L→R ササキジュン(Gu)、青山友樹(Dr)、きみコ(Vo&Gu)、アベノブユキ(Ba)

L→R ササキジュン(Gu)、青山友樹(Dr)、きみコ(Vo&Gu)、アベノブユキ(Ba)

【nano.RIPE】デビューから5年分の“
こたえあわせ”が詰まったアルバム

ジャケは児童文学書の表紙をイメージ 
歌詞カードにもそういう挿絵が入ってい

さらに「空飛ぶクツ」という曲があって。これは新曲ですけど、タイトルはインディーズ時代の作品に由来していますよね。

リハスタで何となく3人が演奏しているのを見ていて、ふと「色彩」という曲が浮かんで、「色彩」のアンサーソングにしようと思ったんです。で、その「色彩」が収録されていたのが、インディーズ時代の『空飛ぶクツ』というミニアルバムで。すごく気に入っているタイトルだし、じゃあそのまま付けちゃおうって(笑)。

「色彩」はどういう曲だったのですか?

未来に気持ちを馳せた曲でした。当時は1カ月半の車中泊でツアーを回っていて、銭湯は3日に1回で、ライヴハウスの洗面台を借りて髪を洗ったりしていて。しかも、お客さんがひとりとかゼロの日もあって、本当にしんどかったんです。そんな日々をいつか笑い飛ばせるようになってやる!と歌っていました。で、その時に夢見た未来というのが、きっと今なのかなって。当時のことを知っているお客さんなら、あぁ〜って思うような言葉をたくさん散りばめています。

今回はカバーもありますよね。声優の伊藤かな恵さんに提供した「ルーペ」のセルフカバーとスピッツの「ホタル」。

かな恵ちゃんはアニメ『花咲くいろは』で主人公を演じていた声優さんで、主題歌などをやらせていただいたご縁で仲良くさせていただいています。かな恵ちゃんと私は負けん気が強かったり、頑固だったり、似ているところがあるんですね。なので、昨年この曲を提供させていただいた時、nano.RIPEでも歌いたいと思っていたんです。スピッツさんもカバーしたい気持ちはずっとあったけど、やるタイミングがなかなかなくて。でも、今回いろいろ挑戦する中で、この2曲にチャレンジするのも良いなと思ったんです。

もともとnano.RIPEはスピッツから影響を受けていましたからね。

なので、歌いたい曲がたくさんありすぎて、どれをカバーするか本当に迷いましたが、あえてnano.RIPEに近い曲を選んで、それをよりnano.RIPEに近づけることにチャレンジしました。やって分かったのは、コードはほぼ4つで成り立っていて、ギターを覚えたての子でも弾ける簡単なコードのシンプルさなのに、こんなに素敵な曲ができるんだ!と、改めてスピッツさんのすごさを感じました。

nano.RIPEの過去の楽曲やルーツなど、いろんな“ヒミツ”が隠されているアルバムになりましたね。

1曲目の「こたえあわせ」に限らず、このアルバム全体が今までのnano.RIPEに対するアンサーソングであるし、ある種の“こたえあわせ”になっているなと思います。一旦ここで答え合わせをして、また新たに問いを投げて、そこから再出発をしようという一枚になったと思いますね。

“七色眼鏡のヒミツ”というタイトルも物語の題名みたいで素敵ですね。

まさに本みたいにしたいと思って。前作『涙の落ちる速度』のジャケットは絵本のイメージでしたが、今回は児童文学書の表紙をイメージしています。歌詞カードもそういうイメージの挿絵が入っていて、素敵な仕上がりです。

ジャケットのイラストの望遠鏡を覗いている猫はきみコさんで、鹿とカエルは?

私は猫を飼っていて、猫好きで有名なので猫。カエルはアベ(ノブユキ)です。カエルが好きですごく詳しいし、ファンからもカエルグッズをよくもらっています。鹿はジュン。デビュー当時、子鹿のネックレスをよく付けていたんで。

ドラムの青山友樹さんは?

どんぐりです(笑)。鹿の隣に小さくいるんですよ。ジュンが付けたあだ名で、“友樹ってフォルムがなんだかどんぐりっぽい”と言ったのが、ファンの間に広まって(笑)。

(笑)。そんなアルバムを引っ提げて、4月から47都道府県ツアーがスタートしますが、タイトルの“47.186”はどういう意味ですか?

初日の4月8日からファイナルの10月10日まで186日間なんです。それで、フルマラソンの42.195キロメートルになぞらえて“47.186”にしました。47都道府県を186日かけて完走します!というイメージですね。

ツアーと言えば、『七色眼鏡のヒミツ』のラストに収録されている「有色透明」という曲名は、昨年に行なわれたツアーのタイトルになっていましたよね。

そうなんです。あの『有色透明ツアー』は各会場2デイズずつ開催したのですが、1日目のオープニングSEとして流したジュンのインスト曲と、2日目のオープニングに流した私のポエトリーリーディングの歌詞をくっつけて1曲にしたのが「有色透明」という曲なんです。そうやって過去と未来をつなげていくのが、nano.RIPEっぽいなと思うんですね。昔の曲を今でも歌えるのがnano.RIPEの強みでもあるし。アーティストさんによっては、昔の曲は恥ずかしくて歌えないとか、気持ちが違って感情移入できないという人もいますが、同じ曲でも全然違った気持ちで歌えるのが、きみコらしいんじゃないかなって思います。だから、昨年のツアータイトルが今作につながったように、もしかしたら“47.186”というキーワードが、次の作品につながっていくかも。その“こたえあわせ”は、また次の機会まで楽しみにしていてください。
『七色眼鏡のヒミツ』2015年04月08日発売Lantis
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • LACM-35481 4212円
    • 【通常盤】
    • LACA-15481 3240円
nano.RIPE プロフィール

ナノライプ:前身バンドを経て2004年にnano.RIPEとなり、地元である千葉・東京を中心に本格的な活動を開始。08年、インディーズレーベルよりミニアルバム『空飛ぶクツ』を発売。草野マサムネ(スピッツ)など多くのアーティストから推薦コメントが寄せられ、話題となる。10年、Lantisよりメジャーデビュー。その後、メンバーチェンジを経て、現在はきみコとササキジュンのふたりで活動を続けている。nano.RIPE オフィシャルHP

OKMusic編集部

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