『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA

『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA

石原夏織、
過去最多曲数を披露した
アーティストデビュー5周年ライブの
レポートが到着

8月6日、石原夏織が東京・LINE CUBE SHIBUYAにて『5th Anniversary Live -bouquet-』を開催。この日は彼女にとって30歳のバースデー。2つのメモリアルが重なった公演だけに、開演前から会場は異様な熱気に包まれていた。そこで、ここでは気になるセットリストも含め、未だ興奮冷めやらぬ当日のライブの模様を余すことなくお届けする。

石原夏織にとって初の生バンドでのライブとなった今回。オープニング映像ではこれまでの5年間の軌跡をたどるMVやライブ風景が映し出され、その後、バンドが奏でる重厚なサウンドに押し出されるようにステージに姿を現すと、代表曲の1つである『SUMMER DROP』でいよいよライブがスタート。青空のようなブルーの衣装に身を包んだ彼女は、「みんな、会いたかったよ―!」と叫んだあと、気分を一気に最高潮へといざなう歌詞とメロディで、会場を夏色に染め上げていく。驚かされたのは、バンドに負けないファンのコールだ。久々の声出し解禁となったことで、続く『Cherish』や『ポペラ・ホリカ』でも石原のアグレッシブなダンスと観客の熱い声援が渾然一体となり、早くも会場が一つになっていく様子が感じられた。

そんな熱気に彼女も圧倒されたのか、最初のMCでは「懐かし〜!みんな、いい声してますね!!」と笑顔を向ける。また、30歳のバースデーと5周年のアニバーサリーを祝うファンからの声援を受け、「私のことなのにこんなに皆さんが喜んでくれて、心がほっこりします」と感謝の思いも伝えた。その後は、「生バンドになったことで、より素敵になった曲たちが続々と待っていますよ!」とファンの期待を煽ると、リリースしたばかりの新曲『Paraglider』を初披露。オリジナル音源でも高揚感のある楽曲だが、バンドアレンジになり、さらに力強さと壮大さが増していく。また、ステージ上にシャボン玉が飛び交う幻想的な雰囲気のなか、『半透明の世界で』で透き通るようなハイトーンボイスを聞かせると、『夜とワンダーランド』ではエレクトロなシンセサウンドを融合させた少し大人な世界も表現。オープニングブロックで届けたダンサブルな3曲とは異なり、このターンではボーカリスト・石原夏織としてのポテンシャルの高さを見せつけた。

6曲を歌い終えたところで、一旦舞台をあとに。ステージ上ではバンドメンバーたちによる白熱したセッションが展開され、やがてジャジーな音色へと変化したところで、今度は黒を基調にした衣装で石原が再びステージに登場。4人のダンサーを従えて披露したのは、もちろん『Taste of Marmalade』だ。妖艶さを煽るようにミラーボールが会場を照らし、彼女の歌声にも艶っぽさが増していく。
『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA

『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA

続いては、きっと多くのファンが生バンドでこの曲を聞きたかったのではないかと思われるロックテイストの『Ray Rule』。背景のスクリーンには過去のライブ映像がいくつも映し出され、2ndシングルながら彼女にとって新境地だったこの曲とともに積み上げてきた5年という時間の流れを感じさせる演出に、思わず目頭が熱くなる。また、ダークな一面に挑戦した『Abracada-Boo』でキレのあるダンスフォーメーションを届けると、ここからさらにギアを上げていく。『Singularity Point』と『Against.』では歌詞に合わせ、心に抱え込んだジレンマを解き放つようにドラマチックなパフォーマンスを披露。『TEMPEST』では激しく吹き上がるスモークの柱のなか、感情を爆発させるような熱いステージングでファンを魅了した。これでもかと攻め曲を繰り出した圧巻の構成。この激しい6曲をパワフルなダンスを交えながらノンストップで魅せていった姿はまさに衝撃的だった。
『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA

『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA

後半戦は一転し、オレンジ色のロングスカートをまとい、凛とした風格を漂わせながら、まずは笑顔が芽吹いていくような歌詞が印象的な『Remember Heart, Remember love』から。序盤をピアノのみでしっとりと聞かせ、2番からはバンドとともに感情豊かに歌い上げていく。続く『曖昧蜃気楼』でも、ウィスパーのような歌声からカタルシスをもたらす力強さまで、1曲のなかでさまざまな声の表情を展開し、ファンを楽しませた。また、家族への感謝の想いを綴った『To My Dear』では言葉の一つひとつを大切に届けていくように丁寧に歌唱。この3曲では、歌詞に込められた“感情”を真っ直ぐに伝えていくことを意識しているようにも感じられた。

続くブロックでは“等身大の石原夏織”を表現。《出会い》や《つながり》を歌った『Starcast』ではファンへの思いを遠くまで届けるように、感情がたっぷりと詰まったハイトーンボイスを会場に響かせていく。一方、『♮ Melody』では可憐なステップを見せながら、“自分らしく生きる”ことを体全体でパフォーマンス。そして、メロディに気持ちを委ねるように体をゆったりとスウィングさせて歌った『Plastic Smile』では伸びやかな歌声が心地よく観客の耳を刺激し、まるで素の彼女が垣間見えるかのような優しい時間が流れた。
『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA

