『勧進帳』を上演する木ノ下歌舞伎と
は?~演劇談話室「幕間」vol.5 【動
画】



木ノ下歌舞伎は、歴史的な文脈を踏まえつつ、現代における歌舞伎演目上演の可能性を小劇場のフィールドから発信する団体である。あらゆる視点から歌舞伎にアプローチするため、主宰の木ノ下裕一が指針を示しながら、さまざまな演出家による作品を上演するというスタイルで、京都を中心に2006年より活動を展開し、今年で10周年を迎えた。

今回上演の『勧進帳』は、歌舞伎十八番の一つとして上演回数の高さからもその人気が伺える、歌舞伎の代名詞的作品だ。木ノ下歌舞伎では2010年に杉原邦生(プロデュース公演カンパニー“KUNIO”の主宰者でもある)の演出で初演。一般的には「義経一行による安宅の関所越えを描いた忠義の物語」とされる本作を、<関所=境界線>として読み解き、国境・現在と過去・主と従・観客と舞台……といった現代社会を取り巻くあらゆる<境界線>が交錯する、多層的なドラマへと再構築した。木ノ下歌舞伎が<歌舞伎の様式>をより深く掘り下げ作品化していく出発点となり、現代演劇の手法で古典の可能性を探る木ノ下歌舞伎にとって、記念碑的な作品となった。

なおSPICEでは動画コンテンツ「演劇談話室 幕間」に、木ノ下歌舞伎の関係者の方々を招いてトーク番組を収録した。「木ノ下歌舞伎って何?」という人に、大変わかりやすい内容となっている。出演は、木ノ下裕一、杉原邦生(『勧進帳』演出)に加え、糸井幸之介(『心中天の網島』で演出・作詞・音楽を担当)、武谷公雄(木ノ下歌舞伎出演率高いフリー俳優)という豪華な顔ぶれ。聞き手はBITE編集長の園田喬し氏。是非ご覧いただきたい。


公演情報『勧進帳』

■演出・美術:杉原邦生
■出演:リー5世、坂口涼太郎、高山のえみ、岡野康弘、亀島一徳、重岡漠、大柿友哉
■日程・会場:
[松本]2016年7月14日(木)〜16日(土) まつもと市民芸術館 小ホール ※終了
[豊橋]2016年10月22日(土)・23日(日) 穂の国とよはし芸術劇場 アートスペース
[京都]2016年11月3日(木・祝)〜6日(日) 京都芸術劇場 春秋座
[北九州]2016年11月19日(土)・20日(日) 北九州芸術劇場 小劇場
■公演情報サイト:http://kinoshita-kabuki.org/kanjincho

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