和田憲明(演出)「『家族』や『家族
愛』は苦手ですが、とてつもなく大事
なことだとずっと思っています」~ウ
ォーキング・スタッフ プロデュース
『手の平』が開幕

2021年10月23日(土)新宿シアタートップスにて、ウォーキング・スタッフ プロデュース『手の平』が開幕し、舞台写真と演出の和田憲明よりコメントが届いた。
ウォーキング・スタッフの新しい試みとして好評を得た2019年の『虎は狐と井の中に(仮)』。世代の違う作家、そして演出家によるぶつかり合いと世代を超えても共通する感覚にて創り上げた、その脚本の池内風と演出の和田憲明が再びタッグを組み、新しく甦った新宿シアタートップスのオープニングシリーズとして、今回、『手の平』を上演する。
 撮影:二石友希
本作は2018年10月にMITAKA "Next" Selection 19th へ参加した池内風作・演出による劇団「かわいいコンビニ店員飯田さん」の第7回公演として三鷹市芸術文化センター星のホールにて上演され好評を得た。様々な葛藤を抱えた人々の日常から「幸福とは何か」を問いかける池内風の会話劇を、和田憲明が緻密でリアルな表現の追求と出演者の熱量と心の機微を引き出す演出により、臨場感と緊迫感のある作品として作り上げている。
 撮影:二石友希
出演者は、石井愃一、岩本淳、本間剛、町田マリー、池内風、永島敬三、岡田地平、宮下かな子の8名。彼らが、「踊り、転がり、ひっくり返る。立ち退きをめぐる父と家族の記録と記憶。」の物語を届ける。
演出:和田憲明(ウォーキング・スタッフ) コメント
この作品は、少し前に、作家の池内風君が家族をテーマ に書いた作品を、私が自分なりに創り直させてもらったものです。
ただ 厄介なことに、私にとって、『家族』や『家族愛』というものは苦手なテーマであります。それがとてつもなく大事なことだと、ずっと思ってはいるのですが、実感が無いのです。20代の頃に母が亡くなってからは、私は関わる必要のある時以外はまったく家族と関わろうとしない、そして考えもしない人生を送ってきました。そして関わってみたいと思い始めた時には、父も、兄も、他界してしまいました。
そんな私がなぜこの作品を選んだのか。
つい、だから一度考えてみたいと思ってしまいました。 ちなみに、作家の池内君は、ひねくれてはおりますが、とても家族を愛しております。でも創るのは私です。するとどんな『家族』の物語になるのか。そんな感じです。
願わくば、少し落ち着く方向に向かったとは言え、コロナ禍の中、足を運んでくださった皆様に楽しんでいただけるものになっていれば。そう思ってます。

本公演は、10月31日(日)まで上演。

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