『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA

早いもので、残すところあと2曲。客席からの「え〜……」という声に、彼女自身も「だよねぇ」と寂しさを覗かせる。そんな悲しさを楽しい気持ちで上書きするように、ここで、「私はあまり5周年というものに対して実感がなかったんです。でも、たくさんの方が自分のことのようにお祝いしてくれている様子を見て心が暖かくなり、本当に嬉しかったし、とっても幸せに感じています」と、改めてこの日をともに祝ってくれるファンに感謝の思いを届けた。その後、コール&レスポンスで再び会場を暖めると、熱気をさらに上昇させるように『虹のソルフェージュ』へ。色とりどりのペンライトが客席で揺れるなか、無邪気な笑顔をファンに向けて歌う姿がなんとも愛くるしい。そして5年分の思いを込め、本編の最後に歌ったのはデビューシングルの『Blooming Flower』。意外にもライブで歌うのは2020年の1st LIVE TOUR『Face to FACE』以来、3年ぶり。石原夏織にとってアーティスト活動の始まりとなったこの曲をバンドスタイルという新たな形で届けていく姿からは、彼女のさらなる活動の広がりと、“今までとは違う石原夏織を見せていきたい”という未来に向けた熱い想いが強く感じられた。

アンコールは『夢想的クロニクル』から。舞台後方のスクリーンが上昇し、その奥から階段状になったセットに腰掛けて登場すると、ダンサーたちと息のあったパフォーマンスを展開していく。また、続くMCでは、これまで詳しく触れてこなかった今回のライブタイトル《bouquet》に込めた思いについても言及。先ほどの本編ラストで披露したデビュー曲『Blooming Flower』は自身にとって大切な曲であるため、それゆえ、あえて特別な瞬間まで封印していたとのこと。今回のアニバーサリーライブがまさにその特別なタイミングであり、「そこで、『Blooming Flower』を軸にしたセットリストを作ろうと思い、いろんな楽曲をお花に見立て、それをひとつにまとめて“bouquet”としてお届けしたいなと思ったんです」と説明。さらにこの日のライブを振り返り、「今日のリハーサル中に、ダンサーさんやバンドメンバーの皆さん、それにスタッフさんたちの姿を見て、ここにいる人たちが1人でも違ったら、また別の形があったのかなと感じて。そうしたら、人生ってこういうものなのかなって思えたんです。1つでも何かが違っていれば、ここにいる皆さんとも出会えていなかったかもしれなくて。だからこそ、こんなに多くの方たちと出会えたことに幸せを感じています」と、今日のこの日を一緒に迎えられた運命的な巡り合わせへの想いを言葉にし、もう一度ファンに感謝の気持ちを届けた。

ここで再びダンサーとバンドメンバーの紹介を。ところが、そのラストにキーボード兼バンマスの今井隼から「ボーカル、石原夏織!」と告げられると、次の瞬間、会場には全員で歌う『ハッピーバースデー』の歌が流れ、さらにブーケが贈られるというサプライズが。「今日は泣かない」と決めていたものの、涙ながらに「本当に嬉しい誕生日になりました!」と喜びの表情を見せていく。そして、涙を吹き飛ばすように『Untitled Puzzle』を歌うと、最後の最後に『Face to Face』を。“みんなのもとへ笑顔を届けにいく”というコンセプトで作られたこの楽曲を、実際に客席へ降り立ち、ファンに囲まれながら熱唱。ステージに戻ったあとも、「みんなの近くに行く約束、はたせました!」と最高の笑顔を見せた石原。終わってみれば、過去最多の曲数を、MC少なめで展開していった今回のライブ。その構成からも、“たくさんの歌を届けたい”という彼女の想いが伝わってきた。

なお、今回のライブ中には新情報として、2024年にアニメタイアップの新曲をリリースすることも発表。6年目の彼女がどんな楽曲を聞かせてくれるのか楽しみだ。また、この日のライブの模様が9月23日にCSのTBSチャンネル1でオンエアーされることも決定。それに合わせ、過去の4公演の映像も再放送される。
『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』
2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA

<セットリスト>
01.SUMMER DROP
02.Cherish
03.ポペラ・ホリカ
04.Paraglider
05.半透明の世界で
06.夜とワンダーランド
07.Taste of Marmalade
08.Ray Rule
09.Abracada-Boo
10.Singularity Point
11.Against.
12.TEMPEST
13.Remember Heart,Remember love
14.曖昧蜃気楼
15.To My Dear
16.Starcast
17.♮ Melody
18.Plastic Smile
19.虹のソルフェージュ
20.Blooming Flower
EN1.夢想的クロニクル
EN2.Untitled Puzzle
EN3.Face to Face
『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA
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『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA
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『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet-』2023年8月6日 at LINE CUBE SHIBUYA
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OKMusic編集部

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