BABYMETALとは似て非なり!Devil AN
THEM.『覚醒WOW WOW』 マーティ・フ
リードマン★鋼鉄推薦盤

 Devil ANTHEM.は14歳以下のメンバーで結成された、5人組メタル系アイドルユニット。幼い女の子にメタルを歌わせるというコンセプトは、やはりBABYMETALに近い。BABYMETALからSU-METALちゃん(ボーカル)を抜いて、YUIMETALちゃんMOAMETALちゃんを増殖させた感じ、なんて言えばイメージ的にわかりやすいかな?

 でもDevil ANTHEM.とBABYMETALは同じメタルでも大きく違う部分がある。実はサウンド面が180度違う方向に行っているんです。BABYMETALはメタルは現代的なメタルなんだけど、Devil ANTHEM.はどちらかというと80年代的なメタル+現代のアイドルソングをプラスした印象なんだよね。

 たとえば2ndシングル『覚醒WOW WOW』を聴いてみて。曲の冒頭では、ハイパーな音色のシンセサイザーが登場。このシンセサイザーの音色は、AKB48などアイドルソングではよく使われているものだね。その印象的なシンセサイザーを軸に、80年代のポップメタル的や歌謡曲に見られるような歌メロやサウンドが聴こえてくる。そしてその上に乗っているのは、幼くてかわいい女の子たちの声。この組み合わせは、今まであまりなかった手法なんですよ。BABYMETALとは、また別の方法論でメタル路線を突き進んでいるのがDevil ANTHEM.なんですね。

 しかもこの『覚醒WOW WOW』は、イントロに賛美歌としても有名な『アメイジング・グレイス』のメロディが引用されている。リリースが昨年12月だったから、こういうアイデアになったと思うんだけど、これがまたボクのツボに入るところでもありまして。『アメイジング・グレイス』って欧米の定番曲のひとつで、アメリカでは最も愛唱されている楽曲なんです。日本人がスポーツの大会のときに『君が代』を歌ったりするじゃん? あれみたいな感じでよく使われるんだ。実はボクも2013年の年末にウルトラハードコアバージョンの『アメイジング・グレイス』をネットで公開したことがあるんだ。YouTubeで検索してみたら出てくるかもよー。

 ところで日本にはANTHEM(アンセム)っていう大御所のメタルバンドがいるんですけど、それとDevil ANTHEM.ってまさか関係ないよね?


(構成・文/尾谷幸憲 協力/バラン野島)
Marty Friedman
マーティ・フリードマン
ギタリスト、プロデューサー。全米で1000万枚以上のCDを売ったヘヴィメタルバンド「メガデス」に在籍。2004年から日本の音楽シーンでも活躍。ももいろクローバーZ『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』への全面参加。ニューアルバム『インフェルノ』(ユニバーサル)が発売中。

新番組『アイドルお宝くじ』にナレーション出演中
<O.A.情報>
テレビ朝日/毎週金曜日 26:50~
BS朝日/毎週土曜日 26:30~
CSテレ朝チャンネル1/11月7日スタート・毎週金曜日 24:00~

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