぜひそういう感じで聴いてもらいたいです。
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