【Morfonica インタビュー】
Morfonicaの音楽には
水彩画に似たイメージを感じる
ステージ上の彼女たちが
もっと生きた存在として映る
この取材でもっとも訊きたかった質問なのですが、Morfonicaの音楽をMorfonicaたらしめている要素はなんだと思いますか? 歌詞、メロディーやコードなど、どんな切り口でもかまいません。
Ayasa
それで言うと、あまねちゃんが歌う歌詞って難しい言葉が多いよね。
進藤
そうなんですよ。それとは別に、よく使う言葉を挙げると「Daylight -デイライト-」のサビに登場する“現実”。あとは、“光”“太陽”“希望”あたりが、Morfonicaの音楽の土台になる大切なフレーズなのかなと。光モノが多いですね(笑)。ただ、希望を覗かせる一方で、“月”“闇”“夜”のようなフレーズも多いんです。それは人の気持ちに喜びや幸せがあるのと同時に、悲しみや怒り、嫉妬などの対極の感情が共存しているのと同じだと思っていて。だからこそ、Morfonicaの音楽は私たちの心にとてもリアルな距離感で迫ってくるんですよね。
進藤さんは自身が演じるましろと同年代だからこそ、延いてはプライベートな時間においても、作品やキャラクターから影響を与えられる側面も大きいのかなと思いますが。
進藤
確かに。旅先でお花畑を見かけた時に頭の中に浮かぶ言葉が“ましろちゃんのそれと似てきたな”と、ふっと気づいたことがありました。「Secret Dawn」の歌詞に使われている言葉でも“これが東雲か”や“これが淀みなんだ”といった具合に、自分が見ている景色にあとから名前がついていったり。
とても素敵な体験ですね。
進藤
あとは、ましろちゃんの書く歌詞に“風”という言葉がよく登場するのですが、これにもいくつか表情があって。暗い風や、強い風、「Secret Dawn」だと《優しい風》と歌っていますね。風ひとつをとってもこんなに表現の幅があるのかと考えていたら、プライベートでもいろいろな情景の違いを感じられるようになりました。
Ayasa
表現の幅の話だとMorfonicaの音楽は明るさの中に暗さが、暗さの中に明るさが混じり合っていて、とても抽象的な内容を扱っているよね。それでいて、おゆちゃん(西尾夕香の愛称)のベースはバイオリンのソロパートやヴォーカルの後ろでもすごく動きのあるメロディーを弾いているし、二葉つくしちゃんを演じるmikaさんのドラムも細かいフレーズばかりで、細部まで繊細に作り込まれていて。私たちと同じ『バンドリ!』のリアルバンドであるPoppin'Partyさんが“写真”、Roseliaさんが“西洋の教会にある彫刻”だとしたら、Morfonicaの音楽には“水彩画”に似たイメージを感じています。
とても分かりやすい例えです。
Ayasa
あとは、何よりもバイオリンの存在をすごく大切にしてくれるバンドだなと。普通に考えたらバイオリンから始まる楽曲…ましてやヴォーカルの裏でこんなに動きのあるフレーズをバイオリンが弾いて前に出ることも少ないんですよ。だからこそ、Morfonicaの楽曲は歌いこなすのも難しいんじゃないかな?
進藤
でも、私にはもうそれが普通なので。それこそAyasaさんがバンド練習をお休みされる時、録音されたバイオリン音源を流してもらうのですが、生演奏とは迫力がまったく違っていて、逆に歌いにくさを感じてしまうんです。でも、それってとても贅沢なことですよね。私なんて昔はバイオリンは貴族の持ちものだと思っていたくらいなんですよ(笑)。
Ayasa
あははは。でも、良かった。2年間も一緒にいて“歌いにくい”なんて言われたら、これからどうしたものかと。あまねちゃん以外にも自分の担当楽器にゼロから挑んだ子もいて、最初の頃は実は緊張していたので、そう言ってもらえて嬉しいです。本当に嬉しい!
