MYTH & ROID are Tom-H@ck(Producer:写真右)、hotaru(Lyricist、Story planning)、KIHOW(Vo:写真左)

MYTH & ROID are Tom-H@ck(Producer:写真右)、hotaru(Lyricist、Story planning)、KIHOW(Vo:写真左)

【MYTH & ROID インタビュー】
1stアルバムを超える
ディープな世界観を作りたかった

アルバムを携えたツアーだから、
アルバムの曲たちが一番の主役

「RAISON D’ETRE」は“もっとさまざまな出来事や感情を味わって、良いことも悪いことも受け止めて生きていきたい”と歌っていて、物語とリンクしつつも普遍的な歌詞になっています。それは冒頭で物語を朗読するという手法が効いていますね。

hotaru
おっしゃるとおりで、最初に朗読があることで物語の内容を歌詞で説明する必要がなくなって、意味という部分では歌詞が書きやすくなりましたね。最初のイメージでは“ちゃんと説明しないといけなくなるかな?”とか“こういうフレーズを入れないといけなくなるかな?”と思っていましたが、実際に取りかかったら楽でした。

Tomさんは印象の強い曲として「...And REMNANT」を挙げてくださいましたがhotaruさんと同じ曲ですので、もう1曲挙げていただけますか。

Tom-H@ck
全部大好きですが、強いて挙げるとしたら「Tempest-tost」ですね。この曲を作った時は、“楽曲が始まった瞬間に、みんなの心を掴まないといけないな”と思っていたんです。朗読も含めた6トラックのアルバムの中の4トラック目というのは、嫌な言い方をしますが、かったるい場所なんですよね。飽きてくるというか。それを取っ払わないといけなかったので、頭から世界観に惹き込まれるものにしようと思って作った曲なんです。

狙いどおり始まった瞬間に深く惹き込まれますし、ヘヴィネスと美しさを併せ持った世界観も絶妙です。

Tom-H@ck
言われると、確かにそういうものにはなっていますね。Bメロとかは音楽理論的に、ちょっとクラシック寄りになっているし。自分でもいいところに持っていけたと思います。

この曲の歌唱についはいかがでした?

KIHOW
「Tempest-tost」は特に疑問が湧くことなく、自然に歌えたという感じです。思うままに歌いました。

今回は全曲で歌の表情が違っていますが、この曲のような歌い方がKIHOWさんのスタンダードということでしょうか?

KIHOW
いえ、なんて言うんでしょうね…この曲は落とし込むところが見えやすいというか、今まで歌ってきたMYTH & ROIDの楽曲の歌い方に近い印象です。こういう歌い方を部分部分で使っていて、使う頻度が高いという感じですね。
hotaru
歌詞に関しては3曲目の「MOBIUS∞CRISIS」を作って、そのあとが「Tempest-tost」だったんですね。「MOBIUS∞CRISIS」は結構攻撃的というか、怒りだったり、反発するようなメッセージ性が強くて、この曲も流れでいくとそういうものにできたのですが、そうなると強いニュアンスの曲がかなり多くなってしまうので、ちょっと違う方向性で書くことにしたら自分でも予想外のものになりました。今作の中では一番ウェットな歌詞になっていますね。感情をガツンと出していくよりは思索している感じで、比喩的な表現も使ったりしています。

暗示的な歌詞が1曲入っていることも、今作の深みにつながっています。さて、『AZUL』はMYTH & ROIDのまた新たな顔に触れることができる必聴の一作に仕上がりました。そして、同作を携えたツアーも9月から11月にかけて行なわれますね。

KIHOW
今回は『AZUL』というコンセプトアルバムを携えたツアーですので、まさにアルバムの楽曲たちが一番の主役です。なので、会場に入った瞬間から『AZUL』の世界観に入り込めるような演出だったり、いろいろな工夫を用意しています。とにかく会場に来てくれさえすれば、濃厚に世界を感じられると思います(笑)。あとは、頭の3公演はまだアルバムが発売される前なので、ライヴにこられる方は今回の主役となる曲を聴けていない状態なんですよね。ライヴで初めて聴くというかたちになるわけですけど、それはそれで楽しいと思いますし、アルバムを聴いたときと同じような、もしくはそれ以上の感覚になれるようなライヴにしていくので、期待していてください。
hotaru
今回ツアーの演出のほうに僕も少しだけ参加したという経緯がありまして。そういったことに関する知識などがあるわけではありませんが、今回は世界観が濃いアルバムで、それをもとにライヴの演出とかも考えたいということで参加したんです。自分なりのアイディアを取り入れていただいたし、コンセプトに基づいて物語の個々の感情をどうやってライヴの中に組み込むか演出の方々もかなり意識してくださいました。今回のコンセプトが音源としてだけではなくて、ライヴの面でもちゃんと表現されたものになっているので、今までMYTH & ROIDのライヴに来てくださった方にも、また違った方向性を味わってもらえると思います。楽しみにしていてほしいですね。
Tom-H@ck
“非日常感を味わいたいな”ということは生活している中で、みなさんあると思うんですよ。それをMYTH & ROIDでしか表現できない世界観でみなさんと共有できるのが今回のツアーだと思っています。ファンのみなさんと僕たちにしか作れないようなディープな世界を作っていこうという気持ちが、今まで以上に強くあるので、ぜひそれを体感しにきてほしいです。

取材:村上孝之

ミニアルバム『AZUL』2023年10月25日発売 株式会社KADOKAWA
    • ZMCZ-16971
    • ¥2,750(税込)

ライヴ情報

『MYTH & ROID One Man Live 2023 Autumn Tour “AZUL”』
9月29日(⾦) 愛知・名古屋 Spade Box
9月30日(⼟) 岡⼭・IMAGE
10月14日(⼟)  宮城・仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
10月28日(⼟)  静岡・LIVE ROXY SHIZUOKA
11月04日(⼟)  大阪・⼼斎橋 SUNHALL
11月12日(⽇) 東京・渋谷 Spotify O-WEST

MYTH & ROID プロフィール

ミスアンドロイド:インターナショナルで本格的なサウンド、鋭角的でキャッチーなメロディー、圧倒的なヴォーカルパフォーマンスを兼ね備えた日本のアーティスト。ユニット名の“MYTH & ROID”は過去を想起させる“Myth”(神話)と未来を想起させる“Android”を組み合わせた造語。2015年のメジャーデビュー以降、数々の大ヒットアニメの主題歌を手がけ、MV及び関連動画総再生回数は1億5千万回を超える。“感情の最果て”をテーマに、音楽、映像、ビジュアルなど、あらゆる側面から国籍や時代にとらわれない普遍的な人間の感情を描いて世界的な評価を得ており、これまでに20カ国以上でライヴ公演を行なっている。16年に発表した3rd シングル「STYX HELIX、4th シングル「Paradisus-Paradoxum」は2作続けてiTunes Store(JP)総合ランキング1位を記録。また、19年に発表した10th シングル「TIT FOR TAT」のMVは公開から約1年で500万回再生を超え、20年に発表した1st 配信アルバム『Future is Mine』では遂にサブスクリプションを解禁。同アルバムはノルウェーのiTunes Storeアニメトップアルバム1位を記録した他、ニュージーランド、マカオ、イギリス、イタリアなどの世界各国でTOP10にランクインを果たしている。 MYTH & ROID オフィシャルHP

「RAISON D’ETRE」試聴動画

「MOBIUS∞CRISIS」試聴動画

「Tempest-tost」試聴動画

「ACHE in PULSE」試聴動画

「...And REMNANT」試聴動画

OKMusic編集部

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