【シークフェルト音楽学院
インタビュー】
ここから始まるシークフェルトの
新たな物語を楽しみにしてほしい!
シークフェルトのヒエラルキーが
歌の構成でも表現されている
楽曲の話に戻りますが、サビで食って入るところが気持ち良いと思いました。野本さんなりの聴きどころはどこですか?
歌詞と舞台の物語がリンクしているところはもちろんですし、戦うシーンの音楽なのにバイオリンとかストリングスの音が効果的に使われているのは他の『スタァライト』の音楽とは少し違うところかもしれませんね。おっしゃっていただいたサビに入る部分も、音がどんどん上がっていくようになっていて、そこも舞台映えを意識して作られています。
雪代晶という存在が引き立つような曲でもありますね。
3に分けると思うんですけど、それを1:4に分けた構成からも晶が全てを支えていることが表現されていて好きです」
1:4ではバランスが悪いですよね。
シークフェルトはヒエラルキーがしっかりできていて、晶を頂点にしたピラミッドがしっかりあるので。横並びで“みんな仲良し”というわけではないというのが、歌の構成でもしっかり表現されています。バランスが悪いのにそうなっているところに、そういう意図を感じます。
歌の練習はみんなでやることもあったのですか?
舞台の時はそうでした。“どこで息を吸えばいいの?”とか言いながら最初はみんなヒィヒィ言って。歌唱指導の先生がいない時は穂波氷雨役の門山葉子さんに、うまくいかないところとか、どうやっているのかとか、いろいろなことを教わりました。
カップリングの「Everlasting Show to the SHOW!」はエーデル ver.にはシークフェルト音楽学院5人のバージョン、Delight ver.はシークフェルト音楽学院の5名を含む舞台に出演された全11人で歌ったバージョンが収録されていますね。
この曲は歌い終わると寂しくなる一曲ですね。曲調は明るく楽しいんですけど、そのぶん終わった時の寂しさが大きくなる。でも、この曲って実は舞台では歌わなかったんですよ!
舞台の最後に歌ったら合いそうな曲だったのに。
はい。レコーディングした時は全員がそう思っていました。でも、舞台稽古が始まったら違う曲になっていて。みんなすっかり忘れていたんですけど、舞台が始まったら客入れの時にDelight ver.が会場で流れていました。そこで“あれ? じゃあ、エーデル ver.はどこに行ったんだ!”って。今作に収録されて本当に良かったです(笑)。
やっと日の目を見たと。
本当に嬉しいです。それにこの11人で歌った曲はゲームにも実装されてないので、この一曲しか存在していません。そういう意味ですごく新鮮だし、ファンの方はぜひ手に取っていただきたいですね。それにシークフェルトの5人で歌ったものとは歌割りも違うので、まったく印象が違うと思うから聴き比べてもほしいです。
そして、3曲目のシークフェルト音楽学院中等部の5人が歌う「シークレット☆リトルスタァズ」を聴かれた印象は?
舞台のライヴパートで5人が歌った曲で、今まで私が感じていたシークフェルトらしさの定義がこの曲で少し変わりました。シークフェルトは実力主義で、その中でもさらに実力を持った5人がエーデルと呼ばれていて、それが雪代 晶をはじめとした私たち5人なんです。でも、中等部には劣等生がいたり、私たちが歌ってきた曲とも印象ががらりと違う可愛らしさがあって、歌っている本人たちもすごく初々しいし、これは私たちには歌えない曲だなって(笑)。
以前に九九組の愛城華恋役の小山百代さんを取材した時に、中等部のメンバーに昔共演した子役だった子がいて、“あの子も舞台少女なんだなと思った”とおっしゃっていて。
それは海辺みんく役の久家心ちゃんのことだと思うんですけど、彼女は演技経験も豊富で、初々しいながらみんなを引っ張って頑張っていました。実は私も小山さんと心ちゃんが共演した作品で、小山さんの役ではないけど2代目を引き継いでいて。資料映像で小学生の頃の心ちゃんをたくさん観ていたんです。だから、勝手に親戚みたいな気持ちで、”ここちゃん大きくなったね〜”と思いました(笑)。
こうやってバトンが受け継がれていくことで、舞台少女の物語は終わりがないんだと思いました。それが『スタァライト』シリーズの面白さだなと。
そうですね。こうして新しい世代が出てきますしね。きっと中等部は新しいファンの方も入りやすいと思います。私たちエーデルは設定が最初から強くて完成された女の子たちの物語だったけど、中等部はこれから一緒に成長していくというものだから、私たちとはまた違った『スタァライト』の楽しみ方ができるんじゃないかと思います。10月には中等部の舞台公演もありますし、そのうち『エーデル- Delight』公演のBlu-rayも発売されると思うので、それを楽しみに待っていてほしいです。ここから始まるシークフェルトの新たな物語を楽しみにしながら、CDをたくさん聴いて愛していただければと思います!
取材:榑林史章