【GARNiDELiA インタビュー】
“世界でちゃんと戦えるよ”と
示せる存在でありたい
海外に出れば出るほどアニソンは
日本を代表する文化だと実感する
GARNiDELiAの音楽は遊び心もとても感じます。スマホゲーム『猫之城』主題歌の「猫の城」は面白がりながら作ったんじゃないですか?
MARiA
はい。めちゃくちゃ面白がりました。
コーラスが猫の鳴き声みたいです。
MARiA
『猫之城』主題歌なので、思いっきり猫に寄せたんです(笑)。歌詞は家で待っている猫ちゃんの気持ちになって書いてみました。
猫ならではのツンデレな感じが表現されていますね。
MARiA
やっぱりそこが猫ならではの魅力ですからね。
犬派、猫派みたいなことをよく言いますが、MARiAさんは猫派ですか?
MARiA
犬派です。犬を飼っているので。
ご自宅でこの曲をかけたらワンちゃんが嫉妬するかも。
MARiA
そうかもしれないですね(笑)。
『うちの師匠はしっぽがない』オープニング主題歌の「幻愛遊戯」や『贄姫と獣の王』エンディング主題歌の「ONLY」とか、アニメの曲もストーリーやキャラクターのイメージを踏まえて書き下ろしていますよね?
MARiA
はい。『うちの師匠はしっぽがない』は大正時代の落語のお話なので、言葉遊びをたくさん入れたいと思っていました。『贄姫と獣の王』はヒロインが生贄にされるところから始まる恋という設定が斬新で、歌詞を書く時にいろいろイメージが膨らみました。アニメの曲は原作ファンのみなさんにも好きになっていただくのが宿命だと思っています。“よくぞやってくれた!”と言っていただきたいんですよ。それプラス、原作を知らないみなさんにも曲として好きになっていただきたいと思っています。
toku
その気持ちは大事ですね。
MARiA
原作ファンを裏切らないことで定評のあるGARNiDELiAです(笑)。“このキーワードは外せない”とか、めっちゃこだわっていますから。今まで書かせていただいた全作品のファンになっているくらい入り込んで書いています。
海外でライヴをするとアニメソングの影響力の大きさを実感する機会も多いんじゃないですか?
MARiA
本当にそうですね。中国のテレビ番組でも出演者同士で“あのアニソンが好き”っていう話によくなります。海外に出れば出るほどアニソンは日本を代表する文化だと実感しますね。日本人が思っている以上の浸透率なんだと思います。
書き下ろしの新曲も独特な作風が発揮されていますね。「QUEEN(S) GAME」は女王様気質の主人公が思いどおりにならない恋をしている様子の描写が楽しいです。
MARiA
これもめちゃくちゃ遊びながら歌詞を書きました。ゲーム用語をたくさん散りばめています。恋愛の曲に関しては女友達から聞いた話とか、自分の実体験を交えながら書くこともよくあるんですよね。
主人公になれなかった恋を描いた「フィクション」は切ないです。
MARiA
こういうことってよくあるんじゃないですか? 日本の女性は特にそうなのかも。“負けないで!”っていう感じで書いています(笑)。どっちつかずの態度をとられる恋愛って、十代の子たちも結構しているのかもしれないですよ。
toku
“分かるー!”と思いつつ聴いてくれるのかも。
MARiA
この感じ、すごく分かると思いますね。
tokuさんはMARiAさんがどんな歌詞を書くのか予想できない部分もあるんじゃないですか?
toku
そうなんですよ。僕が曲を先に書いて、そのあとに歌詞を書いてもらうので、どういう言葉が乗るのかいつも楽しみにしています。“えっ!? こっち行ったの?”っていうのもありますし。強い力を持った歌詞が必ず返ってくるので、そこを活かして曲を仕上げたいと思っています。
このふたりのコンビネーションがデビュー10周年を迎えるんですね。
MARiA
そうなんですよね。10年はあっと言う間でした。長く続けたくて始めたユニットではあるけど、“続いたんだな”っていう感じです(笑)。ね?
toku
うん。10年は予想外でした。
MARiA
ジェットコースターみたいな感じがします。中国のみなさんにもこんなに聴いていただけるようになるとはまったく思っていなかったですし。20周年を迎える頃にはアメリカの大きい会場でやっているかも!? 何があるか分からないですよ。
toku
本当にそうだよね。
MARiA
今はアジア中心の活動になっていますけど、“アジアから世界へ!”みたいなのは思っているところではあって。世界に出れば出るほど“日本人のアーティストとしてステージに立つ”みたいな意識が強くなる部分もあるんです。日本人の強みみたいなこともあるから、そこを活かして楽曲を作っていきたいですし、そうするからこそ世界で戦っていけるんだと思っています。日本語の響きも美しいですからね。“世界でちゃんと戦えるよ”ということを示せる存在でありたいです。
取材:田中 大