【石原夏織 インタビュー】
自分が変わりつつあることを
この5年ですごく感じた
ファンのみなさんがずっと一緒に
歩んできてくれた今だからこその曲
そんな開放的で、新鮮さも感じられる「Paraglider」のカップリングとして収録されるのがバラードの「To My Dear」。この曲は《たくさんの愛をずっとくれる場所》という歌詞もあるように、心が落ち着くリラックスの意味での解放感を感じました。この曲は家族をテーマにした一曲になっていますね。
今回、“いつかゆったりとしたバラードに挑戦してみたい”という想いがようやくかたちになったんです。バラードだからこそ歌詞の意味がより伝わるものが作りたいと思い、かつ聴いてくださる方が私の想っていることとリンクしてくれたらいいなと思って曲のテーマを考えた結果、家族についての歌になりました。私自身、デビューしてから今まで、イベントなどでファンのみなさんと直接お話した時の会話を結構覚えているんです。例えば、新社会人になって上京してきた話や、ご結婚した、お子さんが生まれた話とか。そうしたお話を聞いていて、ファンの方もそれぞれ環境が変化されているのを感じましたし、家族に対しての想いが伝わってくる瞬間が多かったので、家族への愛を歌うのがいいんじゃないかと思って、この曲を作りました。
なるほど。そうしたファンのみなさんとの交流を経た今だからこそ生まれた曲なんですね。
そうですね。きっと、デビュー1、2年目だったら、まだこういう曲を歌おうという瞬間がなかったと思うので、ファンのみなさんがずっと一緒に歩んできてくれた今だからこその曲だと感じます。
そんな「To My Dear」はバラードだからこそ、メッセージはもちろん、石原さんの声の魅力もよりダイレクトに伝わる曲になりましたね。
私自身、曲の冒頭の音数が少ないパートが気に入っています。静かだけどすごく心に伝わるというか…一音一音、歌声もそうですし、曲の切なさやはかなさも際立っているんです。
冒頭の部分は、すごくエモーショナルに感じられますね。
ただ、この曲は久々に“ムズい!”と思ってしまう曲でした(苦笑)。家で練習したり、ヴォイストレーニングをしたりして、ある程度自信を持って歌えるようにしてレコーディングに臨んだんですが、いざ録るとなると最初からキーが高くて、ずっと自分の音域のギリギリを攻めるみたいな技術面の難しさがありました。そうした中で感情をどう表現していくかも、かなり考えながらレコーディングしました。
この曲のレコーディングの際には、ご自身のご家族のことを思い浮かべたんですか?
そうですね。私は家族が大好きで、思い出たくさんいっぱい作ろうと思っていろいろなところに一緒に出かけたりするくらい、いつも家族のことを考えたりしているんです。なので、感情を作るのはすぐにできました(笑)。でも、声に乗せるのが難しい…そんな感じでしたね。
そんな難曲への挑戦が結実して、石原さんの想いが乗った温かなバラードになりましたね。
この曲の《今は痛いほどわかる 大切に守られた日々》という歌詞が特に好きなんです。年齢を重ねて、状況の後ろ側が見えるようになったからこそ、この歌詞に胸が締めつけられるというか。私がこれまで心配されないように隠してたところも、きっと親は気づいて言葉をかけてくれていたと思うし、本当にありがたいなという気持ちを改めて思いました。
そんな“開放&解放”感がある2曲を携えて、8月6日のご自身の誕生日には記念すべきデビュー5周年のアニバーサリーライヴ『bouquet』が開催されますね。
今まで応援してくれたファンのみなさんへの感謝の気持ちと、これからもみなさんの期待を裏切らないように成長できる自分であり続けられるよう一生懸命に努力して、ライヴをお届けしたいと思っています。やっぱりここまで来れたのは、本当にファンのみなさんのおかげなので。そんなみなさんに感謝の気持ちを込めてライヴをお返しする…という感じにしたいと考えた時に、花束がいいんじゃないかと思って“bouquet”というライヴのタイトルをつけさせてもらいました。ぜひ、受け取りに来ていただきたいです。
取材:齊藤 恵
「Paraglider」MV
「To My Dear」試聴ver.
「"Paraglider」 MV MAKING DIGEST
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