May J.

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【May J. インタビュー】
「Spread Love」は私にとって
新しいチャプターの1曲目

この先、どんなに
難しい曲がきても大丈夫!

いろんな人が参加してチームでやっていくのは面白いと思います。

そうですよね。だから、“この曲はこの人なんだ!?”って驚きも多いです。初めての方も結構多いですし、“この人と一緒に作ってみたかった!”という方もいますので、私自身が制作をすごく楽しみにしています。それと、毎回ヴォーカルディレクションも違う人にやってもらう予定です。

ヴォーカルディレクションも曲ごとに違うんですか?

はい。「Spread Love」はisseiくんがディレクションをしてくれました。isseiくんはSNSで、jinny&isseiというふたり組で活動しているのをたまたま見つけて、“この人たち、いいなぁ”と思ったのでフォローして、メッセージでやりとりをしたりしていたんです。そしたら、この曲の作詞のクレジットにisseiって書いてあったので、“うわぁ! こんなことあるんだ!?”って(笑)。まだ20代後半で、今の若い子たちの感性…年上の私にはないものを持っているから、そこはいっぱい教えてほしいと思いましたし、私の癖を全部治すくらいの勢いで、がっちりと、みっちりとディレクションしてほしいとお願いしました(笑)。

なんと! 丸投げで?(笑)

はい(笑)。1行ずつ細かくこだわって録りましたね。

人によってヴォーカルディレクションのやり方は違うと思うので、今回もそうだと思いますけど、これから1曲ごとに新鮮な気持ちでレコーディングできそうですね。

そうですね。いつもの自分だったら“これでOK”というラインがあるんです。でも、そこで終わりにしたくなくて。自分のラインを越えることを以前からやってみたいと思っていたんですけど、そういうチャレンジをする機会があまりなくて。でも、今回は新しい人とやる機会も多くなりそうなので、いい機会だと思っています。

今回ではどんな発見がありましたか?

引き算の難しさを知りましたね。ほとんど引き算だったんですよ。ビブラートをかけないで歌うとか、アツさを出さずにクールに歌うとか。そのほうが逆にカッコ良く聴こえるので。

ビブラートをかけると響きが良くなる思いますけどね…。

そう思いますよね。でも、そういうふうにディレクションしてもらって気づいたんですけど、自分でも最近よく聴いているK-POPの曲も実はそう歌っていたりするんです。“こう歌えばこんなふうになる”ということを勉強しました(笑)。

実際に歌ってみることで分かることもあると。

本当にそうです。これは自分では気づけなかったと思います。

歌詞のテーマも含めて、自分と世代が違う人が作ると感覚も違いますからね。この1曲だけでもいろんな経験になったんじゃないですか?

この1曲をディレクションしてもらいながら歌ったことで、“私はなんでもできる!”って思っちゃいました(笑)。それくらい“この先どんな難しい曲が来ても大丈夫!”という自信がつきましたね。

“ドンと来い!”って感じですね。

はい! 徹底してディレクションしてもらったことで、自分自身もより細かな部分に気をつけるようになりましたし、意識を変えられたのが大きいです。“いやいや、もうちょっとできるはず”みたいな感じで向上心が湧き上がります(笑)。

このキャリアで新しい発見ができるというのも貴重な経験ですよね。

常に勉強ですよ。ミュージカルの時はミュージカルの歌い方があるし、歌謡曲をカバーする時は歌謡曲の歌い方があるし、どんなところでも対応できるようになりたいと思っています。“May J.の歌い方”というのが自分自身に定着しちゃっていたので、それをいい意味で一度崩したいという気持ちでした。

デビューして数年の段階じゃなく、十何年もやってきた今だからこそ崩してみようと。

そうなんです。慣れてきた中で変化をつけるのは大変ですけど、とても楽しいです。

そういう意味でもターニングポイントになる楽曲ですね。

はい! 制作中のアルバムもいろんなタイプの曲があって、バラエティー豊かですよ。あえてキーを低くした曲があったりするんですよ。J-POPってサビのキーが高くて印象的という方程式があるじゃないですか。それさえも崩してくれる曲があるんです。今井さんは必ずしもサビは高くなくていいという思考があるみたいで、そういう発見もさせてもらいました。

聴いていて、抜けるようなハイトーンとかが印象的だけど、そうじゃないパターンもあるということを今井さんが提示してくれると。

ハイトーンは耳に残るんですけど、そうじゃなくても耳に残るものがあると知ったので、“じゃあ、それをお願いします!”って(笑)。

今井さんとようやく一緒にできるという体制ができたのは大きいですね。

どれだけその期間で変われるかって。ある意味、合宿みたいな気持ちです。

改めて「Spread Love」はどういう曲になりましたか?

完成したものを聴いて“クオリティー、高っ!”と思いました。また、今の私の心境としては外に広がっていく感じがいいので、みんなが外に出るようになった今の時代にも合っていると思います。

今後はアルバム制作を中心に活動されるのですか?

はい。まずはこのアルバムの制作を無事に終えることからですね。今はそれが最大の目標です。

ご自身の生活の変化もあり、いろいろと実感してくるのもこれからだと思いますから、楽曲の解釈も変わってくるかもしれませんね。

楽曲の目線が変わってしまうかもしれないですね(笑)。アルバムまでに何曲か先駆けてリリースできればと思っていますので、「Spread Love」とは違う曲もアルバムを発売する前に聴いてもらう機会があればなって。なので、引き続き楽しみにしていてください!

取材:田中隆信
取材協力:Amazon Music Studio Tokyo

配信シングル「Spread Love」2023年8月27日リリース rhythm zone
    • ※詳細はオフィシャルHPなどをチェック

ライヴ情報

『May J. Billboard Tour 2023』
※終了公演は割愛
8/27(日) 神奈川・Billboard Live YOKOHAMA

May J. プロフィール

メイ・ジェイ:日本、イラン、トルコ、ロシア、スペイン、イギリスのバックグラウンドを持ち、幼児期よりダンス、ピアノ、オペラを学び、作詞、作曲、ピアノの弾き語りをもこなす。2006年にミニアルバム『ALL MY GIRLS』でメジャーデビュー。14年公開のディズニー映画『アナと雪の女王』の日本版主題歌(エンドソング)を担当。同年の第65回NHK『紅白歌合戦』に初出場。15年1月には自身初となる、日本武道館の単独公演を開催。18年7月、累計100万枚を突破したカバーシリーズ最新作『Cinema Song Covers』をリリース。21年、15周年イヤーにはyahyelの篠田ミルをプロデューサーに迎え新たなプロジェクトを始動させ、同年12月に4年振りに9枚目となるオリジナルアルバム『Silver Lining』を発表。22年11月に6作目のカバーアルバム『Bittersweet Song Covers』をリリースし、12月に『May J.azzy Christmas Billboard Live Tour 2022』を開催。23年8月に配信シングル「Spread Love」を発表した。May J. オフィシャルHP

OKMusic編集部

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