きっかけは「クリスマスソングを書い
てくれ」。BUMP OF CHICKENからのメ
リークリスマス!

プロデューサーによるこのオファーが、BUMP OF CHICKENのクリスマスソングの始まりだった。しかし、作詞作曲を担当する藤原基央には強い抵抗感があった。幸せ溢れる楽曲を書ける気が全くしなかったからだ。
そんな経緯で完成した『Merry Christmas』はBUMP OF CHICKEN通算15枚目のシングル「R.I.P/Merry Christmas」に収録されたカップリング楽曲だ。書ける気がしなかったと言っていたことが嘘のように、クリスマスの街中を歩いているような、のんびりしたひと時を見事に演出している。クリスマス、本当は好きでしょ?とツッコミたくなる出来なのだ。
今年のクリスマス、1人のんびりを決め込んでいるアナタ。
彼らと一緒に、クリスマスに浮かれる街を歩いてみませんか?
BUMP OF CHICKEN「Merry Christmas」
演奏時間が7分弱と、非常に長いこの楽曲。この長さは、クリスマスの非日常感とどこか皆、浮足立っている感じの演出とも言える。そこには人それぞれのクリスマスの時間があり、BUMPの場合は演奏のようにゆったりした時間が流れているのかもしれない。
クリスマスというと、1人で過ごすより家族や友人、恋人と一緒に過ごすというイメージが強い。
実際にクリスマス前になると、何とか予定を埋めようとする人が急増する。誰かと一緒にクリスマスを過ごす方が楽しいというのもあるのだろうが、1人は寂しいと思っている人が多いようだ。この楽曲では、ただクリスマスでキラキラ輝く街だけでなく、そんなクリスマスに限って寂しくなってしまう気持ちの答えも綴っている。
“いつもより ひとりが寂しいのは”
“いつもより 幸せになりたいから”
“比べちゃうから”
幸せで溢れかえるからこそ、自分もその中に入りたいという感情が寂しさの源だ。そこに周りが幸せなら、自分はもっと幸せになれるという競争心を煽ってしまうのがクリスマス。自分には自分の過ごし方があるのだと比べなければ良い話なのだが、羨しさや寂しさでごちゃ混ぜになった気持ちを収めるのは中々難しい。だからこそ、誰かと一緒にいたくなるのだ。
自分も幸せなクリスマスの一部なのだと実感する為に。
しかし、この楽曲が言いたいのは周りを羨望のフィルターで見るのではなく、そんな感情も受け止めて優しくなること。どんな形であれ、クリスマスを笑って楽しく過ごせないか、ということである。
楽曲の最後、BUMPが気持ちよく“Merry Chrisymas”と聴く人全てに贈ったように。
皆で笑って過ごせるのが一番なのだから。
TEXT:空屋まひろ

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