新生月組お披露目公演「グランドホテ
ル」 絶賛する感想が多い理由とは?

「トレタメ」編集部
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2017年のお正月に幕を開けた、新生月組お披露目公演「グランドホテル」。

名作ミュージカルの再演ということで、前評判も高かった作品ですが、いざ幕を開けると絶賛する感想の嵐です。

若きトップスター・珠城りょうさん率いる月組は、最高の船出を迎えたとも言えますね。

今回は、「グランドホテル」が大好評を博した理由について、


・芝居力
・チームワーク力
・作品のアレンジ
・トップスター・珠城りょう

という観点から、分析してみたいと思います。

月組の”芝居力”の底力を見た「グラン
ドホテル」

出典:©宝塚歌劇団 公式HP 月組公演『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲(ロンド)』より「グランドホテル」は、ベルリンのホテルを舞台にした群像劇。主要な役どころは設定されているものの、いわば「全員が主役」とも言える作品です。宝塚の作品では珍しく、銀橋を使わず、ほとんど舞台上の人が出ずっぱり、という挑戦的な演出も光っています。そして、さすが「芝居の月組」。一人ひとりがハマり役で、見るものを引き込んでいきます。どの役も、「この人でなければ出せない」雰囲気に満ちていて、まるで宛て書きではないかと思うほどです。1人ひとり魅力を挙げるとキリがないのですが、その中であえて感想を言わせてもらうとすれば、愛希れいかさんのグルシンスカヤでしょう。
出典:©宝塚歌劇団 公式HP 宝塚歌劇GALLERY 2017年 月組公演『グランドホテル』より「39歳と39ヶ月」という落ち目のバレリーナ役の違和感の無さ!そして、恋を知ったときのときめく表情。”女優・愛希れいか”の真骨頂です。愛希れいかさんがいたからこそ、男爵・グルシンスカヤを中心にした「グランドホテル」が成立したのではと思います。台詞のない一人ひとりが、グランドホテルでの一日を生きている。そう感じるからこそ、「何度も見たい」と思わせる作品に仕上がっているのでしょう。

圧巻のチャールストンに感動!

「グランドホテル」では、月組の”チームワーク”も強く感じました。まず、グランドホテルの重要な小道具(というより、もはや舞台装置)、椅子。マス目に沿った緻密な移動は、かなり練習時に苦労されたようです。
出典:©宝塚歌劇団 公式HP 宝塚歌劇GALLERY 2017年 月組公演『グランドホテル』より誰が抜けても成り立たない、張り詰めた緊張感の中で舞台を作り上げる姿に感動しますね。フォーメーションが見事なので「2階席から見ると、違った感動がある」という感想が多く見られたのも特徴的だなと感じます。そして、何よりチャールストンの場面!大勢が出演しての一糸乱れぬチャールストンは、「圧巻」としか言いようがありません。組全体のまとまり、集中力を強く感じた名場面となりました。

「グランドホテル」宝塚再演版のアレン
ジが作品の魅力を増す

「グランドホテル」は1989年にブロードウェイで初演され、トニー賞にて5部門で最優秀賞を獲得した作品。宝塚では1993年の初演から、主人公を変更するなど大きな変更を加えて上演されたことでも話題になりました。今回の再演では、トミー・チューン氏を再び迎え、新たな演出も加えられています。
出典:©宝塚歌劇団 公式HP月組公演『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲(ロンド)』> トミー・チューン氏会見よりそして、その宝塚版の演出こそが「グランドホテル」という作品の印象をより深めているのではないかと思います。特に、男爵とグルシンスカヤが踊る「死のボレロ」の場面。トップコンビのダンスを生かしながら、死に向かうオットーの心情が表れた名場面となりました。高難度のリフトは、この2人だからこその振り付けでしょう。そして、物語のラスト。男爵が待っていると信じてホテルを出るグルシンスカヤと、入れ替わるように回転扉から入ってくる”新しい男爵”。新たな人生の始まりと終わりを表現した場面は、宝塚の得意分野でもあります。演出方法によっては、悲劇的に終わってしまう作品ですが、こうして未来への希望と救いを演出してくれるのが、宝塚マジック。切ないけれど、何度でもグランドホテルを訪れたい。そう思えるアレンジが満載の再演なのです。

新トップスター・珠城りょうを中心にま
とまる組の力

「グランドホテル」成功の要因として、新トップスター・珠城りょうさんの活躍も忘れてはなりません。研究科9年目でのトップスター就任とあって、当初は心配する声もありました。
出典:©宝塚歌劇団 公式HP 宝塚歌劇GALLERY 2017年 月組公演『グランドホテル』よりトップスターの重責たるや…とファンが不安に思うのとうらはらに、トップスターになってからの珠城りょうさんは、のびのびとされているように見えます。スカイステージのコーナーで、貴千碧さん・咲希あかねさんが珠城りょうさんを突撃インタビューするというコーナーがありました。そこでは、・いつも真面目で「しんどい」と言わないお人柄・小道具さんや大道具さんも「珠城のためなら」と一生懸命になってくれる・パレードはお客様への感謝の場であり、皆への感謝の場でもあるというエピソードも話されていました。上級生に甘えながら、下級生に背中を見せながら、周りへの感謝を忘れず、真面目に役へと向き合う姿が、月組の要となっていることがよく分かりますよね。カリスマ性のあるタイプのトップスターではないかもしれませんが、だからこそ、組のまとまりを強く感じるのかもしれません。珠城りょうさんのトップスターとしての魅力に、「グランドホテル」大成功の一因を見た気がしました。

「グランドホテル」の勢いそのままに、
新生月組から目が離せない

出典:©宝塚歌劇団 公式HP 月組公演『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲(ロンド)』より「グランドホテル / カルーセル輪舞曲」で多くの人の祝福の元、走り出した新生星組。大きく変わった組の体制を不安視する声もありましたが、良い意味で期待が裏切られ、「安定」「充実」「若さ」が共存する魅力的な組となりました。次なる舞台は、博多座公演「長崎しぐれ坂」と、美弥るりかさん主演「瑠璃色の刻」。「グランドホテル」とはまた違った月組メンバーの一面が見られそうです!7月からは小池修一郎先生の新作ミュージカル「ALL FOR ONE」も上演する月組。新トップスターのもと、さらにチームワークを増す月組から、目が離せそうにありません。著者:海野りんご

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