そんなみなさんの生演奏を体験できる機会として、4月24日にはTOKYO DOME CITY HALLにて『Morfonica Concept LIVE「Resonance」』が開催予定です。タイトルにある“コンセプトライヴ”とは?
Ayasa
2021年5月に『Morfonica Special Live「Andante」』を開催して以来、朗読劇を織り交ぜたステージを披露してきたのですが、今後はコンセプトライヴと銘打ってシリーズ化することになりました。朗読劇というのもましろちゃんの抒情的な歌詞や人柄があってこそなので、このバンドならではの表現方法だなと。
進藤
Morfonicaのライヴでは、私たちがキャラクターを演じながら彼女たちも自分たちが読む絵本の登場人物を演じるんですよ。それも『ガルパ』のバンドストーリーでは読むことができないような、メンバーそれぞれのまた違った一面が引き出される内容なんです。例えば、ましろちゃんが明るいキャラクターを演じる姿を想像してみてください。そんなの、めちゃめちゃ面白いじゃないですか!
演じるキャラクターが他の登場人物を演じるという特殊な状況だからこその面白さですね。
Ayasa
声優さんがキャラクターとしてMCをするというのは、『バンドリ!』が長年をかけて築き上げてきたライヴのフォーマットなのですが、そこからさらに進化して、キャラクターがまた別の誰かを演じる姿を見せることで、ステージ上の彼女たちがもっと生きた存在として映ると思うんです。私はそこにライヴ感を見出していますね。
進藤
朗読するフレーズがライヴのいろいろな場面で伏線や楽曲の前振りにもなっているから、客席のみなさんに考えを巡らせていただける場面もとても多いのかなと。今回のシングルには昨年のライヴで披露した朗読部分を再録したバージョンも収録されているので、4月のライヴにお越しいただく上での参考にもなると思います。とにかく、私たちのライヴの醍醐味は、朗読を交えたコンセプトライヴ。ぜひ一度、探検しにきてください!
取材:一条皓太
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シングル「fly with the night」2022年3月30日発売
ブシロードミュージック
- 【生産限定盤】(CD+Blu-ray)
- BRMM-10516
- ¥7,810(税込)
- 【通常盤】(CD)
- BRMM-10517
- ¥1,760(税込)
『Morfonica Concept LIVE「Resonance」』
4/24(日) 東京・TOKYO DOME CITY HALL
出演:Morfonica
『RAISE A SUILEN×Morfonica「Mythology Chapter 2」』
6/18(土) 山梨・富士急ハイランド・コニファーフォレスト
出演:Morfonica、RAISE A SUILEN
『Morfonica 単独ライブイベント』
9/23(金・祝) 東京・有明アリーナ
出演:Morfonica
モルフォニカ:スマートフォンゲームアプリ『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』から誕生したガールズ・バンド。メンバーは倉田ましろ(Vo/CV:進藤あまね)、桐ヶ谷透子(Gu/CV:直田姫奈)、広町七深(Ba/CV:西尾夕香)、二葉つくし(Dr/CV:mika)、八潮瑠唯(Violin/CV:Ayasa)の名門お嬢様学校・月ノ森女子学園の学生たちによって構成。2020年3月に『BanG Dream!(バンドリ!)』プロジェクト第4のリアルバンドとして登場した。同年5月に1stシングル「Daylight -デイライト-」をリリース。10月には単独ライヴを大成功させる。21年に2枚のシングルを、22年3月に4thシングル「fly with the night」を発表し、4月にコンセプトライヴを開催予定。Morfonica 特設ページ
Morfonica ブシロード アーティストページ
「fly with the night」
楽曲MV(フルサイズver)
「fly with the night」【試聴動画】
「Daylight -デイライト- 」MV
「Daylight -デイライト-」
アニメMV(フルサイズver )
【公式ライブ映像】
「Daylight -デイライト- 」
【期間限定】
【公式ライブ映像】
「flame of hope」
(「Astral Harmony」より)